Movie
Theme is... Movie
映画の舞台を訪れた旅のエピソード
番組タイトルでもある
「TRAVELLING WITHOUT MOVING」...
「動かない旅」の完成された芸術、
映画にまつわる話と音楽をお送りします。
★★★★★
次回のテーマは・・・「旅にでる理由」。
誰しも、旅にでる「きっかけ」「理由」が
あるハズです。
訓市は、なぜ、長年にわたって
世界各国を旅したのか・・・??
その理由が明らかに!
12月14日・日曜日の夜8時から...
ぜひ、聴いてくださいネ!
★★★★★
番組では皆さんの「旅」と「音楽」に関する
エピソードや思い出のメッセージを
お待ちしています。
番組サイトの「Message」から
送信してください。
また、ハガキ、手紙も大募集!
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宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
Antenna TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛
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スタッフ一同、お待ちしてます!!!
MUSIC STREAM
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
Mo' Better Blues / O.S.T.
スパイク・リー監督による1990年公開の映画『Mo' Better Blues』のサントラから... スパイクの父親であるビル・リーがプロデュースを手掛けたテーマ曲で、トランペットのテレンス・ブランチャード、テナー・サックスのブランフォード・マルサリスによるハート・ウォームなパフォーマンスです。
About Today / The National
ザル・マトバングリ監督による2013年のスリラー映画『The East』のサントラから... The Nationalはアメリカのインディーズ系の5人組ロック・バンドです。
Come Rain Or Come Shine / Don Henley
ニコラス・ケイジ主演による1995年のアメリカ映画『Leaving Las Vegas』のサントラから... 元イーグルスのドラマーでヴォーカリストのドン・ヘンリーがハロルド・アーレン作曲、ジョニー・マーサー作詞によるジャズ・スタンダードを取り上げています。渋い!
The Moon Song / Karen O & Ezra Koenig
訓市がプライベートでも親しくしているスパイク・ジョーンズが監督・脚本を手掛けた2013年の映画『Her / 世界でひとつの彼女』のサントラから... ヤー・ヤー・ヤーズの女性ヴォーカリスト、カレン・Oと、ヴァンパイア・ウィークエンドのリード・ヴォーカル、エズラ・ケーニッヒのデュエットによる曲です。
風をあつめて / はっぴいえんど
ソフィア・コッポラが監督・脚本を手掛けた2003年製作の映画『Lost In Translation』... 日本でも撮影が行われ、訓市は全面的にサポートし、俳優(?)としてワン・シーンに登場しています。
Cucurrucucu Paloma / Caetano Veloso
ウォン・カーウァイ監督による1997年の香港映画『ブエノスアイレス』のサントラから... 因みに、映画タイトルは『Happy Together』。カエターンノ・ヴェローゾは1960年代後半から現在に至るまで活躍しているブラジル人アーティストで、今やカリスマ的存在の人物です!巣晴らしぃ?!
Harvest Moon / Cassandra Wilson
こちらもウォン・カーウィア監督による作品で、シンガーソングライターのノラ・ジョーンズが主演して話題になった2007年の映画『My Blueberry Nights』のサントラから... ジャズをベースにしながら、常に新しい世界を表現し続けている女性ヴォーカリスト、カサンドラ・ウィルソンによるニール・ヤングの名曲カバー・ヴァージョンです。
Love Theme from St.Elmo's Fire / David Foster
1985年の青春映画『St.Elom' Fire』のサントラから... 当時、ミュージック・シーンで一世を風靡していたピアニスト、デヴィッド・フォスターによる「愛のテーマ」。40歳アップだと思いますが、この映画、この曲にそそられる方もいらっしゃるのでは?!
Thme of Grand Torino / Jamie Cullum
クリント・イーストウッドが監督と主演を務めた2008年の映画『Grand Torino』のサントラから... ジェイミー・カラムはイギリス出身のアーティストで、ジャズをベースに活躍しているヴォーカリスト、ピアニストです。
ON AIR NOTES
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。
Kunichi was talking...
