尾崎世界観のキングスプレイス
七夕にお送りした9回目のキングスミーティングには、
クリープハイプのギター、小川幸慈さんが登場しました。
尾崎「七夕ですけれども、お前の彦星はどうなの?」
小川「俺の彦星は元気だよ(笑)」
尾崎「最悪だよね(笑)」
まずは最近の過ごし方について。
尾崎「最近はどのように過ごしてるんですか?」
小川「最近は割と時間があります」
尾崎「あるよね」
小川「ちょっと前はレコーディングがあって、
そっから少し時間が空いて、ゆっくりしてますね」
尾崎「どんな気持ちで過ごしてるの日々を」
小川「大体まあ家で…作業…」
尾崎「まあ大ぴらには言えないか!この御時世」
小川「なんか俺すげーことしてるみたいじゃん(笑)」
尾崎「キングスプレイス用に言ってくれたらいいや」
小川「部屋に閉じこもってます(笑)
こうやると俺そ出てるみたいになっちゃう(笑)」
尾崎「そういう中でさ、見つける温もりとかあるの?」
小川「温もり…?温もりかぁ(苦笑)」
尾崎「確かにびっくりするよねこんなこと聞かれて(笑)
俺もわかんないもん」
小川「うーん」
尾崎「どうやって進めたらいいかわかんないのよ。
慣れてないんだもんそもそもミーティングに。
メンバーとは一番慣れてないかもね。」
小川「そうね、あんま頻繁にするバンドではないから…」
尾崎「ミーティングしないよね。基本的にね」
話題はクリープハイプのライブについて。
尾崎「ライブも最近はやれて、少しずつ始まりましたけど、
ギタリストとしてMCとかを積極敵にするわけではない中で、
何かこう感じるものはある?
お客さんをやりとりをするっわけではないからさ」
小川「プレイヤー的には、演奏的に、コロナ禍になって
やりづらいってことはそこまでないけど、尾崎がMCをするわけで、
やっぱMCもライブの流れとして重要な役割を担ってるから、
今まであった笑い声とかそういう反応が、
拍手とか表情に変わるってところはちょっと流れが難しいから、
今までよりはお客さんの顔見たりとか、反応を受け取りにいく
感じはありますね」
尾崎「お客さんの表情っていうのは基本的にマスクをしてるけど
伝わってくるものですか?」
小川「全然伝わってきますね」
尾崎「そうだね、何となく伝わってくるし、あんまり変わらないのかな。
わかりやすくても伝わってくるし、わかりづらくなっても
それはそれで別の伝わり方があるってことだよね」
小川「そうね」
レコーディングの変化にについても聞きました。
尾崎「レコーディングも結構して、新曲溜まってますけど、
レコーディングでの変化とかってありますか?」
小川「そうね、最近、曲によってコンセプトというか、バンドの、
今までのクリープハイプらしいサウンドの新しい形というか
延長線上を目指したりとか、また違うアプローチだったりとかで、
曲によってこうアレンジの仕方が結構違うから、
それはやってて楽しいなって」
尾崎「いろんな作り方になりましたね。リモートで作ったりとかもしたし。
だからあれだよね、TikTokのさ、
イントロだけ使われてるやつとかあるでしょ。
あれで、よりによってね、
『イノチミジカシコイセヨオトメ』の小川くんが
やってないところが使われてね。あれ腹立つね〜」
小川「そうよ。色々ね、こねくり回したギターサウンドが他にもあるのに…」
尾崎「やっぱやりすぎるとあれなんだろうねきっと。
そういうもんだよね。表現って。これだっていうのもあんま…
だから新曲で使われたいよね。
俺も俺でイントロかって思ってるからね。
誰も芯喰ってないのかもね」
小川「でも乗っけやすいのかね。」
尾崎「うーん…微妙にズレてるしバチッとハマってないからリズムに。
そういうところが今っぽいのかなぁ…
よくわかんないよね、どこをキャッチしてもらえるかっていうのは。
そういうズレがあるから、こっちも楽しいのかもしれないですけど。」
尾崎「何か言い残したこととかありますか?
まぁ編集するから(笑)」
小川「じゃあ…この後終わったら恵比寿行ってきます(笑)」
尾崎「やめろって(笑)」
小川「そうなっちゃうから(笑)」
尾崎「じゃあ…本当に言い残したことあったら」
小川「そうですねあのー、まだこっから夏フェスが…」
尾崎「なんかヒーローインタビューみたい(笑)
まぁね、明日も試合があるんでね、一戦一戦しっかり、
目の前の試合に向き合って、明日も勝ちます!
明日も応援よろしくお願いします!」
小川「…はい。それを全部音楽に変換してね。」
尾崎「リスナーの方にそうしていただきましょう」
終始穏やかな雰囲気のもと、お話ししていただきました。
小川さん、ありがとうございました!
