Theme is CUBA
theme is... CUBA
テーマは「キューバ」
アメリカとの国交再開か?というニュースで
今、にわかに注目を集める国キューバ。
4年ほど前に「キューバ」を訪れた
経験をもつ野村訓市が
その魅力を語ります。
Music Streamはキューバ曲をメインに
セレクトします。
3月8日・日曜日の夜8時から・・・
check it!!!
★★★★★
番組では皆さんの「旅」と「音楽」に関する
エピソードや思い出のメッセージを
お待ちしています。
番組サイトの「Message」から
送信してください。
また、ハガキ、手紙も大募集!
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宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
Antenna TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛
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スタッフ一同、お待ちしてます!!!
MUSIC STREAM
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
Chan Chan / Buena Vista Social Club
アメリカ人ギタリスト、ライ・クーダーのプロデュースのもと、キューバの長老ミュージシャンが終結し、1997年に制作されたアルバム『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』。作品タイトルは1940年代に実在した会員制クラブの名称で、「Chan Chan」はリリース当時、日本のラジオ・ステーションでヒットを記録!1999年にはヴィム・ベンダース監督により同名のドキュメンタリー映画も製作されました。
Southern Comfort / Ry Cooder
映画『エイリアン』シリーズを始め、数多くの作品を手掛けているウォルター・ヒル監督による映画『サザン・コンフォート』のサントラで、ライ・クーダーが担当しています。かつて、バーボン・ウィスキー「アーリー・タイムズ」のテレビCMが日本でオンエアされていて、それを観た訓市はライ・クーダーがプレイするスライド・ギターに魅了されたたとか。
Four TRM Samba / Tommy Guerrero
サンフランシスコ出身で、スケートーボーダー上がりのミュージシャン、トミー・ゲレロ。自身がプレイするギターと打ち込みのトラックで構成された作品は、彼のルーツであるカリブ色も魅力。この曲は2000年にリリースされたアルバム『A Little Bit Of Somethin’』に収録されています。訓市はプライベートでもゲレロと親しくしているとか。
Just Another Day / Jon Secada
キューバのハバナ生まれで、マイアミ育ちの男性ヴォーカリスト、ジョン・セカダ。1992年にリリースされたデビュー・アルバム『JON SECADA』に収録されたこの曲は全世界的に大ヒットを記録し、当時、J-WAVEでもヘヴィー・プレイされました。
Yes, My Love / 矢沢永吉
1982年にリリースされたシングル曲で、当時、コカ・コーラのテレビCMソングとして大ヒットを記録しました。CM用として、一部の歌詞をかえた別ヴァージョンも存在します。
Pueblo Nuevo / Buena Vista Social Club
Words Get In The Way / Gloria Estefan
キューバ出身で、革命後、アメリカのマイアミに移住した女性ヴォーカリスト、グロリア・エステファン。夫のエミリオ・エステファン率いるバンド、マイアミ・サウンド・マシーンと共に1980年代にヒット曲を量産しました。1985年のアルバム『Primitive Love』に収録されているこの曲は訓市が初めて耳にしたキューバ音楽とのこと。
Satisfied Mind / Jeff Buckley
カリフォルニア出身のシンガー・ソング・ライター、ジェフ・バックリーは1994年にデビュー・アルバム『Grace』をリリースするも、不慮の事故で1997年に逝去。この曲は彼が亡くなったあとの1998年にリリースされた未発表曲集『Sketches For My Sweetheart The Drunk』に収録されています。
Summer Breeze / Seals & Crofts
訓市が感じたキューバは・・・ 「毎晩、夏の夜風のような雰囲気」だったとか。シールズ&クロフツの「Summer Breeze」はオール・タイム・スタンダードです!
ON AIR NOTES
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。
Kunichi was talking...
★★★★★★★
すごく遠い国ですけど、僕はずっとキューバに行きたいと思っていました。いい野球選手がたくさんいますし、キューバの女子バレーなんてすごく強いんですけど、ゲバラ。ゲバラもいいですね。それから葉巻、ラム、そしてヘミングウェイ。非常に男臭いイメージの国なんですけど、僕が一番行きたかったのは古い街並みと、1950年代。それからもっと前のアメリカの車が現役で走っている写真を見て、ぜひ行ってみたいと思っていたんですよね。実際に行ったのは何年前かな?3〜4年前だと思いますけど。行くと観光客とは呑気なもので、その場所に住んでいる人のことは考えずに、古いわー素敵だわーって騒ぐんですけど、実際はそんなに豊かな国ではないと思うんですけど、そこにずかずかと入り込んで生活を浸食するわけですから、そんな古い街並みが良いと薦めるというのはどうかとは思うんですけど。でも、やっぱり素晴らしいですね。ハバナの街は何日泊まっても全然飽きないというか。何が良いかっていうと、スペインの植民地時代の建物っていうのがそのまま残っていますから、きっとヨーロッパの昔っていうのはこういう街並みだったんじゃないか・・・というのがそのままあります。その中で、「これ、ヨーロッパで見た街並みにすごく近いけど、なにが強烈に違うんだろう?」と思うと、広告看板が無いんですよね。社会主義の国ですから、どこかの企業の看板というのが一つも存在しません。有るとしたら、まだ「革命万歳」とか、「ゲバラ万歳」みたいな手書きの看板があるだけで、あとは一切商業的なものが出てないんですよね。そして、その街の間を古い1950年代のアメ車が走る。まさにタイムスリップしたような街でして、そういう風景を見たい人たちにとっては一番の場所だと思います。
