2024年01月25日

『おおじしん さがして、はしって、まもるんだ』

今週のゲストは、株式会社ステップ総合研究所・代表取締役所長
清永奈穂さんです。

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清永さんが文章を書き、監修した絵本
『おおじしん さがして、はしって、まもるんだ』が岩崎書店より出版されています。
対象にしているのは、3,4歳から小学2年生まで。
イラストを担当しているのは、石塚ワカメさんです。

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〈大地震だ、ゴゴゴゴゴ〉という風にわかりやすいイラストと文章で
地震が来た時の状況をとても立体的に描いています。

「なかなか言葉で言っても、伝わりにくいところなので、
議論を多くして、揺さぶるような絵にしてほしいということで
この石塚ワカメさんにお願いをして、書いていただきました」

本の中には動物にたとえたポーズの紹介などもあります。

素早く安全に逃げる場所を探せるよう
“ウサギのように、くるりんと周りを見渡す”
“ネズミのように、身体を低くして安全な場所に潜り込む”
“亀のように、手足を引っ込めて首を守る”

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▲亀のポーズ

地震の際に取るべき、大事な行動についても伺いました。

「揺れ出したら、安全な場所に逃げるということで、
 安全な場所を事前に見つけておく。またはそのスペースを作っておく。
 その後は、必ず自身は止まるし、大きな音がしても死なないので、
 次にどう逃げるかという事を考えて、今その時を守ろうねという。」

事前に“いざという時はこう動こう”と決めておくことも大切ですが
心づもりだけでは、身は守れません。
事前に動いてみることも重要だと話していました。

「例えばお家で”地震だパン”と手を叩いて、1、2、3、4と8秒数えて、その間にシュシュッと机のしたに潜れるかみたいなのを
遊びながらやる。それを繰り返し、繰り返しやっていただけると
いいかなと思います。」

清永奈穂さん、他にも安全を学ぶための本を
岩崎書店から多く出されています。
ぜひチェックしてみてください。
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HPはコチラ

今夜の選曲… The List / Moonchild

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2024年01月24日

「体験型安全教育」と「安全基礎体力」

今週のゲストは、株式会社ステップ総合研究所・代表取締役所長
清永奈穂さんです。

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清永さんは2012年に、NPO法人体験型安全教育支援機構を
設立しています。

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「危機から自分の身を守るためにも、その後立ち直るためにも、
座学だけではなくて、疑似体験でもいいから体験する、、、
これが、いざという時に自分で考えて動ける力に
繋がるかなということで、立ち上げました。」

大地震が起きた時に、必ずしも親が子どもの傍に居られるとは限りません。
清永さんは、子どもが自分の身を守るために必要な
『安全基礎体力』を提唱しています。

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▲地震のがれきを踏まないで逃げる練習

安全基礎体力とは、4つの力から成り立っています。
① 体の力:走ったり叫んだりという力
② 危機への知恵知識:どこに逃げたら安全なのか、といった力
③ コミュニケーション力
:“助けて”や“どんな事があった”を伝えられる力や、
こっちへおいでと助け合えるような力。
④ 大人力:危機の時に選択することができる事、
また自分でやり遂げられるような力のこと。

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▲落ちているものを踏まないように逃げる練習

これを子どもたちに簡単に伝えられる合言葉があります。
「わ!たこやきおとうさん」

「わ」=割れる/「た」=倒れる/「こ」=壊れる
「や」=焼ける/「き」=切れる/「お」=落ちる
「と」=飛び出す/「う」=動く/「さ」=裂ける
「ん」=(そういうものに)ん?と注意!

「外を歩いていただいて、何か落ちてきそうなものないかなとか、
今日は“たこやき”を探そうか、っていうような感じで、、、
よく通る道なんかを、親子でお散歩しながら見つけていただけると
いいなと思います。見つけてみてください。」

今夜の選曲…Back to Me / Moonchild

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2024年01月23日

災害を研究し、のちの安全に役立てる

今週のゲストは、株式会社ステップ総合研究所・代表取締役所長
清永奈穂さんです。

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清永さんは長年、阪神淡路、能登半島などの地震の研究をされています。
ここでは、現地に行き被害状況を確認し“子供たちがどのように逃げたか”
“その後どう立ち直っているか”などを学校と共に調査しています。

2007年の能登地震の際にも、調査に赴いており、
昨年も30数人の学校で安全教育を実施していました。
能登には知り合いが多く暮らしていたという清永さん。
24年1月1日に起こった『令和六年能登半島地震』に際しては、、、
安全を確認した後、何かできないかと考えた結果
NHKなどで報道をしてもらえないかと連絡したそうです。

「1人1人の子供たちの顔も、それから保護者の方も、
地域の方も思い浮かんでですね、、、
お年寄りの方も安全教室に参加されたんです。
そのとき落ちた家具から這い出す練習とかもしたので、
あれが役に立ってるかなとか、、、いろいろ考えましたね。」