★★★★★★★
僕は小さい時から映画が大好きで、特にアメリカ映画が大好きでした。母親の影響だと思うのですが、映画の雑誌だけは何も言わずに買ってくれて。彼女はジェームス・ディーンのファンで、ああいうものを最初に見たのが映画のきっかけですね。自分がハマるようになったのは、多分、ジョン・ヒューズ監督という青春映画の巨匠みたいな人がいて、彼が描く映画のアメリカの高校の学生生活とか、フランンシス・フォード・コッポラ監督の青春映画が「」The Outsiders』や『Rumble Fish』などを観て・・・ 自分も絶対アメリカの学校に行って、アメリカン・ライフを過ごすんだ!と小さい頃に心に決めまして。その目的とおいうのは、自分も廊下に個人ロッカーを持って、朝、学校に行ってロッカーの扉を開けると、切り抜いたピンナップの女の子とかが貼ってあってファイルを取り出すっていうのが、なぜかアメリカっぽいんじゃないのかなあと思っていました。
なので、最初にアメリカに行った時は映画の舞台になるような町に自分も行ってみたいなあと思って、機会があるとよく見に行ったりしてましたね。一番行きたかったのはコッポラ監督が映画を撮っていたオクラホマの「タルサ」という町なんですけど・・・ 実際行ってみると、ただの荒廃した地方都市っていう感じで何も無かったのですが、自分1人ですごく喜んでました。とうとう、「タルサ」に来てしまったと。10代の頃はそういう青春映画とか、ただただ明るく楽しそうなアメリカっていうのに憧れていましたけど、だんだん、ロード・ムービーや荒廃した人がいないようなところを舞台に撮るような映画がすごく好きになりまして、今考えてみると本当に好きだったからなのか、それがオシャレだったから好きだって言ってたのかはわかりませんけど。今となっては断言できます。僕はそういう、人がいないところが好きです。それは自分が渋くなったんじゃなくて多分、毎日に疲れてきたからだと思います。
★★★★★★★
映画というのは画面に映る景色と音楽がシンクロして、とても強い映像と音となって頭から離れなくなることがあると思うんですけど、それがあまり強いと、使われたサントラの曲を聴いた時、自動的にその映像が浮かんできたりするように僕はなります。ですから、サントラの曲を決める人というのは本当に職人というか、ある種のアーティストだと思います。例えばBen E King の「Stand By Me」がラジオから流れてくると、線路のシーンで男の子達が歩いてる風景が浮かびます。誰があのシーンで使うとか決めるのかと思うと、すごい職種だと思います。ちなみにあの「Stand By Me」の線路はカリフォルニアとオレゴンの州境の近くにあります。僕は仕事で車で通っている時にちょっと寄り道をして、やっぱり、線路に行って口笛を吹きながらあれを歌ってみました。たいしたことはないんですけど、やったっていうことが大事なんじゃないでしょうか。
★★★★★★★
映画そのものがきっかけで旅をすることもあると思いますね。例えば、僕はアメリカにいる時に「バグダッド」という町に行ったんですけど・・・ どこかの途中というわけではなく、どこに行くにも遠回りをしてそこに行かなきゃ行けない様な所なんです。で、行っても何もないですし、面白くも何ともないのかもしれませんけど。僕がそこに行かなきゃと思ったのは映画で、『バグダッドカフェ』というのがありまして、実際にそのカフェというかダイナーがあるんですよね。それだけ見て満足して、また何時間もかけて帰ったんですけど、そういう理由で旅をするっていう、無意味かもしれませんけどすごく面白いです。ちなみに、アメリカにはいろんな国から移民の人が来てるので、やれ「パリ」だ「バグダッド」だ「ベルリン」だって、世界中の首都と同じ名前の町がありまして、行くと大抵たいしたことないです。世界一周をそこで済ますっていうのもひとつの手かもしれません。
映画がきっかけで旅をするということで、逆に外国人の方が映画を観て日本に来るっていうのも最近は多いと思います。ぼくはソフィア・コッポラ監督の『Lost In Translation』という作品を手伝ったんですけど、僕が関わっているということも知られていたので、「あのカラオケ店はどこだ?」とか、「ダンサーがいる店に連れて行け!」とか、まあうるさいですね。ただ、気持ちはすごくわかります。きっと、あれを観て行ってみたいと思った町ですから、そこに自分を置いて写真を撮ったり、なにかしら主人公と同じ気分を味わいたいんだと思います。
僕が一番行きたい映画の舞台は『2001年宇宙の旅』ですね。地球を見ながら「美しく青きドナウ」を後ろでかけて眺めてみたいですね。バスローブを着てブランデーを飲みながら、気分はデスラー総統でいきたいと思います。
野村訓市
1973年東京生まれ。幼稚園から高校まで学習院、大学は慶応大学総合政策学部進学。
世界のフェスティバルを追ってのアメリカ、アジア、ヨーロッパへの旅をしたトラベラーズ時代を経て、99年に辻堂海岸に海の家「SPUTNIK」をプロデュース。世界86人の生き方をたったひとりで取材した「sputnik:whole life catalogue 」は伝説のインタビュー集となっている。
同名で「IDEE」よりインテリア家具や雑誌なども制作。現在は「TRIPSTER」の名で幅広くプロデュース業をする傍ら、ブルータス等の雑誌などで執筆業も行う。