ANA WORLD AIR CURRENT

世界の各地で体験した思い出を語り合う60分。
EVERY SATURDAY 19:00-19:54 on J-WAVE

NAVIGATOR : 葉加瀬太郎
ON AIR
2024/11/16
GUEST
吉田悠軌
DESTINATION
Bali

国が変われば、怪談のスタイルも変わる?

怪談研究家の吉田悠軌さん。オカルトや怪談の研究をライフワークに国内外を飛び回り、その土地にいる人の話を聞くことを大事にしている吉田さんに、オカルト取材ネタの宝庫だというインドネシア・バリ島と台湾のお話などを伺います。

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MEMORIES

バリ島のビーチに昔からある有名なホテル。そこに海の女神ニャイロロキドゥルのために設けられた緑色の部屋があると聞き、取材に訪れたときのこと。同行していた通訳兼ガイドが、女神の言い伝えを信じていなかったにもかかわらず突然奇声を上げて倒れ、部屋を管理する女性が慌てて聖水を振りかけて落ち着かせるというハプニングが……。
台湾の人も怪談好きで、心霊スポットや“鬼屋”と呼ばれるお化け屋敷も国内各地に点在するんだとか。台北から少し南の桃園にある龍潭という街に、鉄筋コンクリートのようなものが積み重なった異様なビジュアルの高い建物があり、地元の若者の噂の的に。しかしてその実態は……鉄鋼関係の社長がDIYで作った珍建築だったのだそう。
台北にある某有名ホテルには昔から幽霊が出る噂があり、かのジャッキー・チェンも見たんだとか……。1階のロビーには幽霊を封じるためのお札があるというので探しに行くと、隅の目立たない所に額に入ったお札らしきものが。実際は有名な書家が書いたアート作品だったものの、その場所は昔、軍の補給庫だったことが分かったのだそう。
怪談の捉え方は死生観や宗教観などで異なります。インドネシアの山岳民族トラジャの人々には、数年に1度家族の遺体をお墓から出し服を着替えさせるなど、共に暮らす文化があり、「死後に幽霊になる」というのは完全にフィクションの感覚。一切怪談を信じないのだとか。一方、同じインドネシアでもジャワ島出身の人は怪談を持っていたそうです。

PLAYLIST

  • Nightmare / KNOWER
  • Once Upon A Time / AIR
  • KANEDA [金田] Remixed by 久保田麻琴 / 芸能山城組
  • Moon Beams / TARO HAKASE & THE LADS
  • History Of Touches / Björk

GUEST

吉田悠軌

怪談研究家。1980年、東京生まれ。現代オカルト文化、特に「怪談」についての調査と研究を行っている。人々の不思議な体験談を取材する「実話怪談」については2005年より活動開始。これまで数千話を収集しつつ、再構成した実話怪談を語りと執筆により発表し続けている。怪談サークルとうもろこしの会会長。月刊ムーに連載中。オカルトスポット探訪マガジン『怪処』編集長。著作は『教養としての最恐怪談』(ワン・パブリッシング)、『ジャパン・ホラーの現在地』(集英社)、『怪事件奇聞録』(竹書房)、『現代怪談考』(晶文社)、『一生忘れない怖い話の語り方』(KADOKAWA)、『オカルト探偵ヨシダの実話怪談』(岩崎書店)、『一行怪談』(PHP研究所)、『禁足地巡礼』(扶桑社)など。

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NEXT FLIGHT

ON AIR
2024.12.28
GUEST
角幡唯介
DESTINATION
Philadelphia
1976年北海道生まれ。探検家・作家。チベットのヤル・ツアンポー峡谷の単独探検や、極夜の北極探検など独創的な活動で知られる。近年はグリーンランドとカナダ・エルズミア島の地球最北部で狩りをしながら犬橇で旅をするエスキモースタイルの長期旅行を実践する。『空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む』で開高健ノンフィクション賞・大宅壮一ノンフィクション賞など、『雪男は向こうからやってきた』で新田次郎文学賞、『アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極』で講談社ノンフィクション賞、『極夜行』で大佛次郎賞などを受賞。近著に『裸の大地』第一部・第二部、『書くことの不純』。