2023年06月13日

メディカルイラストレーターになるためには??

今週のゲストは、メディカルイラストレーターのtokcoさんです。

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化学者であったおじいさんの影響で、サイエンス系の専門書に抵抗感が無く昔から読んでいたtokcoさんは、幼いころからサイエンスイラストレーターに興味を持っていたそう。
しかしカーデザイナーであるお父様に「絵の世界で食べていくのは大変だ」と言われたことで、医学や解剖学生理学といった体のことを学び、いつか携われたらと考えていたそうです。

その後医療の研究所で働いている時、
医者と医療従事者である社員という立場の違う人同士が、最先端の研究の話をする際に言葉だけで説明することの難しさを感じていた中で、メーカーの人が海外のビジュアル本を用いて、絵でコミュニケーションを図ろうとする姿をみたtokcoさん。
日本はなぜやらないのだろうと疑問を抱き、イラストレーターの道に進んだそうです。

実際にサイエンスイラストレーターの第一歩としては、まずはデジタルで絵を描けるようになるために専門学校へ通ったそう。
後に、メディカルイラストレーターも含まれるという「サイエンスイラストレーター」である奈良島さんという師匠に出会い、絵の技術や世界でビジネスをするためのマナー・ルールなどを教えてもらったと仰っていました。

今夜の選曲… Walking In The Rain/The Ronettes

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2023年06月12日

「メディカルイラストレーターという仕事」について伺いました。

今週のゲストは、メディカルイラストレーターのtokcoさんです。

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tokcoさんは、兵庫県生まれ。北海道酪農学園大学を卒業。
神戸市の研究施設で獣医師として勤務後、メディカルイラストレーターとして独立され、
2013年には、株式会社LAIMANを起業されていらっしゃいます。

まずはメディカルイラストレーターというお仕事について。
普通のイラストレーターとは異なり、専門書や論文などの専門的なものから、一般の患者さんと先生との間の意思疎通のために使われるようなものまで、わかりやすい表現・対象者によって描き分けるといった技術が必要なイラストレーションを描く仕事だそう。

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スタジオには実際に「大動脈弁狭窄症」というタイトルの冊子を持ってきていただきました。
これまで医師が絵や文字を駆使しながら、口頭で病気の説明から手術・退院までの一連の流れを説明していましたが、この「あなただけのために説明します」という冊子によって、患者さんが持ち帰って家族に説明することもできるようにもなるとのこと。
説明の際に医師が書き込めるような余白を増やしたり、デザイン全体を工夫して作られた冊子だそうです。
実際に聖路加国際病院・虎ノ門病院・東京ベイ医療センターの3か所の病院の心臓のチームで使われています。

日本と世界とのメディカルイラストレーション分野について…
ヨーロッパ・北米・カナダではメディカルイラストレーターは有名な仕事で、
アメリカのジョンズ・ホプキンズ大学ではイラストレーターが医学部と隣り合わせで勉強する環境が整っているそうです。

日本のメディカルイラストレーターという仕事の認知については
200年ほど遅れて西洋医学が入ってきた事を踏まえると、アメリカと比べて約100年は遅れてる状況ではないかと見解を述べていたtokcoさん。
そもそもきちんと教えられるような土壌が無いので、職業として成り立たせるのが大変だと仰っていました。

今夜の選曲… On Broadway/The Drifters

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2023年06月08日

中村さんに「オススメの水族館、オススメの時間」を伺いました。

水族館プロデューサーの 中村元さんをお迎えしています。

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中村さんに水族館に行く際にお勧めの時間をきいたところ
池袋サンシャイン水族館は… 晴れた日の午前中!
空との相性も良く、天空のペンギンがキラキラと輝いていてとても綺麗とのことです。

またどこの水族館でも、夕方はお客さんが減り始めるため見頃だそう。
ただ中村さん曰く、17時以降の水族館は理想的なデートスポットになっているそうで、
ぜひ「カップルで行ってください」とおっしゃっていました。

水族館の見方がわからない…という人でも、誰しもが
「綺麗、かわいい、だれだれに似ている!」と話を共有することができるので、
特におすすめの場所!とのことです。

そんな中村さんが考える、すごい水族館は…「名古屋港水族館
水量も多く、展示の仕方も通好みだそう。
現在の目玉は、シャチということですが、
中村さんのおすすめ
マイワシの群れを動かす「マイワシトルネード」
また南極ペンギンだけを展示した「ペンギンの水槽」とのこと!

