ANA WORLD AIR CURRENT

世界の各地で体験した思い出を語り合う60分。
EVERY SATURDAY 19:00-19:54 on J-WAVE

NAVIGATOR : 葉加瀬太郎
ON AIR
2022/02/19
GUEST
山舩晃太郎
DESTINATION
Croatia

海底に眠る歴史を掘り起こす旅。

初の著書『沈没船博士、海の底で歴史の謎を追う』も話題の水中考古学者、山舩晃太郎さん。海の底に沈んだ船体や積み荷を発掘し、過去の人々の生活をひも解く山舩さんに、水中考古学者にとって最も魅力的な海とは? 趣味の世界各地のお寿司屋さんリサーチなど、歴史の謎や海のグルメを巡るお話、たっぷり伺います。

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MEMORIES

アドリア海は昔から交通の重要な地点であり、水中考古学者として魅力的な海のひとつ。北部の沿岸には交易の中心地として発展したヴェニスがあり、さらに古くは古代ギリシャの時代から、文明が発達していた東地中海と大陸の玄関口となっていた場所。東地中海とヨーロッパ大陸を結ぶ航路だったため、沢山の船が沈んでいるのだとか。
世界各地の発掘現場に呼ばれる山舩さん。中でもよく訪れるのが、クロアチアの海岸線の中部に位置する街、ビオグラード・ナ・モル。コロナ禍を除いて、2012年頃からほぼ毎年1〜2ヶ月は滞在しているそう。そこで見つかったのは、全長33m程の16世紀後半のベネツィア共和国時代の船。当時はルネサンス期で沢山の美術作品や絵の具の材料となる顔料など、とにかく積み荷が多く、その全てを記録する必要があるため、必然的に発掘作業も長くなるのだそう。
旅先で「寿司屋」に行くのが趣味という山舩さん。考古学を学んだアメリカでは、考古学は文化人類学の一部とされていて、それはつまり「その土地の人々がどういった文化を持っているか?」が研究対象。同様に「寿司」という日本文化がどういう風に現地の人々に受け入れられて、変化しているのか?が気になる山舩さんは、日本人が握らない寿司(Sushi)屋を調べて食べに行くのがライフワーク。ちなみにメキシコで食べたマンゴーと白身魚の巻き寿司は、日本を含めても歴代上位に入るほど美味しかったのだとか。
今後発掘しに行ってみたい場所は、アフリカ大陸の東海岸沿い、モザンビーク辺り。大航海時代に初めて日本にやってきたヨーロッパ人である、ポルトガルの船が多数沈んでいるのだそう。戦国時代の日本に火縄銃やキリスト教を伝えたポルトガル船。しかし、アフリカ東海岸やインドで積み荷を積み過ぎ、バランスを崩して沈んだという記述も多数……。未発掘の沈没船を調査することで、彼らが日本や世界にどういう影響を与えたのか、新たな発見があるかも?

PLAYLIST

  • Can You Feel It / Birgir
  • Destiny / Zero 7
  • Lazy Lover / Brazilian Girls
  • Love All Night (Work All Day) / Yola
  • 島々の詩 / 葉加瀬太郎
  • Beyond the Sea / Bobby Darin

GUEST

山舩晃太郎

1984年3月生まれ。2006年法政大学文学部卒業。テキサスA&M大学・大学院文化人類学科船舶考古学専攻(2012年修士号、2016年博士号取得)船舶考古学博士。合同会社アパラティス代表社員。西洋船(古代・中世・近代)を主たる研究対象とする考古学と歴史学の他、水中文化遺産の3次元測量と沈没船の復元構築が専門。

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NEXT FLIGHT

ON AIR
2024.12.28
GUEST
角幡唯介
DESTINATION
Philadelphia
1976年北海道生まれ。探検家・作家。チベットのヤル・ツアンポー峡谷の単独探検や、極夜の北極探検など独創的な活動で知られる。近年はグリーンランドとカナダ・エルズミア島の地球最北部で狩りをしながら犬橇で旅をするエスキモースタイルの長期旅行を実践する。『空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む』で開高健ノンフィクション賞・大宅壮一ノンフィクション賞など、『雪男は向こうからやってきた』で新田次郎文学賞、『アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極』で講談社ノンフィクション賞、『極夜行』で大佛次郎賞などを受賞。近著に『裸の大地』第一部・第二部、『書くことの不純』。