ANA WORLD AIR CURRENT

世界の各地で体験した思い出を語り合う60分。
EVERY SATURDAY 19:00-19:54 on J-WAVE

NAVIGATOR : 葉加瀬太郎
ON AIR
2022/12/10
GUEST
藤井一至
DESTINATION
Inuvik

永久凍土を求めて北極圏の町へ。

スコップ片手に世界各地を飛び回る〈土の研究者〉藤井一至さん。藤井さんがそもそも「土」にハマったきっかけとは? 身近なようでいて知らない“土の世界”、そして研究のため訪れたカナダの極北・イヌビックの旅のお話などを伺います。

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MEMORIES

永久凍土の研究で訪れた、カナダの北極海近くの町イヌビック。周りは何も無い荒野で、現地にはイヌイットの方と、石油や天然ガスの仕事、観光業に従事する方が住むそうです。調査は夏に行うため涼しいだろうと思いきや、気温は20度、そして実は蚊がものすごく多いのだとか。それでも30cm掘れば、一年中凍っている土を目の当たりに。教科書に「永久凍土地帯では農業できません」と書いてあることを、自ら掘って自分の目で見て実感するための旅でもあります。
現地の宿は2つほど。特に冬に犬ぞり体験をさせてもらえる所が人気でシベリアンハスキーを沢山飼っており、入口には「犬を認めた人間しか泊めません」。藤井さんが犬の散歩に連れていってもらうと、飼い主が犬の名前呼んだ瞬間に悲劇が…ものすごい勢いで走ってきた犬が、たまたま間に居た藤井さんをぶっ倒して飼い主の元へ…シベリアンハスキーの強さを身をもって知るという大変な目に。ちなみに周辺にはホッキョクグマやグリズリーも生息。
現地の家は高床式。ものすごく寒い環境の中で部屋を暖かくするために暖房を効かせると、下の地面の永久凍土が溶けてしまい家が傾くので、それを防ぐためなのだそう。そして極北ならではの現象も。夜に仕事をしていてネットが繋がらないな…と思って外に出ると、大抵オーロラが出ているのだとか。
農業の出来ない地域では空輸された作物が頼み。スーパーではしおれた白菜が1800円、オレンジが1個500円するも、乾燥しているとどうしても食べたくなるのだそう。さらに北の町Tuktoyaktukに行った際は、「うちのばあちゃんは植村直己さんに北の暮らしのHow Toを教えた。俺が知ってる二番目の日本人は君だ」と言われたことも!

PLAYLIST

  • Gobbledigook / Sigur Rós
  • In this Life / The Strumbellas
  • Love Earth / Neil Young with Crazy Horse
  • オルクドール ?プラチナの風 / 葉加瀬太郎
  • The World / Benny Sings

GUEST

藤井一至

土の研究者。(国)森林研究・整備機構森林総合研究所主任研究員。1981年富山県生まれ。京都大学農学研究科博士課程修了。博士(農学)。カナダ極北の永久凍土からインドネシアの熱帯雨林までスコップ片手に世界、日本の各地を飛び回る。第1回日本生態学会奨励賞、第33回日本土壌肥料学会奨励賞、第15回日本農学進歩賞受賞、第39回とやま賞。著書に『土 地球最後のナゾ 100億人を養う土壌を求めて』(光文社、第7回河合隼雄学芸賞受賞)『大地の五億年 せめぎあう土と生き物たち』(山と溪谷社)など。

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NEXT FLIGHT

ON AIR
2024.11.30
GUEST
森百合子
DESTINATION
Copenhagen
ライター・エッセイスト。北欧の暮らしやインテリア、旅をテーマに執筆。主な著書に『3日でまわる北欧』シリーズ(トゥーヴァージンズ)、『北欧のおもてなし』(主婦の友社)、『日本で楽しむ わたしの北欧365日』(パイ インターナショナル)など。近刊『探しものは北欧で』(大和書房)では、20年近く通う北欧の町や旅の様子をエッセイで綴っている。北欧食器とテキスタイルの店『Sticka スティッカ』も運営。インスタグラム HP:北欧BOOK