尾崎世界観のキングスプレイス
8回目のキングスミーティンには、
京都のライブハウスnanoの店長、
モグラさんにコメントをいただきました。
最初に、クリープハイプとの出会いについて。
モグラさん
「最初に出会ったのは、インディーズの1stのミニアルバムを
リリースした時にツアーでnanoに来たのが最初ですね。
当時はスリーピースで、リズム隊がきて、セッティングを
し始めるんですけど、ギターボーカルの尾崎がなかなか
来ずにですね、しばらくしてからリズム隊がセッティングを終えた
ぐらいでギター持って裸足で入ってきて、
『なんかふてぶてしいやつが来たな』っていう印象で、
打ち上げとなればお酒飲みながら話したし、
会う度に近況の報告しあって、本当に深い関係のある
ミュージシャンの1つですね。
うちでライブするたびに、
『東京でもこんな盛りあがらないっすよ!京都に住みたいっすわ!』
ってよく言ってたのを思い出しますね」
尾崎「あー…ふてぶてしい、
まあそうですね、あの時はバンドマンらしいバンドマンでしたね、
体型も含めて。ヱヴァンゲリヲンみたいだったんですよ。
あの時に戻りたいですね、体がね。
覚えてますね、自分の中の京都のイメージの1つですね。
モグラさんの話す間とか、声っていうのは。
ライブハウスとしても独特ですね。お客さんが
自転車で来るんですよ。それがすごく良くて、
ライブが終わって、そのまま自転車で帰っていくという。
ライブハウスの前にいっぱい自転車並んでて、
塾かなって思ったもん(笑)
今は改装されて、広くなっていて、また変わってるんですけどね。
また行きたいですね。」
続いて、昨年からのnanoの活動、
そしてこの1年を通じて感じたことを聞きました。
モグラさん
「去年の4月の頭ぐらいから、できないことを投げ捨てるよりも
じゃあ今何ができんねんと言うことですぐにライブの配信を始めて、
それだけではどうなる気もしてなかったので、
ライブハウスというかエンターテイメント業界全体がくらってたので、
ライブハウスに来るお客さんやミュージシャンからの支援ムード
みたいなものに乗っからんとアカンやろということで、
グッズを作って売ってそれをたくさん買っていただいて、
売上を保とうと努力してきて、それが続いている感じですかね。
でもその中で今までやってこなかったこと、初めてやることの中で
たくさん勉強になることがあって、
例えばお客さんからのレスポンスであったり、
『こんなに好きでいてくれてるんや』っていうのが、目に見えて
分かるようになったり、お客さんからライブハウスっていうものを
渇望して、ライブが再開されることを切望されてるっていうのが
直のコメントで感じ取れたりとか」
「配信することによって、配信のPAも僕がやってるんですけど、
音の出し方も全然違うんで、配信と現場では。
音の出し方に対しても自分の中で、
1つ1つの音の解像度が上がったというか、
とにかくめちゃくちゃ勉強になったことがすごくあって、
音のこともそうですけど、自分たちの、ライブハウスの在り方
であったり、音楽を鳴らす場所としての在り方、
ちょっと大げさな言い方をすると、
文化を発信するっていう場所としての自分達の気の持ちよう、
この街においてっていうこともすごく考えるようになったので、
大変ではありながら、確実にこの先に生かされることを
行動に移し、考えてきた1年だったなとは思ってますね」
尾崎「モグラさんはご自身でもおっしゃっていましたが、
PAをやりながらノリノリでライブを見ているんですけど、
あまりにもそれが定着しすぎて、モグラさんがノってないと
不安になるっていう(笑)
でもそうやって大変な中でいろんな気づきがあったという
話は興味深かったです」
最後に、モグラさんがライブを愛する皆さんへ
伝えたいことを聞きました。
モグラさん
「ライブハウスが好きって言ってくださる皆さんに関して、
やっぱりライブハウスって美術館や博物館と比べると
文化が生まれる場所ではあるんですけど、
どうしてもニッチな場所になってしまうので、
そういう厳選されたファンの皆様と、
どう深く繋がっていくかっていうのが
すごく大切な場所やと思ってて、特にnanoのような小さい
ライブハウスになると、そういう部分が大切になってくるので、
nanoが好きとか、nanoに出ているバンドが好きとかいう方、
ずっと待ってて欲しいなと思いますね。
消えていったライブハウスも沢山あるんで、
文化として下火なのかなって思わずに、
あなたの好きなものはずっとここで鳴り続けてますよ、
あなたの好きな場所は何とか残ろうと頑張っていますよ、
ていうのを信じていただいて、それが遊びに行ける、配信、
何でもいいんんですけど、ライブハウスが発信しようと
していることを捉えようとして欲しいなと思います」
尾崎「そうですね。モグラさんも言っていましたが、
『小さなライブハウス』っていうところがすごく
ブランドになっていると思いますね。nanoの。
あの空間だからできる、やろうと思うってことが、
バンド側にもあるので。
やっぱりお客さんは大事ですね。
バンドのお客さんはもちろん、
ライブハウスにもお客さんがついているので、
そういうお客さんにたいしてはプレッシャー感じますよね。
ここのライブハウスのお客さんになんて思われるかっていう。
特に今の時代、ライブハウスに出ていなくても世に広まっていく
音楽がいっぱいある中で、ライブハウスから出てきた音楽
っていうのは、好きですね。そういう音楽が。
去年発表ができなかったんですけど、
nanoでクリープハイプでワンマンライブをやるっていう
予定が実はあったんですよ。残念ながら流れてしまったんですけど、
必ず実現させたいと、改めて思いました」
モグラさん、素敵なコメントをありがとうございました!