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2014.10.12
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  • J-WAVE
    EVERY SUNDAY 20:00-20:54

番組では皆さんの「旅と音楽」に関するエピソードや思い出のメッセージをお待ちしています。番組サイトの「Message」から送信できますが・・・ハガキ、手紙も大募集!
宛先は・・・
〒106?6188
株式会社 J-WAVE
Antenna TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛

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A Whole Life Catalog

第2回のテーマは、かつて、訓市が世界各地を旅して、「会いたい人」「話を聞きたい人」へのインタビューを基にした雑誌『Whole Life Catalog』が誕生するまでのエピソード、そして、その旅から「得たもの」について語ります。








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2014.10.12

MUSIC STREAM

旅の記憶からあふれだす音楽。
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
1

Can't Take My Eyes Off Of You / Lauryn Hill

現在、大ヒット中の映画『ジャージー・ボーイズ』でフィーチャーされているヴォーカル・グループ、ザ・フォーシーズンズのリード・ヴォーカル:フランキー・ヴァリが1967年に放った大ヒット曲のカバー・ヴァージョン。邦題は「君の瞳に恋している」。多くのアーティストが取り上げていますが、日本で最もポピュラーなのは、ボーイズ・タウン・ギャングによるディスコ・ヴァージョンです。

2

The Long Road / Eddie Vedder with NUSRAT FATEH ALI KHAN

ティム・ロビンスが監督、脚本を担当した1995年の映画『Dead Man Walking』のサントラに収録。エディ・ヴェダーはオルタナティヴ系のロック・バンド、パール・ジャムのリード・シンガーです。

3

Love Is Stronger Than Pride / Sade

実は、個人名ではなくて・・・バンド!ナイジェリア出身の女性ヴォーカリスト、シャーデー・アデュを中心にイギリスで結成されたグループで、シャーデーの艶っぽくてクールな歌声と洗練されたアレンジが魅力です。J-WAVEでは1988年の開局当時から御用達!

4

Stay (Faraway, So Close!) / U2

世界最高峰のロックバンドU2の1993年のアルバム『Zoorapa』に収録されている曲で、この別ヴァージョンはヴィム・ベンダース監督の映画『Faraway, So Close!』のサントラに使われています。今回は『Zooropa』のヴァージョンをオンエア...

5

Memory Of A Fee Festival / David Bowie

キャリア半世紀を誇るイギリスを代表するヴォーカリスト、デヴィッド・ボウイ... 彼が映画『2001年宇宙の旅』をモチーフに制作した1969年のアルバム『Space Oddity』に収録されている曲です。

6

Don't Ask Why / My Bloody Valentine

U2と同郷のアイルランド、ダブリンで結成されたバンドで、「Don't Ask Why」は1991年にリリースされたEPに収録された名曲。1997年に解散するも、2013年に突如、新作をリリースしています。

7

Alsoa / The Slip

米マサチューセッツのボストンをベースにした3人組バンドThe Slip。編成はヴォーカル&ギター、ベース、ドラムスで、「ジャズ」の要素も感じられてGoodです!

8

Tom Traubert's Blues / Tom Waits

米カリフォルニア出身のシンガーソングライター、トム・ウェイツ。一聴すれば彼と分かる「しゃがれた歌声」が最大の魅力です。1976年のアルバム『Small Change』に収録されている「Tom Traubert's Blues」は彼の代表曲のひとつ。

2014.10.12

ON AIR NOTES

野村訓市は、どこで誰に会い、
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。

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仕事はなんなのかってよく聞かれるんですけど、自分でも毎回違う職種を言って煙に巻いてるんですけど、一番最初にいわゆる世間的にいうまともな仕事をしたのが “Whole Life Catalogue” というインタビュー雑誌でした。世界中のインディペンデントな様々な仕事をする人たちを86人取材して回って、作ったインタビュー雑誌で、僕が26歳の時、ちょうど海の家を始めたその後の秋から作り始めて、一年以上かけて作ったものでした。物書きっていう仕事が初めてなら、人にチケットを買ってもらって自分のお金じゃないので海外に行くっていうのも初めてで、タダで行けるっていうのですごく浮かれてたんですけど、やり始めたら実は仕事って大変だって気づきまして、途中でやめようかとも思ったんですけど、ないなりに責任感ていうものも浮かんできまして、手ぶらじゃ帰れないからなんとか取材を終えて帰ろうと思って焦っていたのを今でも覚えています。

最初にこのインタビュー雑誌を作ろうと思った時に誰を取材しようかっていうと、自分が興味があった人たちっていうのがいくつかリストがあったんですね。そこから人に会っていくうちに、こんな人と会ってるんだったら俺の友達も面白いのがいるぞと言って会ったり、あと絶対に連絡先なんかわからないだろうっていう相手の人たちについては、昔の旅仲間のイギリス人とかアメリカ人が調べてくれて、ちょっと連絡してみたらどうだと。それで自分で一人で回るようになりました。


