近代ファッションやコスチュームジュエリーに特化した美術館をピックアップ。

東京・祐天寺にある私立美術館「アクセサリーミュージアム」は、
国内最大級のコスチュームジュエリー専門館として知られています。
館長の田中元子さんが、
お父様の代から受け継いだ装身具の世界を「次の世代に文化として残したい」との思いで15年前に開設。
仕事のサンプルとして集めてきた5万点以上のコレクションから、常時2,000点を展示し、
18世紀から現代までの“時代のファッション”がひと目でわかる空間をつくりあげました。
開館当初は来館者ゼロの日もあったものの、今では国内外から最大150人が訪れる人気館に。
若い世代にはブローチの付け方など、装身具文化そのものを伝える場にもなっています。
田中さんが「ぜひ見てほしい」と語るのは、入口に並ぶ庶民文化のアール・デコと、
貴族文化を象徴するビクトリアンの対比。
その違いの深さが、この美術館の醍醐味でもあります。
80代の田中さんは今も情熱たっぷりに収蔵品を増やしながら、英語解説の充実など、
未来の来館者に向けて歩みを続けています。

アクセサリーミュージアム