今夜の選曲… Money / Moonchild

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2024年01月22日

安全教育のポイント

今週のゲストは、株式会社ステップ総合研究所・代表取締役所長
清永奈穂さんです。

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清永さんは、立教大学を卒業後、大学の研究員を経て、
2000年にステップ総合研究所を設立。事件や災害現場に赴いての
現場分析や、犯罪者行動調査、被害調査を基にして、
安全教育、地域安全等について研究されていらっしゃいます。

株式会社ステップ総合研究所は、現場での調査を踏まえたうえで
“その地域でなぜかこういう被害が起きたのか”
“今後どう立ち直っていけばいいのか”などを研究しています。

そのため、自治体と仕事をすることが多く、例えば世田谷区では
区内の防犯に特化した冊子『スクラム防犯』を作成したり、
瞬間的に手を差し伸べる活動推進のための冊子『瞬間ボランティア』
作成しています。

清永さんの研究テーマ“安全教育”において
“犯罪の防止”のためのポイントは<犯罪を起こさない環境を作ること>
『泥棒に対しては、塀を高くする・鍵をかける。』
『人の関係する犯罪は、被害にあわないための人づくり/加害に及ばないための人づくり』などが重要だということです。
イギリスでは特に進んでおり、1997年のトニー・ブレア政権で
「スキルだけでなく、寛容な人間を育てる」ということを目標に“安全教育”が組み込まれた、市民教育(Citizenship Education)が始められました。

比べて日本では、防災・防犯・いじめ・性教育など、幅広く
安全について研究する大学が少ないという現状だそうです。

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2024年01月18日

地球環境問題の根源は、人間の文化の問題

今週のゲストは、総合地球環境学研究所 教授・阿部 健一さんです。
リモートでのご出演です。

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総合地球環境学研究所、通称“地球研”ではモットーとして
<地球環境問題の根源は、人間の文化の問題>ということを掲げています。

 「どういう豊かな未来社会を築くか。でも、もしかすると
  これまで考えた豊かさとは違う、そういった豊かさを求めないと
  もう地球は限界達しています。
  我々の子供、さらにその先の世代が今まで以上に豊かに暮らす、
  それを考えるのが、突き詰めていえば環境学・地球環境学かなという
  感じがします。問題解決というよりも、新たな豊かさを求める。」

猛暑など、気候などを見ても明らかな異変を感じる状態になっています。
特に若い世代に伝えていきたいということについて伺いました。

阿部さんは、2,3年前に京都の高校で環境学を教えていたことがあります。
その際に重要にしていたことが“ディスカッション”

異なる価値観を持つ人たちが共に暮らしている地球において
環境問題というのはそもそも正解があるわけではない。
そのため、他者の大切にしているものを、同じように大切にしながら、
ゆっくり・じっくり考えていく事が重要だと話していました。

またそのようなディスカッションの中で、気づくような“違い”から
環境問題や環境学が始まるのではないか、と仰っていました。

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2024年01月17日

農業の適材適所/知産知消

今週のゲストは、総合地球環境学研究所 教授・阿部 健一さんです。
リモートでのご出演です。

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現在は欲しい食材をどこでも手に入れられる時代です。
今回は、阿部さんに地産地消をどのように考えているか伺いました。

阿部さん曰く「農作物は適材適所」
どんな地域でも楽しまれているコーヒーを、日本で生産するとなると
環境への負荷がかかるため、栽培に適している地域で生産されたものを
流入する“交易”もまた大事なことになるとおっしゃっていました。

また阿部さんは地産地消を
『知産知消』と置き換えた言葉を利用しています。

世界中から食材を得て、豊かな食卓を楽しむことができる時代だからこそ、
消費者は<どのような場所で採れたものか、どういった環境で育てられたのか、どんな人が作ったのか>を知ることで、より美味しく
食事を楽しむことができるはず。

そして生産者側も
<自分が作ったものを、どんな人が美味しいと喜んでいるのか>を
知ることで、農業をするときに“さらに美味しいものを、
環境に配慮したものを作ろう”と思う事ができるはず!

生産地と消費地、お互いを知り合えば、良い相乗効果が出るのではないか、
と考え阿部さんが使っている言葉です。

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2024年01月16日

世界農業遺産

今週のゲストは、総合地球環境学研究所 教授・阿部 健一さんです。
リモートでのご出演です。

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阿部先生は“世界農業遺産”の制度設計に関わっています。
その判定基準は5つです。
最も重要なのは
「地域のコミュニティの食糧および生計の保障に貢献している事」
そして
「農業生物多様性の保全が視野に入れられている事」
「それぞれの風土を踏まえ、地域ごとに独創的な技術などを開発してる事」
「農業を行いながら、祭や儀式など
地域のユニークな価値観を作り上げる文化を彫像していること。」
「美しい風景を作っているかどうか」

