株式会社リンレイ

J-WAVE 30th ANNIVERSARY SPECIAL

RINREI NATIVE MUSIC JOURNEY

株式会社リンレイ

2020. 3.20 fri. 18:00-20:55

vol.9タイ南部

クリス智子

ナビゲーター
クリス智子

金沢雅美

旅人
金沢雅美

世界の音楽継承の地をめぐる旅する音楽ドキュメンタリー第8弾。

今回のディスティネーションは、タイ南部。

J-WAVE金曜深夜の「RINREI MUSIX ASIA」のナビゲーターも務める女優の金沢雅美が、影絵劇「ナンタルン」や儀礼劇「ノーラー」、幻の民族・マラユー族の音楽などの継承現場を取材しました。

バンコク・ドンムアン空港にて。国内線を乗り継いで南部のナコン・シータマラートへ出発します。

機体の先が鳥のくちばしになっているNOK AIRに乗って、ナコン・シータマラート空港に到着。とってもコンパクトな空港でした。名物のカシューナッツをゲットし、いざ出発です。

タイ南部の影絵劇「ナンタルン」の博物館に到着。タイ国家芸術家(人間国宝)の父をもつ継承者、ワティー・サップシンさんが迎えてくれました。

影絵劇「ナンタルン」は、インドからインドネシアを経由して入ってきたと言われ、タイ南部では古くから庶民の間で親しまれてきました。南部では、今でも寺院での宗教行事や祭りがあると頻繁にこの「ナンタルン」が行われています。

演奏用の楽器は、ピー(笛)、太鼓2種、ミニシンバル(チン)、鉄筋(モーング)などから構成されます。

ナンタルンで使われる人形は牛の革に細かい透かし彫りを施し、その革に色を入れ、光を投影したときにカラーでスクリーンに映し出されます(インドではヤギ、インドネシアでは水牛、トルコではラクダの皮を使うそうです)。

数人のグループで行われる影絵の上演。スクリーン裏の最前線に座り一人で人形を操りながらセリフやナレーションを話す人は「ナーイナン」と呼ばれます。その後ろには音楽隊が座り、ストーリーの展開に合わせて演奏で盛り上げます。

南部らしい、のどかな風景が続く中どんどん車を走らせ、ナコン・シータマラート県の名産手工芸品「ヤーン・リパオ」の村に到着。

「ヤーン・リパオ」の第一人者 スジェンチット・トーンサビーさんが迎えてくれました。この「ヤーン・リパオ」は、地元に育つリパオのつる草を3本にわけて、その草の色や編み方によって出てくる色柄を調整しながら完成させます。1つの作品を完成させるのに約20日かかるそうです。自然の色と細かな編みの熟練した技術・完成度を要する、タイ王室御用達の逸品としても有名です。

車で移動中に聴いていたローカルラジオ局「OK RADIO」にとても熱いエネルギーを感じたので、急遽連絡を取り訪問しました。オーナーでメインDJのチャオラット・ラックサポンさんが迎えてくれました。

午前中は農業を、午後からはDJをしながら取材に向かうというラックサポンさん。生活に密接なニュースを自らの言葉で熱く語り、地元の人たちに連帯感と元気を与えていました。音楽プロデューサーとしても、地元のニュースや話題をテーマにした曲を次々に作り、そのすべての曲を誰もが自由に使えるようにとフリー音源として提供しています。その信頼感は絶大で、「OK RADIO」は地元の人々の寄付によって運営されていました。

パッタルンの夜。南部発祥の伝統芸能・儀礼劇「ノーラー」が開催されているという情報を掴み、車で向かうことに。暗闇の中に突然ギラギラの照明と大音量のステージが出現。たくさんの人が集まり「ノーラー」が上演されていました。

元々はインドのヒンドゥーやバラモンの文化影響下で、先祖に対する奉納儀式に披露する踊り・舞でしたが、現在はお祝い行事でのお笑い演芸としても親しまれています。

クルー(師匠)の登場で会場の空気が一変。伝統的なノーラーの踊り・舞が披露されました。舞の型は12種類。先祖の霊を自らの体に憑依させて舞い続けます。

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