2020. 3.20 fri. 18:00-20:55
vol.9タイ南部
ナビゲーター
クリス智子
旅人
金沢雅美
パッタルンをベースに活動する「セーカック・バンド」のリーダー、ソンパート・ファイファンさん
ナンタルンやノーラーの影響をたっぷりと受けながら、ギター、ベース、アコーディオンなどの西洋楽器を取り入れたユニークなサウンド。ソンパートさんの家の敷地内にある倉庫兼ライブステージで、演奏を披露してくれました。
パッタルンからさらに南下。ソンクラー県に向かう途中で、謎の郷土芸能「リケパー」(リケーは『劇』、パーは『森』の意味で『田舎の劇』というニュアンス)を今も継承している村に立ち寄りました。
絶滅寸前とも言われるタイ南部の伝統寄席芸能「リケパー」は、ナンタルンの際に使われる南部の伝統楽器で伴奏されていました。かつては、タイ全土にあり村や地域の催事のメイン行事だったそうです。
この村の「リケパー」はタイの仏教文化とマレー文化の交流視で、日常生活の中から生まれてくる話題や出来事などを面白おかしく演じていました。
上演後、リケパーの劇団オーナーのデンチャイさん(中央)と、リケパーを継承する村の青年団のリーダーに話を伺いました。
タイ南部を象徴する伝統楽器ピー(オーボエのような作りの木管楽器)の演奏家で、タイ国家芸術家(日本でいう人間国宝)のクワン・トゥアンヨークさんのご自宅に伺いました。家の前には、「タイ国家芸術家の家」とかかれた看板。
ブルーの壁には数々の賞状が飾られていました。ピーの演奏家で、国家芸術家の認定を受けているのはクワンさんただ一人。これまでのお弟子さんは数百人。今年で81歳だそうですが、まだまだ現役です。
クワンさん愛用のゴールドのピー。鼻でブレスをしつつも、口からはずっと息を出し続け音を出します。
この日は、たくさんのお弟子さんたちもやってきて、ピーの大演奏会となりました。ピーの独特の音色は、時にソプラノ・サックスのように、時にバグ・パイプのように響き、自由自在に空間を駆け巡ります。
最年少のお弟子さん、12歳のアラコーン・トンプラティーくん。「将来は先生のように、ピーの指導者になりたい」と目を輝かせていました。
1曲目は、4人のお弟子さんをバックに南部の伝統的な曲を。2曲目は、クワンさんと9人のお弟子さんのピーの大合奏となりました。