ANA WORLD AIR CURRENT

世界の各地で体験した思い出を語り合う60分。
EVERY SATURDAY 19:00-19:54 on J-WAVE

NAVIGATOR : 葉加瀬太郎
ON AIR
2023/08/05
GUEST
高野秀行
DESTINATION
Zaire

古代文明を巡る旅で、シュメール人と同じ形の船を漕ぐ!?

ノンフィクション作家、高野秀行さん。大学の探検部にいた頃から世界各地に出かけ、アジア・アフリカなどの辺境地をテーマに数々のノンフィクションや旅行記を書かれている高野さんに、謎の怪獣を探しに訪れたザイール(現コンゴ民主共和国)、古代メソポタミア時代の生活を受け継ぐ人が暮らすイラク南部の町、さらに、謎の独立国家ソマリランドや、世界25以上の言語を学んだお話など伺います。

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MEMORIES

大学時代に所属していた探検部の活動でアフリカに行った高野さん。コンゴのジャングルの中にある湖に住むという謎の巨大生物ムベンベを探す旅で、その体験記を本にしないかという話がノンフィクション作家になるきっかけに。訪れた当時はコンゴとザイールという二つの国で、ともにフランス語が公用語。敢えて現地語のリンガラ語を習って行き、首都キンシャサで喋ってみると大反響! それがいま、25以上の言語を学ぶ原体験となったのだとか。
現イラクにあるチグリス川とユーフラテス川の合流するところには、東京都より遙かに大きな湿地帯があり、ボートで移動する水の民が浮島に住み、水牛を飼って暮らしている。70年代までその土地で使われていた伝統的な船は、5000年前のシュメール人が使っていた船とそっくり! 地元の船大工が再現し、高野さんも乗った写真が「イラク水滸伝」の表紙に。
30年以上内戦が続くソマリアで、北部だけ独立し国を自称するソマリランド。国際的には認められていない未承認国家だが、独自に戦争を終わらせ、民主主義国家をつくり、選挙による政権交代も行われている。しかし実態はよく知られていない……ということで現地取材をした高野さん。確かに実在し、自分たちの紙幣も発行して平和に運営していたそう。
アジアのみならず広い地域で食される納豆は、アフリカにも。木の実の中に入っている大豆に似た豆で作るが、製法や出来上がりは、ほぼ納豆。最近は人口も増え生産量が足りないため、代替品として大豆を栽培し、大豆でも作っているんだとか。また、地元の人とのコミュニケーションで本音を引き出すには、同じ生活をするのがベストと考える高野さん。誰にとっても言葉と食べ物はアイデンティティになるので現地語で「美味しい」と言うと喜んでもらえるのだそう。

PLAYLIST

  • Hello World / Alan Walker & Torine
  • Lost / Maroon 5
  • S.O.S. Maya / Zaiko Langa Langa
  • オルクドール?プラチナの風 / 葉加瀬太郎
  • Niger / Malian Musicians & Damon Albarn

GUEST

高野秀行

ノンフィクション作家。1966年東京都生まれ。ポリシーは「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをし、誰も書かない本を書く」。『幻獣ムベンベを追え』(集英社文庫)でデビュー。『ワセダ三畳青春記』(集英社文庫)で酒飲み書店員大賞を、『謎の独立国家ソマリランド』(集英社文庫)で講談社ノンフィクション賞等を受賞。著書に『幻のアフリカ納豆を追え!』(新潮社)など多数。歴史家・清水克行との共著に『世界の辺境とハードボイルド室町時代』(集英社文庫)などがある。 最新刊は、『イラク水滸伝』(文藝春秋)。

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ON AIR
2024.11.30
GUEST
森百合子
DESTINATION
Copenhagen
ライター・エッセイスト。北欧の暮らしやインテリア、旅をテーマに執筆。主な著書に『3日でまわる北欧』シリーズ(トゥーヴァージンズ)、『北欧のおもてなし』(主婦の友社)、『日本で楽しむ わたしの北欧365日』(パイ インターナショナル)など。近刊『探しものは北欧で』(大和書房)では、20年近く通う北欧の町や旅の様子をエッセイで綴っている。北欧食器とテキスタイルの店『Sticka スティッカ』も運営。インスタグラム HP:北欧BOOK