現在では、26か国、86地域が“世界農業遺産”として認定されています。
海外では、レモンが有名なイタリアのアマルフィ。
また国内では、滋賀県・琵琶湖の“琵琶湖システム”
宮崎県の“高千穂郷・椎葉山地域“などがあります。

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2024年01月15日

1/18 に開催されるシンポジウム

今週のゲストは、総合地球環境学研究所 教授・阿部 健一さんです。
リモートでのご出演です。

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阿部先生は、京都大学農学研究科を卒業され、
京都大学東南アジア研究センター、国立民族学博物館などを経て、
2008年より、総合地球環境学研究所に所属。
2015年には、世界農業遺産の制度設計に関わり、世界水フォーラムでは、
2003年以降、ユネスコと共同セッションを運営されていらっしゃいます。
 
阿部先生が所属している総合地球環境学研究所は当初は文科省直轄の
研究所であり、その正式名称は、、、
<大学共同利用機関法人 人間文化研究機構 総合地球環境学研究所>と
非常に長いものになります。
そのため阿部さん達は短く“地球研”と呼んでおり、機関の目的は
環境学・地球環境学という新たな学問を構築することです。


今週1月18日には、阿部先生が参加されるシンポジウムが開催されます。

味の素食の文化センター人間文化研究機構 共催シンポジウム
【未来の豊かな食を考える~里山と海をつなぐ世界農業遺産~】

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日時:2024年01月18日(木) 18:00 ~ 20:30 (終了予定)
会場:TKPガーデンシティPREMIUM田町

定員は会場参加が220名、オンラインでも500名参加できます。
ぜひHPをご確認ください。

シンポジウムのテーマにある世界農業遺産とは簡単に
“ユネスコの世界遺産の農業版”ということですが、、、
阿部さん曰く一般的な世界遺産とは全く異なる部分があります。

それはユネスコの世界遺産における目的が、
ありのままに残す・現状維持にである事に対し、
常に新しい知識、技術を取り入れて進化している農業というのは
“変わっていく・変えていく遺産”にあたること。

農業を変化させていくにあたって、
その方法にも問題があったのではないか、
生産性・収益性だけを重視する事、環境問題(化学肥料や農薬の使用など)について見直すという事が、世界農業遺産の大きな趣旨になっています。

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2024年01月11日

呼吸を世界に

今週のゲストはZEN呼吸法主宰・呼吸アドバイザーの椎名由紀さんです。

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昨年9月から、ニューヨークでは子供たちのメンタルヘルス問題への
対処法として毎日2分から5分、呼吸法を実践し、一日一回呼吸の時間をとることを決定しました。

椎名さんは、アップされていたデモンストレーションの動画を見て、
<力が入っているダメな呼吸をしている!>という事に気づき、
ニューヨーク州に手紙を出したそう。

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椎名さん自身が学生時代から身体の不調に悩まされ、
その不調を解消してくれたのが呼吸法だったという経験から、
子どもたちに“正しい呼吸”を伝えたいと仰っていました。

最後に、今後の計画について伺いました。

「私みたいにこう、不調がこのまま一生続くのかと思って、
闇の中にいる人たちに届けて、、、
いやいや健康って実は意外と身近なところにあるんだよ
自分の中にあるんだよっていうことを気づいていただく
きっかけになればいいなと」

椎名さんは今年2月、3月にヨーロッパでワークショップツアーを
控えています。

”ニューヨーク市長からも連絡が来るのでは…?”と考えていることから、
ニューヨークに行く気持ちで準備していると仰っていました。

今夜の選曲… 1/1 / Brian Eno

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2024年01月10日

音声CDで行うZEN呼吸

今週のゲストはZEN呼吸法主宰・呼吸アドバイザーの椎名由紀さんです。

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これまで椎名さんのZEN呼吸法は、スタジオでのレッスンの他、
企業や団体学校での講演も数多く行っていましたが、
今度1月24日に音声メソッドCDとして
『ZEN呼吸法メソッド ~自然な姿勢と呼吸で心を調える~』
発売されます。

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こちらは内容を英訳した英語Verも作成されており、
世界の人が楽しむことができる内容になっています。

「呼吸法って地味なので、なかなか続けられないという方が
多いんですね。とりあえずこのCDをポンと再生していただいて、
もう日課というかルーティンにしてもらえたらなと」

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またCDにはブックレッドが付いてきます!
「姿勢がポイントになってきますので、姿勢を整えてから
呼吸法CDをオンにしてもらいたい」と話していました。

是非こちらから、CDをチェックしてみてください!
▶https://lnk.to/ZenKokyu

椎名さんは現在、東京国立博物館内 TOHAKU茶館で
週に2回、ZEN呼吸のレクチャーを行っています。
60分ほどのプログラムになっていますので
ぜひ皆さんもチェックしてみてください。

今夜の選曲… 夜のZEN呼吸(睡眠メソッド)/ 椎名由紀
Zen breathing techniques -night- / 椎名由紀

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