2020年01月02日

紙の本へのこだわりと愛のお話、伺います。

生物学者の福岡伸一さんをお迎えしています。

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福岡さんの紙の本へのこだわりをお聞きしたいです。
福岡さん「本を書く側の人間がもっと
紙の本として、ページがあり、重さがあり、
佇まいがあるというのをもうちょっと大事にして欲しいです。
つまり電子化されてしまうと、テキストだけ電子化されて
タブレットに入っちゃうんですが、
拡大すると文字ズレたり、
ページがぐちゃぐちゃになってしまったする。
電子化だと自分がどこまで読んでいるとかは
わかるんですが、本ってページがあって、
右から左に重心が移っていく、
パッケージとして成り立っているから本なんですね。
そういった本としての作りが残るような方法で
電子本も作らなければいけない。
そういうのが出来るまでは、簡単に紙の本の権利を
渡さないぞぐらいまでの勢いが作家の側に
あってもいいんじゃないかと思います。」

今夜の選曲:LOVES ME LIKE A ROCK / THE PERSUASIONS

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2019年12月30日

年末恒例の「今年の1冊」をご紹介!

生物学者の福岡伸一さんをお迎えしています。

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福岡さんには毎年「今、読むべき一冊」を
選んで頂いておりますが、今年は?!
福岡さん「今年は私自身60歳になったこともあって、
原点を確かめるみたいなことがたくさんあったんです。
今年は原点を確かめて人生後半を生き直そうという意味で、
「大英自然史博物館 珍鳥標本盗難事件」という本をあげます。
この本は京都の出版社で「化学同人」という
出版社が出している本で、翻訳本なのですが、
大英自然史博物館というロンドンの郊外に
ある博物館にある日、泥棒が入ってきたんです。
何か取られたかと思っていたんですが、
標本がありすぎて何が取られたかわからない。
で、お宝の部類のものは全てあって無事で
大したものは取られていないなと思われていたのですが、
後になって、実は綺麗な羽を持つ、捕獲禁止になっている
特別な鳥の羽根がちょっとずつ盗まれていたんです。
マニアの仕業だったんですが、著者のカーク・ウォレス・ジョンソンが
警察もかくやと思うぐらいの調査を進めて、犯人と思しき
人たちに直撃インタビューとかをしているんです。
なかなか素晴らしいドキュメントになっています。」

今夜の選曲:THE ONLY LIVING BOY IN NEY YORK(WEATHER REPORT)/ THE TENNORS


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2019年12月26日

最終的に科学は言葉である?

生物学者の福岡伸一さんをお迎えしています。

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福岡先生のツイートされていた中で、
「最終的に科学は言葉である」という
言葉がありましたが、
これはどういうことなのでしょう?
福岡さん「科学と芸術って相反すると
思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、
科学も芸術も結局のところ、ゴールはこの世界が
どういう風に成り立っているのだとか、
生きているとはなんなのだとか、美しさとはなんなのかとか、
大きな問いを立ててそれに答えようとしているわけですよね。
芸術は、音楽とか絵とか彫刻とか、、、言葉を使わないことに
よって世界を表現しようという試みですよね。
科学の方はみんなに共通するわかりやすい言葉を使って、
世界の成り立ちを解き明かそうとしているので、
やはり科学の1番最後の出口は、分かりやすい言葉で
生命とは何かを問う、私の場合でいうと
「動的平衡」ということですね。」

今夜の選曲:BRIDGE OVER TROUBLED WATER / ARETHA FRANKLIN

来週も福岡伸一さんにお話を伺います!

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2019年12月25日

八丁味噌に注目! その美味しいさ、面白さとは?

生物学者の福岡伸一さんをお迎えしています。

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今年1年、食べ物番組に出られていましたが、
面白い食材や発見などはありましたか?
福岡さん「ごはんジャパンというグルメ番組なんですが、
旬の食材を探し出してきて、それを調理し、
その旬の食材がなぜ旬なのか? という秘密を探る番組となっています。
旬というのは上旬下旬というように10日ぐらいなんですね。
ですから、本当にその食材が美味しいのは、
1年のうちの10日ぐらいしかないです。
なぜかと言うと、食材というのは生命活動に
よってもたらされたものなので、ちょうど産卵期前とか
植物が栄養をためている時とか、そういう時に
人間が食べちゃうという食物連鎖の真実があるんです。

最近面白いと思ったのは八丁味噌という味噌なんですが、
味噌ってわりと、大豆だけではなく、
米とか麦から作られいるんです。
で、八丁味噌は大豆から作られていて、
しかも酒を使っていた樽を使って、
そこに元々いた酵母とか乳酸菌を利用して、
非常に長い時間をかけて熟成させて旨み成分を増やす。
それから味噌って茶色ですが、着色しているのではなく、
アミノ酸と糖が結びついて起こる
アミノカルボニル反応という特別な反応でなるんです。
茶色になると美味しくなる食材って色々あると思うんですが、
あれ同じ原理が使われているんです。」

今夜の選曲:HOMEWARD BOUND / CHER

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2019年12月24日

今年のノーベル物理学賞に注目!

