音楽のルーツを求めて行ったブラジル、そしてモロッコでの出会い。

ドラマーでパーカッショニストの小川慶太さん。ニューヨークを拠点に活動する小川さんに、バークリー音楽学院で学んだ経験や、グラミー賞を受賞したSnarky Puppyのメンバーとしての活動、さらにグナワ音楽フェスに参加したモロッコ・エッサウィラの思い出、ブラジル音楽を学んだリオデジャネイロでの日々など伺います。

MEMORIES

: 23才の年に音楽留学のため渡米。ボストンのバークリーを選んだ理由は、佐世保時代にお世話になったライブハウスの名物オーナーの言葉「あんた、バークリーいかんね」。世界各国から来た学生達と演奏をしたり、故郷のトラディショナルな音楽を教えてもらったりと、いろんな音楽に触れ、情報交換を出来たことが大きかったのだとか。

: モロッコの海沿いの町エッサウィラ。2018年、現地の伝統的な音楽スタイル「グナワ」のフェスティバルに出演するためSnarky Puppyで訪れた。グナワやモロッコが大好きなバークリー時代の恩師ジェイミー・ハダッド氏に影響を受け、以来憧れていた土地での演奏は感動もひとしお。打楽器用のブラシとして、現地のホウキもゲット！

: エッサウィラは、どこの店に行ってもミントティーを出してくれるそうで、その日もメンバーと一緒にお茶をいただいていると、店主曰く「実は子供の頃、ジミ・ヘンドリックスと一緒に過ごしたんだ」。本当に!?と思いつつ聞くと「昔この町に彼が来たとき、俺の父親が家に泊めて、そのとき作られたのが『Castles Made of Sand』なんだ」。

: ブラジルのリオデジャネイロで3ヶ月間の音楽修行。パンデイロの巨匠ジョルジーニョ・ド・パンデイロと彼の息子セルシーニョ・スィウヴァの2人をはじめ、マルシオ・バイーア、キコ・フレイタスなどドラムの名手にも習った日々。それまで掴み所なく演奏していたブラジル音楽を生で聴き、腑に落ちた経験が一番の収穫だったそうです。

PLAYLIST

Adjoni / Bokanté
Keep It On Your Mind / Snarky Puppy
TRAVELERS / J-Squad
Lads in Town / TARO HAKASE & THE LADS
Castles Made of Sand / Jimi Hendrix

GUEST

: 小川慶太
82年生まれ長崎県佐世保市出身。15歳のときにドラムをはじめる。高校卒業後神戸にある甲陽音楽学院で2年間学んだ後、東京で2年活動し、2005年に渡米。その年の秋にバークリー音楽学院に専攻をドラムセットからハンドパーカッションに変えて入学。2007年にブラジルのリオデジャネイロで3ヶ月、ブラジル音楽シーンにおいて重要なジョルジーニョ・ド・パンデーロ、セルシーニョ・シルバ、キコ・フレイタス、マルシオ・バイーアなどに師事する。渡米後、ヨーヨー・マをはじめ、アサド兄弟、セシル・マクロリン・サルヴァント、レ・ヌビアンズ、マリア・シュナイダー・ジャズ・オーケストラ、スナーキー・パピー、チャーリー・ハンター、バンダ・マグダ、ボカンテ、ボストン交響楽団、日本では、MISIA、原田知世、佐藤竹善、J-Squad（報道ステーションテーマ曲担当）などジャンルを超えて現在の音楽シーンを代表する世界のトップアーティストたちと共演し続けている。現在はニューヨークを拠点に世界各国で活躍中。これまでに3度のグラミー賞受賞、4度のグラミー賞にノミネートされている。