ANA WORLD AIR CURRENT

世界の各地で体験した思い出を語り合う60分。
EVERY SATURDAY 19:00-19:54 on J-WAVE

NAVIGATOR : 葉加瀬太郎
ON AIR
2023/04/29
GUEST
高谷史郎
DESTINATION
Greenland

アートを通して気候変動を知る旅。

アートグループ「ダムタイプ」の中心メンバーとしても活動するアーティスト高谷史郎さん。アートを通して気候変動を知るというプロジェクト「ケープフェアウェル」に日本人として初めて参加し、グリーンランドで見た景色や驚きの体験、そこで感じた思いとは? さらに、さまざまなコラボレーションを行ってきた音楽家、坂本龍一さんとの旅の思い出についても伺いました。

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MEMORIES

「ケープフェアウェル」の船旅で一番驚いたのは、グリーンランドからアイスランドまで戻る途中のこと。何百メートルというスパンの波のうねりの中を進むため、自分たちがうねりの底に居るときは船の両側の帆先よりも高いところに海面があり、次の瞬間ヒューっと上がると世界が見える。まさに「葉っぱの上のありんこ」になったような、人間が本当にちっぽけだということが分かる貴重な体験だったそう。
白とグレーのみの北極圏からアイスランドの島の港に入った途端、目に焼き付くように入ってきたのは、木々の緑や建物の赤い色。そして降り立った町には巨大な温水プールが。田舎の港町ながら設備はとてもよく整備されており、とても気持ち良い旅の終わりを迎えられたそう。
坂本龍一さんの99年のオペラ『LIFE a ryuichi sakamoto opera 1999』で映像を担当した高谷さん。前年の98年には坂本さんと共に、モンゴルのシャーマンに「共生」について質問する旅へ。緑・草原のイメージだったモンゴルは行ってみると砂ばかりの茶色。飛行機が進んでいるかも分からないほど目標物が何もない視界で、遠くの緑が発見できたとき、“人間は自分が必要としているものを見つけられるよう出来ているのかな”と二人で話したのだとか。
高校の頃から建築やデザインに興味がありヨーロッパに行きたかった高谷さん。初海外は87年、大学3回生のときに友人と二人でヨーロッパ中をレンタカーで回る旅へ。ほぼ新車だった車を2万km以上走らせ、最後に空港で返したときはレンタカー屋さんも思わず二度見。当時まだ情報が少なかったコルビジェのサヴォワ邸も、車のおかげで無事巡ることができたそう。

PLAYLIST

  • The River / AURORA
  • 旅の極北 / 坂本龍一
  • Afterglow / Asgeir
  • Amore / 坂本龍一
  • Etupirka / 葉加瀬太郎

GUEST

高谷史郎

アーティスト。1963年生まれ。京都市立芸術大学 環境デザイン専攻卒業。1984年からアーティストグループ「ダムタイプ」の活動に参加。世界各地の劇場や美術館、アートセンターでパフォーマンス公演やインスタレーション展示を行う。1998年からダムタイプの活動と並行して個人の制作活動を開始。マルセイユ・フェスティバル、東京・新国立劇場、シンガポール国際芸術祭での公演や、東京都写真美術館での個展等。2021年、坂本龍一+高谷史郎「TIME」をオランダ・フェスティバルで世界初演。

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NEXT FLIGHT

ON AIR
2024.12.28
GUEST
角幡唯介
DESTINATION
Philadelphia
1976年北海道生まれ。探検家・作家。チベットのヤル・ツアンポー峡谷の単独探検や、極夜の北極探検など独創的な活動で知られる。近年はグリーンランドとカナダ・エルズミア島の地球最北部で狩りをしながら犬橇で旅をするエスキモースタイルの長期旅行を実践する。『空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む』で開高健ノンフィクション賞・大宅壮一ノンフィクション賞など、『雪男は向こうからやってきた』で新田次郎文学賞、『アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極』で講談社ノンフィクション賞、『極夜行』で大佛次郎賞などを受賞。近著に『裸の大地』第一部・第二部、『書くことの不純』。