ここまで4回にわたってお話を聞いてきた中村さんは、
東京で年3回、大阪で年1回、トークライブ『中村元の超水族館ナイト』を開催されています。毎回好評で、次回の6月17日の会は完売していますが、その次は10月に開催予定。中村さんのHPを随時ご覧ください。

今夜の選曲… ETERNALLY / 高橋幸宏

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2023年06月07日

「観光地のバリアフリー化」について伺いました。

水族館プロデューサーの 中村元さんをお迎えしています。

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中村さんが水の魅力を表現するための考え方が「水塊
水の浮遊感、清涼感、躍動感といった水中感を
そのまま切り取って水槽にするという考え方だそう。
「水族館は、生物がいる環境をもうそのまま塊にして持ってくるから大人も行く気になる」
とおっしゃっていました。

また日本バリアフリー観光推進機構の 理事長でもある中村さん。
これは鳥羽水族館にいた時、伊勢志摩をバリアフリー化して
お客さんを増やそうというのが始まりだったそうです。

この時顧客として想定したのが、人口に占める割合が高くなっている高齢者。
年を取り身体が思うように動かなくなっている高齢者が、
旅行に出るのをやめているという状況で、
そういった人たちが楽しめる場所として水族館のバリアフリー化を推進したそう。

中村さんが業界に入ってから、
水族館の入場者数が動物園を超えたことについて。
水族館を見せる相手として、マーケットを大人として考えられるかが一番重要だと
話していらっしゃいました。

今夜の選曲… IN THIS LIFE / 高橋幸宏

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2023年06月06日

「水族館をプロデュースする」というお話を伺います。

水族館プロデューサーの 中村元さんをお迎えしています。

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水族館プロデューサーという仕事について。
水族館に来るお客さんは、だれしもが「魚を大好き」というわけではないので、
この人たちにどう伝えればよいか、どうすれば来館者が増えるかを考える仕事だそう。

学生時代にマーケティングの勉強をしていた中村さん。
「水族館にくるお客さんは、料金を払った後どのように水槽を見るか」という調査を
行ってみると、
・お金を払った後の最初の水槽は、どのような水槽でも大体の人が見てくれる。
・展示後半になると、だんだんと疲れていくのかあまり見てくれなくなる。
・明るくて青い水槽の方が、暗いものや緑色の水槽よりも人々の目を引く。 など

生物関係なしに、様々な要因で何をみているのかが決まっているという事が
わかったと仰っていました。

そんな中村さんが手がけた水族館の一つが「サンシャイン水族館
リニューアルにあたって
ビルの上という立地や、水の重さから大きな水槽が作れないということで
小さくても行きたい場所にしたいと考えたそう。

最初に考えたのはキャッチコピー「天空のオアシス」

小さな水族館なので
「土日よりも平日の女性を増やしたい」
「17時以降のお客さんを増やしたい」といったように、
キャッチコピーに合うように試行錯誤を重ねていき、
現在のサンシャイン水族館ができたそうです。

今夜の選曲… BLUE MOON BLUE / 高橋幸宏

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2023年06月05日

「スナメリの出産とラッコ・ブーム」お話

今週のゲストは、水族館プロデューサーの 中村元さんをお迎えしています。

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中村さんは1956年三重県生まれ。
1980年に鳥羽水族館に入社され、飼育係、企画室長、副館長を経て、2002年に独立され、
水族館プロデューサーとして、新江ノ島水族館、サンシャイン水族館をはじめ、
多くの水族館をプロデュースされていらっしゃいます。

また講談社ビーシーより発刊されている、
中村さんの著書『中村元の全国水族館ガイド125』
水族館ガイド本として2005年の最初の発行から4冊目の改訂版になります。
(↑の写真で中村さんが手にしている本です。)

もともとメディア関係の仕事に就きたかったという中村さん、
「水族館も人に見せて伝えるものだからメディアだ!」と考え水族館え進んだそう。

水族館入社後は「何かを伝えるためには、その生物のことを知らなければならない」と考え、
飼育係を経て、自分で作った部署「企画室長」を担っていました。
この部署は、中村さんが営業部で営業をして回るよりも、
飼育係の時に撮影した「スナメリというイルカの出産シーンの映像」が
全国のメディアで放送された時の方がずっと人が増えている手ごたえを感じたことから、
これを専門にできる場所が欲しいと館長に頼んで、作られた場所だそうです。

企画室長としての仕事で最も手ごたえを感じたのは、ラッコ!

当時社会的に知名度が無く、毛皮の名称として使われていたラッコについて
どうやっておなかの上で貝を割るのか、といった生態を撮影し
メディアに持ち込んで伝えたそうです。
実際の集客としては、70万人だったお客さんが、200万人まで増えたそうで、
その後全国の水族館でラッコの導入がはじまったそう!

それまで毛皮としてしか知名度のなかったラッコの
「生態系にも影響を与えてしまった」と話してらっしゃいました。

今夜の選曲… SOMETHING NEW/高橋幸宏

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2023年06月01日

隈研吾さんとのコラボ…手キスタイルブランド『KUMASHIMA』とは?