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会う基準ていうのは、僕自身がすごくこの先何をしようって迷っていたこともあったので、インディペンデントといいますか、自分で仕事を始めたりして、それもいわゆる世間的にいう段階を踏んで働いてないような人たちに会いたかったんですね。例えば、建築を学んでない建築家とか。音楽学校に行ってないミュージシャンとか。それだったら今からでも自分ができるんじゃないのかって。もう自分目線の、自分の為の本を人のお金で作るっていう。その頃はそんなこと人に言いませんでしたけど。自分が本当に欲しいものを作るっていうのが目的でした。


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”Whole Life Catalogue”という雑誌の制作自体がまさに旅で、半年間で2周地球をまわりました。1回20万円で世界一周チケットっていうのが買えて、世界一周チケットって名前だけで萌え萌えなんですけど、それで40万使いまして、あと半年の滞在費が同じ40万でした。なんでそんなに安いんだってよく聞かれましたけど、答えは簡単で、一回もホテルに泊まらなかったんで、知り合いのカウチに泊まったり、取材先の相手の人に、取材が終わった後もじもじしてると、どうするんだと。行くとこがないと言うと、まあ泊まってけって言うので泊まらせてもらって、最長で一週間以上いましたかね。知り合うと話がすごく面白くなって、取材も帰る前にやり直したりしましたね。30分だけ会ってすぐ喋る時と全く違う話が聞けて、人を知るっていうのは、それなりの時間をかけないとダメなのかなっていうのも学んだ旅でした。
取材を申込むていうのは、自分がこれから雑誌を作る人間なんで、肩書きもなんにもないんですよね。連絡先を調べてE-MAILを贈ったり、FAXを送って確認の電話を入れるとだいたい届いてないって言うんですよ。もう一度送ってくれって言うんで送って、次の日連絡すると今度はFAX届いてないからE-MAIL送ってくれ。で次の日またE-MAILを送る。で、そのうち「俺、避けられてるんだな」と。それですごく途方に暮れてしまって。どうしよう、このまま日本に帰ろうかなとも思ったんですけど。やっぱり自分のお金じゃないですからね。ここはもうなんとかしなきゃと思って、一切合切の荷物を背負って、取材したい人の事務所のドアを叩くんですよ。ドアを開けると哀れなアジア人の男の子が、取材をさせてくれって懇願するわけで。まあ中に入って話を聞かせてご覧と。入ってしまえばもうしめたもので。この哀れ感というのがその後僕のキーワードになりまして。ずいぶんそこから藁稭長者のように渡り歩いて、気づけば80人を越える人を取材することになったと。なので何かを始める時っていうのは必ず諦めないでドアを叩くというか、行動するっていうのが一番大事だと思います。
よく取材の時に名刺をもつと思うんですけど、名刺っていうのは名刺良いこともあるけど、悪いこともあるのかなと僕は思います。例えば、名刺にカメラマンって書いてあると、カメラマンか。じゃあなんの仕事をしてるんだ。
と思って、知らないとそのまま流されてしまったりするんですけど、名前しか書いてないと、君は何をしてるんだい?って聞いてもらえるんですね。聞いてもらったらしめたもので、その後自分が何をしたいかっていうのを説明すれば、熱意があればきっと届くと僕は思ってるんですけど。僕の場合は届きました。


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雑誌”Whole Life Catalogue”を作ってからそれを見た人たちが「君、こういう仕事できるのかい?」とか「インタビュー得意なんだね」という形で、実際やったことなかったんですけど、「できますよ」って嘘をついているうちに、嘘も重ねると本当になるって言いますけど、そのうちそれが本当になって、今でも人の取材をしたりインタビューをして海外に行ったりするんですけど、やってみて思うのは、やっぱり途中で止めなくて、最後まで終わらせて人に見せたってことなのかなと今も思いますね。いろんなことをやる人たちっていうのがいるとおもうんですけど、どんなに上手でも、どんなに好きでも結局、人に見せないとそれはそこで終わってしまうというか。例えば、小説書いた人が人に見せないと日記で終わってしまうし。その人に見せた後に自分がどうしたいかっていうのを考えるっていうのが大事なことなので。僕の場合はこの雑誌を作って外に出したっていうのがその後の、今インテリアとか映画のプロモーションとかいろいろやってますけど、その全部の原点がここだったのかなと思っています。

お金のない旅をしている人たちっていうのはたくさんいる、特に若いうちっていうのは多いと思うんですけど、ギブアンドテイクなので、貰ったものは必ず返すっていうのは、旅をする人の鉄則だと思うんですよね。ご飯をもらったら食器を洗うとか。それも、作ってくれた人が寝てる間にやっちゃダメですよ。あくまで向こうが気づく時にチラチラと見ながら、お皿を全部洗ったぞ!っていうのを目で語ってやるのが大事。やっぱり見えない努力よりは、見えた方がいいです。