★★★★★★★
キューバに行くっていうのは、実は結構面倒くさくってですね、直行便がありません。そして、アメリカ経由では行けないんですね。国交がないので。行き方は1回カナダに出て、カナダから直行便でキューバまで行くか、メキシコ経由で行く。晴れた日はマイアミからキューバが見える位、近いんですけど遠回りをしなければ行けません。ハバナに行って何をするかというと、見所はたくさんあってヘミングウェイ関連の物が多いですかね。一番最初に「モヒート」を作ったところとか、「フローズン・ダイキリ」が美味いなんていう店もあります。すごい渋いんですけど、観光客で溢れてますね。だた、やっぱりそこには行かざるを得ないというか、とても暑いので、そこへ行ってミントがたくさん入ったモヒート、本当に美味しいですし、汗ですぐに出てしまうので、飲んでも飲んでも、あまり酔わないですね。それからヘミングウェイが最初に滞在していたホテルの跡なんていうのもあって、それもすごい旧市街の古いパリにあるような白いホテルで、そこの角部屋とかで窓が開いていて、ヘミングウェイが使ったであろう机とかベッドが置いてあってですね。「自分が小説を書けないのはこういう所に来られないからだ」という理由をそこで発見しました。どんな人でも一ヶ月位あそこにいて、キューバシャツにサンダルをつっかけてきれいなお姉さんを見ながらダイキリなんか飲めば、そりゃあ何でも書けますよね。それから何が面白かったかというと、旧市街が一番の観光地なんですけど、実際そこには色々な人たちが住んでるんですね。すごい陽気な人たちというか、生活が開けっぴろげというか、ドアも窓も全部開いてます。なので、兄弟喧嘩みたいな声も聞こえますし、洗濯物が窓に並んでいて、どっかのお家からはラジオかなんかから流れてくるサルサを爆音でかけていたり、ソファに座っているおじさんがテレビを見ていたり。実際、声をかけて家の中を見せてもらったりしましたけど。なんですかねえ、すごく郷愁を誘いますね。その街を散歩していくのが楽しいんですけど。観光地としてもうひとつ有名なのはヘミングウェイの屋敷もあるんですけど、そこは中に入れないので外から見るだけなんですけども。大人の男でしたらひとつ、有名なキャバレーの『トロピカーナ』に行って欲しいですね。これは観光客専門の場所というか、現地の人は高くて入れないんですけど。「グランド・キャバレー」っていうんですか。もう完璧なショーで。辞めたダンサーとかはラスベガスとかでもすごい高額でスカウトされるくらいレベルが高いらしくて、僕らも観光地だろうと思って見に行ったんですけど、暫くしてあたりを見回したら口が半開きのおじさん達の目がみんな釘付けになっていました。
★★★★★★★
僕はとにかく「ハバナ」が気に入りました。生活はすごく大変そうですけどね。買い物で地元のお菓子を買おうとか、ちょっとお土産なんかないかなと思って入っても、棚に商品が3種類位しかなくって、ストックも全然ないんですよね。もうガランガランというか。まだまだ物が少ないっていうか大変なんだなぁとは思いました。けれども、やっぱり住んでいる人たちはすごく陽気でして、僕が一番気に入った風景は、街の海沿いに「マレコン通り」という一番大きな通りがあります。東京でいったら明治通りと海岸通りが一本になったような道なんですけども。そこに行くと街並みがすごく綺麗に見えるし、夕日も綺麗で・・・それだけで価値があるんですけども、夕方になると夕涼みしに近所の人たちが出てくるんですよ。堤防みたいに道に石の柵というかヘリがあるんですけど、皆そこに座って夕日を眺めたり、そこで会った近所の人たちと酒飲みながら喋ったり、岩場があってそこをよじ上った子ども達が日が暮れるまでひたすら海に飛び込んで歓声をあげていたり。きっと昔の日本の港町っていうのもこんな様子だったんじゃないかなとか。一日の終わりに皆が出てきて思い思いに過ごすんですけども、すごく一日の終わりっていうのがお祭りっていうか・・・「さぁ、今日も終わって、明日も楽しみだ」っていう気にすごくなりまして。それがとても心に残りましたね。またいつかあの風景が見たいなあと。
最近はニュースでキューバとアメリカの国交がまた樹立されるんじゃないかとか動きが出ています。きっと、キューバという国にとってはそのアメリカとの国交が樹立されて商売や人の行き来が盛んになれば経済としてはすごくいいことだと思うんですけども。多分、僕たちが見た看板も何もない、古い車が走る不自由だけどどこか素敵に見える街の風景っていうのが、この後5年10年残るかっていうとすごく怪しい気がします。なので、もし「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」の映画を観て、いつかあそこの風景を見たいとか、その美しい昔のままの街並みの中でお酒を飲んでみたい!という人は是非、お早めに。いつか行こうと思っている街が、いつまでもあなたが思うままで待っていてくれるとは限らないですね。
野村訓市
1973年東京生まれ。幼稚園から高校まで学習院、大学は慶応大学総合政策学部進学。
世界のフェスティバルを追ってのアメリカ、アジア、ヨーロッパへの旅をしたトラベラーズ時代を経て、99年に辻堂海岸に海の家「SPUTNIK」をプロデュース。世界86人の生き方をたったひとりで取材した「sputnik:whole life catalogue 」は伝説のインタビュー集となっている。
同名で「IDEE」よりインテリア家具や雑誌なども制作。現在は「TRIPSTER」の名で幅広くプロデュース業をする傍ら、ブルータス等の雑誌などで執筆業も行う。