小倉織物製造株式会社代表取締役・築城弥央さんをお迎えしています。
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『小倉縞縞』では建築家の隈研吾さんとコラボされた
テキスタイルブランド『KUMASHIMA』を立ち上げられました。
丈夫さが特徴的な小倉織…そこに目をつけた隈先生が
インテリアとしての可能性を感じて、共同で生地を
開発されました。
その縁から始まったブランドが『KUMASHIMA』です。

袴地で縦糸がとても強固な小倉織ですが、椅子の張りなど
に見合う素材にするためには、現状のものより強度を
あげた生地を作ることが必要です。
世界基準を目指されての開発研究が進められています。

▼小倉縞縞のHPはこちらから!
https://shima-shima.jp

今夜の選曲… Excuse Me (I Think I've Got A Heartache)/Willie Nelson

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2023年05月31日

「小倉織」の環境に配慮した取り組みとは?

小倉織物製造株式会社代表取締役・築城弥央さんをお迎えしています。
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『小倉縞縞』で行われいる環境に配慮した
取り組みについても伺いました。

築城「小倉織は、とても丈夫なので長く愛用でき、
使えば使うほどより良くなるんです。
経年変化を楽しめて、なめし側のような風合いを
持つものなので、まさにSDGsの生地だと私は思って
いたんです。
北九州には、プラスチックや漂流したプラスチック、
大量に捨てられてる洋服を回収して、原始糸に戻す技術を
持つ工場があったんです。
その再生の糸を、横糸にだけ使うことで本来の小倉織の
特徴を残しつつ、再生糸を使うことでまた循環していく
ことが意味があるんじゃないかと。」

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↑今回お持ちいただいた再生糸を使ったバック。

再生紙を使うことで、綺麗な色が出るんだとか!
こうした製品は身近で使うことのできるネクタイや、
名刺入れなど、今のライフスタイルに合ったものを
作って展開されています。

▼小倉縞縞のHPはこちらから!
https://shima-shima.jp

今夜の選曲… She Called Me Baby / Willie Nelson

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2023年05月30日

ブランド「小倉縞縞」を世界へ……というお話、伺います。

小倉織物製造株式会社代表取締役・築城弥央さんをお迎えしています。
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築城さんは大学卒業後、台湾の企業に就職されます。
復職関係の会社でマネージメントの仕事をする傍ら、
日本についてたくさん質問されることがあったと言います。
お母様が携わられていて、一番身近であった染色…
この文化が”日本ならではのもの”だったということを
再認識し、27歳のときに小倉織ブランド『小倉縞縞』を
お母様と立ち上げます。

小黒「手織りじゃなくて機械を売りにした理由は何なんでしょう?」
築城「本当に伝統工芸の世界では海外で実際に
美術館とかで収蔵されたりしてすごく評価を
いただいたりもしていたんですけど、地元では
小倉織というものを知られていないっていう現実が
ありました。
私達が全然知らない状態で復元再生したばかりの
ときだったのでそれを地元でも認知してもらう
ということも含めて、ある程度量産ができて、
身近なものにして日常の中で使っていただきたい
ということで、15年前にブランドを立ち上げました。」

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築城さんは、小倉織の生地をドイツ見本市
「アンビエンテ2015」という展示会へ出展しました。
そこで海外の反応を伺ったと言います。

築城「こんな面倒な織物をよくやってると言って
いただきましたね。
皆さんやりたがらない織物なんです。
とても高密度だし、傷も出やすいし、手間のかかる
織物だったけど、わかる方はその魅力をすごく
わかってくださった。
これはやっぱり海外…ヨーロッパに特に見せて
持っていったらいいんじゃないかということで
海外展開は決めていました。」

今夜の選曲…Life Turned Her That Way / Willie Nelson

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2023年05月29日

北九州の伝統工芸「小倉織」の魅力を発信するお話、伺います。

小倉織物製造株式会社代表取締役・築城弥央さんをお迎えしています。
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築城さんは1980年福岡県生まれ。
大学卒業後、台湾の日系企業を経て、
2007年に伝統工芸の小倉織ブランド『小倉縞縞
そして、2018年に小倉織物製造株式会社を設立。
商品開発販売と、国内外に小倉織の魅力を
発信されていらっしゃいます。
北九州市の伝統工芸『小倉織』とはどんな織物
なのでしょうか?

築城「北九州の福岡県小倉という場所であった
伝統織物です。実は一旦途絶えて復元再生していて
江戸時代初期から武士の袴地として使われてきて、
明治時期になると袴から男子の学生服の
シンボルになるほど人気を博しました。

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築城「縦じまが特徴の織物で、縦糸が横糸に対して
約3倍ぐらい多いんです。なので、とても高密度になり
縞がすごく立体的に…グラデーションのように見える
ところが特徴です。
本当に『槍をも通さぬ小倉織』という言葉が
文献にも残っていたりするぐらい、男性が狩りに
行ったりするときの袴であったり陣羽織であったり、
身を守る、本当に丈夫で強い生地で使われてきていた
っていうふうに言われてます。」

今夜の選曲… The Chokin' Kind / Willie Nelson

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