2008年11月21日
吉田修一流、旅の仕方
来年は雑誌「文學界」で連載をはじめるという吉田さん。今はその準備で忙しいのだそう。ちなみに、気になる作品については<日本とアジアが舞台>のストーリーなんですって。楽しみです。 |
来年は雑誌「文學界」で連載をはじめるという吉田さん。今はその準備で忙しいのだそう。ちなみに、気になる作品については<日本とアジアが舞台>のストーリーなんですって。楽しみです。 |
吉田修一さんの最新作は木楽舎から発売されている「あの空の下で」。これには世界の旅エッセイ「旅たびたび」6編が収録されています。バンコク、ルアンパバン(ラオス)、オスロ、台北、スイス…旅して出会ったヒトコマ。実は吉田さんのエッセイが本になったのは初めて!エッセイと小説は別分野で、今回は海外の旅のエッセイだから大丈夫だったものの、東京の日常のエッセイだったら…書くこともなく困ってしまうとか。
今夜の選曲: THE BRANBLE AND THE ROSE / BARBARA KEITH
テーマは旅と空に関わるもので、12の短編小説では1編ごとに異なる主人公の些細な日常が表現されています。同じ機内の中のどこかの席に座っているような人が主人公になればいいなぁと思って書いたそう。隣の人が主人公かもしれない…そんな想像もできるリアリティのある物語です。 |
昨年「悪人」で大佛次郎賞と毎日出版文化賞受賞をダブル受賞。この「悪人」というタイトル、吉田さんご自身が付けられたんだそうです。朝日新聞での連載ということで、新聞の記事に負けないよう(新聞は悪人ばかりがノンフィクションで載っているので)そんなタイトルにしたんだそう。この作品で、吉田さんのソフトなイメージがガラッと変わったと言われています。 |
作家の吉田修一さんです。
この番組には、二年前のちょうど今頃、一度ご出演いただいています。
今回は、小説、旅、そして新刊「あの空の下で」のお話など、たっぷりと伺います。
■■吉田修一さん■■
1968年長崎県・長崎市生まれ。法政大学経営学部を卒業後、アルバイトをしながら小説を書き続け、97年小説家としてデビュー作となった「最後の息子」で文學界新人賞。2002年に「パレード」で山本周五郎賞、さらに「パーク・ライフ」で芥川賞を受賞。そして昨年「悪人」で大佛次郎賞と毎日出版文化賞をダブル受賞。男女の機微や心のすれ違い、人間に潜む本質的な部分を絶妙なタッチで描き、新作が出るたびに注目を集めていらっしゃいます。
プロ棋士の島朗さんをお迎えしての最終日は、これからの将棋界についてでした。
海外の普及を考えるとデジタル化の時代で、インターネット将棋も普及しているそう。そして、将棋の側面が変わってきているとも。一昔前は<趣味としての将棋>が主でしたが、近頃は昨夜の話にもあった教育、そして脳科学(まだコンピューターが人間に勝っていない世界だから)の側面もあるとか。なぜ将棋の世界は人間が勝っているのか…それは捨てる技術があるからだそうです。コンピューターは読む量は人間に勝るけど、例えば300通りの中から2〜3を選ぶ力が将棋は大切でこれが人間にはある…将棋は読む能力も大事だけど、読まない能力も大事なんですって。
↓小黒さんが持っているのは島さん著「島ノート」。小黒さん曰く『阿佐田哲也さん著「麻雀放浪記」に負けず劣らずの渾身の一冊ですね。』
将棋は自分で自分の負けを告げる、審判のいないゲーム。将棋をしていることで挫折に強い人間になるそうです。なぜなら…負けを体験しておくことで、実生活の負けでしなやかに次に立ち直ることが出来るから…と島さん。 |
将棋は自己責任のゲーム。後悔しても遅い、これ以上悪くならないようにその場でがんばるしかないゲームなんです…と島さん。 |
そんなCOOLな将棋のきっかけは、実は島さんで、20年前に羽織袴ではなくアルマーニのスーツで将棋の対戦…先輩の摩擦がスゴかったとか(笑) |
島さんの肩書きは現在、プロ棋士の最高位の九段。年間60〜70局の対戦。一日がかりの対戦なので、集中力を保つ体力が必要なのだそう。 |
将棋のプロ棋士、島朗(しま・あきら)さんです。
■■島朗さん■■
1963年生まれ。東京都世田谷区の出身。12歳の時に棋士養成機関である奨励会に入り、1980年17歳でプロ棋士に。1988年25歳の時、米長邦雄さんに4−0のストレート勝ちで初代、竜王に輝く。