生物学者の福岡伸一さんをお迎えしています。

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福岡さんが今年注目したノーベル賞は?
福岡さん「私が注目したのはノーベル物理学賞でして、
ノーベル物理学賞は何を取ったかというと、
太陽系以外の星に地球と同じような星があるんじゃないかと
昔からSFなどでは言われていたんですけど、
太陽のように自発的に光っている星が観測できますけど、
地球のような星は暗くて見えないので
誰にも発見できなかったんですけど、
そういった星が太陽の前を横切った時に
起こる影とか微小なものを観測することによって、
地球のような星があるかもしれない、つまり
宇宙人がこの世界のどこかにいるかもしれない
という扉を開いた、マイヨール先生とケロー先生に
ノーベル物理学賞が与えられたんです。」

今夜の選曲:THE 59TH STREET BRIDGE SONG(FEELIN' GROOVY) / HARPERS BIZARRE

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2019年12月23日

注目のダ・ヴィンチ本のお話から、ノーベル賞のお話など、 福岡さんが、2019年、気になったことを振り返ります!

生物学者の福岡伸一さんをお迎えしています。

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今年もあとわずかとなりましたが、
2019年の振り返り、
福岡さんが注目したことはなんでしょう? 
福岡さん「2019年というと、レオナルド ダ ヴィンチが
死んだ1519年から没後500年ということで、
人間の文化史の節目の年だなと思いました。
レオナルド ダ ヴィンチの没後500年を記念する
お祭りがヴィンチ村という彼の生まれ故郷の
博物館で、式典があったはずです。」

福岡さんには、レオナルド ダ ヴィンチが
どのように写っている?
福岡さん「今年、ウォルター・アイザックソンという
伝記作家がいまして、彼が上下2冊の
レオナルド・ダ・ヴィンチという大きな本を書きまして、
この本が私の今年の一押しなんです。
この本を読むと、ダ ヴィンチは万能の天才と
言われているんですが、実は悩み多き人生を送った
ということもわかって面白い本になっています。」

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2019年12月19日

12月23日から1月2日は

生物学者の福岡伸一さんをお迎えします。

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1959年東京生まれ。京都大学を卒業され、
米国ハーバード大学医学部博士研究員、
京都大学助教授などを経て
現在、青山学院大学教授・
米国ロックフェラー大学客員教授でいらっしゃいます。

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2019年12月19日

新著「チョンキンマンションのボスは知っている: アングラ経済の人類学」

文化人類学者の小川さやかさんをお迎えします。

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今年発売された著書チョンキンマンションの
ボスは知っている:アングラ経済の人類学」、
こちらについて教えて頂けますか?
小川さん「これは2000年代の初頭に、
発展途上国を中心に零細な交易人たちが
中国を目指すというチャイニーズドリームが
旋風していたんです。アフリカもそのうちの一つで、
アフリカ諸国の商人たちも安くて高性能な
中国製品を仕入れに中国を目指していくんですね。
中国を目指して行った人たちの玄関口が香港で、
その香港の交易人とバックパッカーが集まるところが
重慶大厦というところなんです。私はその重慶大厦で
活動しているタンザニア人のブローカーたちと
交易人たちのインフォーマルな交易システムを調査していました。」

今夜の選曲:SOFT PARADE / VULFPECK

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2019年12月18日

価値観の違い? 嘘は、知恵の発露?

文化人類学者の小川さやかさんをお迎えします。

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タンザニアの現地の人って
結構嘘をつきますけど、
それについてどう考えですか?
小川さん「私自身は、嘘をつくことは
知恵の発露だと思っているんです。
嘘をつく=悪いことだという感覚が全くないんです。
昔、笑いの論文を昔書いたことがあるんですが、
日本の人たちって窮地に追い込まれると、
見苦しい言い訳をしたりですとか、逃亡したりですとか、
逆ギレしたりとか、不可思議な人間行動をとってしまう、
(普段は)立派な行動しているけど、
本当は怒りっぽいのかなとか、
弱い人なのかと思ってしまいがちなんですが、
彼らはそうは思わないんですね。窮地に置いて出てくるのは、
その人の本性や、素顔じゃなくて窮地は窮地なりの
いろんな切り抜けパターンがあると思うんです。
私たちは窮地に追い込まれた時に恥ずかしい
行動をしたくないと思うから、窮地が怖いと思いますけど、
なるほど、この人はこう切り抜けパターンがあるのか!
以上終わりみたいな。そう思うと、心が軽くなりますよね。」

今夜の選曲:LOST MY TREBLE LONG AGO / VULFPECK

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2019年12月17日

タンザニアのスラムでの生活ぶりは?

文化人類学者の小川さやかさんをお迎えします。

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タンザニアのスラムでの生活ぶりは?
小川さん「確かに生活は大変なのですが、
結構楽しんです。若い人たちばかりなんです。
私が当時暮らしいた、都市の人口って
30歳以下が8割、40歳以下が9割みたいな世界なんです。
そうすると長屋の寮って大学みたいな感じで、
何を話すかというと、好きな人の話や恋バナ、
仕事の話、スポーツの話、音楽の話みたいな
感じのことを、毎晩やっているんです。」

今夜の選曲:LOVE IS A BEAUTIFUL THING
/ VULFPECK FEAT.THEO KATZMAN/MONICA MARTIN

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