ANA WORLD AIR CURRENT

世界の各地で体験した思い出を語り合う60分。
EVERY SATURDAY 19:00-19:54 on J-WAVE

NAVIGATOR : 葉加瀬太郎
ON AIR
2022/06/11
GUEST
金巻芳俊
DESTINATION
Türkiye

作品制作のため訪れた異国の地、トルコで受けた衝撃とは?

葉加瀬さんも大ファンの彫刻家、金巻芳俊さん。今や“予約10年待ち”と言われ、現代木彫りの最前線を走る金巻さんに、お仕事で訪れた初海外トルコでの衝撃や、現地での作品作りを通じて触れ合った人々との思い出、さらに、国内外で人気の金巻作品の秘密にも迫ります。

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MEMORIES

日本とトルコの芸術家交流の場として始まった「トルコ国際木彫シンポジウム」。そこに2002年に招かれ、約1ヶ月の滞在制作をしたのが初海外。なにもかも違う驚きの連続に、いままでの価値観がグラグラ揺れるような体験の中、特に印象に残っているのがアザーン。1日5回礼拝の時間に流れる声で唸るような迫力があり、長旅からようやく就寝というところで聞いたときは、悪夢かと思う程ビックリしたのだそう。
滞在先はイスタンブールから車で2時間程のデルメンデレ市。トルコと日本の彫刻家5〜6人で、その場で選んだ木材を使って屋外での公開制作。すぐ脇には市民が憩う木陰のカフェがあり、トルコの人々の目の前で彫っていると、子供たちがやってきて言葉を教わったりも。特に毎日来るオヌル君とは仲良くなったのだとか。
暑い中、屋外で懸命に制作に励んでいる金巻さんに、カフェでくつろぐ人々がご馳走してくれたのか、隣のカフェからよくチャイを運んでもらっていたそう。トルコのチャイは小さなグラスに熱々の紅茶で、ソーサーには必ず角砂糖が2個。小さなチャイグラスに砂糖2個は甘過ぎるので、いつも1個だけ入れ、汗だくでご馳走になった思い出が。
奥飛騨の山中での制作に呼ばれたのは30代の始め。村が管理するロッジに泊まり、食事は車で山を降り一件だけあるスーパーへ、風呂は無いため奥飛騨の温泉郷で借り、あとは黙々と彫刻を作るという仙人のような暮らし。そんな中、現地で伐採されたブナを使い彫り上げたのは、奥飛騨の山並みを擬人化した作品だったそう。

PLAYLIST

  • In A Tree / Priscilla Ahn
  • Something For Your M.I.N.D / Superorganism
  • Yolculuk / ?Ozan Buğra Kaya
  • Bosporus(watashi) / 葉加瀬太郎
  • Plant Life / Owl City

GUEST

金巻芳俊

彫刻家。相反する感情、流れて行く時間、ゆらぎやぶれを多臂多面という表現を用い、人間の根源に迫る木彫作品を制作。1972年千葉県に生まれ、1999年多摩美術大学を卒業後、国内外のギャラリーや国際的なアートフェアで実績を積み、2018年?2022年にかけて、青森県立美術館、島根県立石見美術館、静岡県立美術館、北師美術館(台北)、埼玉県立近代美術館で展示を開催。日本はもとより、台湾、中国、香港、アメリカ、カナダ、フランス、ドイツ、英国などの企業や顧客からオファーが絶えない現代日本木彫界を背負うアーティストです。

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NEXT FLIGHT

ON AIR
2024.11.30
GUEST
森百合子
DESTINATION
Copenhagen
ライター・エッセイスト。北欧の暮らしやインテリア、旅をテーマに執筆。主な著書に『3日でまわる北欧』シリーズ(トゥーヴァージンズ)、『北欧のおもてなし』(主婦の友社)、『日本で楽しむ わたしの北欧365日』(パイ インターナショナル)など。近刊『探しものは北欧で』(大和書房)では、20年近く通う北欧の町や旅の様子をエッセイで綴っている。北欧食器とテキスタイルの店『Sticka スティッカ』も運営。インスタグラム HP:北欧BOOK