2004年プロ入り後、公式戦で通算600勝を挙げ、将棋栄誉賞を受賞。今年4月、プロ棋士の最高位となる九段に昇段。8月第16回富士通杯達人戦で優勝。著書に「島ノート 振り飛車編」「純粋なるもの〜トップ棋士その戦いと素顔」などがあります。
寄藤文平さんが刺激を受けるものは、脳に関しての本。「脳のなかの幽霊」著:VSラマチャンドランで引き込まれていったそう。仕事柄、視覚からくる脳の作用に興味はあったそうで、感覚的にやっていたことが言葉で説明してあって、とても面白かったそう。
今夜の選曲: METAL GURU / T REX
動物が好きという寄藤文平さん、新婚旅行でアフリカ(ケニア)に行かれたそうです。行ってびっくりしたのが「都会に人が歩いているのと、草原にライオンが歩いているのと全く同じに見えて、それほど感動が無かった」とのこと。さも、当たり前のように草原を歩くライオン…普通の光景のように見えたようです。
海外旅行で言うと最近、北欧(フィンランド)、ノルウェー、スウェーデンを回ったとか。画一的なデザインばかりで本気でIKEAとNOKIAでできているんじゃないかと思ったとか(笑)。デザイン展に行っても同じシンプルなデザインばかり…ここではデザインをしたくないと感じた旅だったそうです。 |
今夜の選曲: GET IT ON / T REX
たとえば、サブライムローンで137兆円の被害があった…と言われても、実際はその規模がよくわかりません。(数字って、自分の好きなコト以外はよく分からなかったりするんですよね。サブライムの金額より、自分の中の千円札の枚数のように。)どうしたら分かるのか…悩んで勉強しながら書いたのが「数字のモノサシ」なんだそう。
今夜の選曲: TELEGRAM SAM / T REX
アートディレクターの寄藤文平さんの作品は、JTの広告「大人たばこ養成講座」でご覧になったことがある方も多いのでは?実はJ-WAVEのGROW GREENキャンペーンのポスターも寄藤さんなんです。メッセージ性のある広告がお好きなんだそう。
今夜の選曲: CHILDREN OF THE REVOLUTION / T REX
アートディレクターの寄藤文平(よりふじ・ぶんぺい)さんです。
■■寄藤文平さん■■
1973年長野県生まれ。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科中退。大手広告代理店で広告制作に携わり、2000年にデザイン会社「文平銀座」を設立。日本たばこ産業「マナーの気づきキャンペーン」、東京メトロ「TOKYO HEARTキャンペーン」、リクルート「R25」など広告デザインとイラストレーションを中心に、 CF、パッケージ、装丁などジャンルを問わず幅広く活躍され、東京ADC賞、日経広告賞優秀賞、日本タイポグラフィ年鑑大賞、ACC賞銅賞などを数多く受賞。著書に「ウンココロ手帖」「死にカタログ」があります。
華道家前野博紀さんの生まれ故郷は福井県小浜市。プロフィールに「福井県の御食国大使(みつけくにたいし)」と書かれています。
実は福井県、食の文化があるところ。せっかく仕事をするんだったら食のことでもアピール出来るといいなぁと引き受けたそうです。ちなみに福井県の名産品…ささガレイ、越前ガニ、こしひかり などなど。あるんですよ、福井にも美味しいモノ。
今夜の選曲: ACCIDENTAL / INARA GEORGE with VAN DYKE PARKS
華道家前野博紀さんの作品ですが、現在、東京ミッドタウンで開催中のイベント「デザインタッチ」の同時開催企画としてがレリアに大型作品が展示されています。
テーマは「日本の秋」。赤、黄色など、紅葉をイメージした大きな大きな生け花。前野さんの作品は、とてもダイナミックなものが多く<花の建築家>とも呼ばれているそうです。その花や木を探すのに、実際に山に出かけ探し、木を切らせていただくこともあるとか。実際、今回のガレリアには茨城の山で探した3mの柿の木が使われているそうです。
今夜の選曲:
DON'T TELL IT GET YOU / INARA GEORGE with VAN DYKE PARKS