Theme is... HOTEL
テーマは「ホテル」
30歳頃までは「バック・パッカー」で、
ホテルに泊まった経験が皆無という野村訓市が、
それ以降、ここ10年間に宿泊した思い出のホテル、
頻繁に通っているニューヨークの定宿、
そして、最もお気に入りのホテルについて語ります。
3月15日・日曜日の夜8時から・・・
check it!!!
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番組では皆さんの「旅」と「音楽」に関する
エピソードや思い出のメッセージを
お待ちしています。
番組サイトの「Message」から
送信してください。
また、ハガキ、手紙も大募集!
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宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
Antenna TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛
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スタッフ一同、お待ちしてます!!!
MUSIC STREAM
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
Don't Know Why / Norah Jones
ニューヨーク出身の女性ヴォーカリスト兼ピアニスト、ノラ・ジョーンズ。2002年にリリースしたこの曲を含む彼女のデビュー・アルバム『Come Away With Me』は全世界で大ヒットし、グラミー・アウォードの主要4部門を独占!という華々しい記録を残しています。
Making Love / Roberta Flack
ソロ・デビューは1969年で、今なお現役で活躍しているアメリカR&Bの御大女性ヴォーカリスト、ロバータ・フラックが1982年にリリースしたアルバム『I’m The One』に収録されたメロー・ソング。超一流セッション・ミュージシャンによるバック・トラックも聴きものです。
Longer / Dan Fogelberg
1970年代から2000年代にかけて活躍したアメリカのシンガー・ソング・ライター、ダン・フォーゲルバーグ最大のヒット曲。
Time And Tide / Basia
ポーランド出身でロンドンをベースに活躍する女性ヴォーカリスト、バーシア。この曲は1987年にリリースされたデビュー・アルバムのタイトル・トラックで、J-WAVEが開局した1988年当時にヘヴィー・エアプレイされました。
Let Me Turn You On / ホテルニュートーキョー
ギタリストの今谷忠弘を中心とした音楽ユニット、ホテル・ニュー・トーキョーの2009年リリースのアルバム『Spring/Summer』に収録されている曲。ミュージシャンを固定せず、ユニットというスタイルをとっているのは、「解散するのがイヤ」だからとのこと。
I Just Want To Be Your Everything / Andy Gibb
映画『サタデー・ナイト・フィーバー』のサントラの大ヒットで1970年代後期に一世を風靡したイギリスのグループ、ビージーズ。その兄弟の弟、アンディ・ギブが1977年に放った大ヒット曲で、邦題は「恋のときめき」。
The Right Thing To Do / Carly Simon
1970年代初頭から現在に至るまで第一線で活躍するアメリカの女性シンガー・ソング・ライター、カーリー・サイモン。1972年にリリースされたアルバム『No Secrets』のオープニングを飾っている曲で、他に、彼女の代表曲である「You’re So Vain」も収録されています。
The One You Love / Glenn Frey
20世紀のウェスト・コースト・ロックを代表するバンド、イーグルスの創設メンバーだったグレン・フライが1982年にリリースし、ヒットを記録したソロ曲。
Fool In Love With You / Jim Photoglo
カリフォルニア出身のAORシンガー、ジム・フォトグロが1981年にリリースしたアルバムのタイトル・トラックで、自身最大のヒット曲となっています。
ON AIR NOTES
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。
Kunichi was talking...
★★★★★★★
旅を長くしていたので、よく雑誌とかメディアで「どこのホテルが1番いいですか?」とか「最近のホテルでおすすめは?」とか言われて、10年前とかはすごく困ったものでした。旅をしてるからってホテルに詳しいわけではないですよね。実際いろんな町には行ってたんですけど、ニューヨークやロス、サンフランシスコ、ロンドン、パリ。この辺がずっと年に一度は行ってるんですけど、20代くらいまではホテルに泊まったことが一度もありませんでした。だいたい自分の友達とか友達になった人、仕事で取材した人の家にその夜強引に泊まり込んで過ごしてましたね。その方がすごくたのしかったです。ただね、カウチサーフィンという言葉がありますけど、これは人のうちのカウチで寝て泊まり歩くことなんですけども、僕はまさにカウチサーファーでして、腰を痛めました。向こうのソファー、カウチっていうのはクッションがすごく柔らかいんで気持ちいいんですよ。酒でも飲んでうとうとしてると友達がそっとブランケットとかかけてくれて、ぐっすり寝てしまうと次の日寝返りも打てないくらい腰が痛いっていう。そろそろ止めなきゃいけないと思って止めましたけどね。昔バックパッカーの頃っていうのはもちろん街にいるときは泊まったりもしましたけど、名前ひとつ覚えていないような安宿で、だいたいどの街に行っても駅を出て人に聞いたりすると安宿街っていうのが必ず近くにあるんです。それをバックパック背負って一軒一軒全部見て1ドルでも安くっていう。そこの枕に南京虫がいようがダニがいようが知ったこっちゃないっていう。とにかく安いっていうのを目的にしてましたね。あと、半分はキャンプをしてました。テント持って、どの街にもキャンプ場のマップっていうのがあるので街の近くにけっこうあるんですよ。ご飯で『ラビオリ』っていうのがありますけど、僕はこれをこの10何年一度も食べたことがないですね。というのも、キャンプ中っていうのはガスバーナーで自分のご飯を温めて食べるんですけど、1番ラクなのがラビオリの缶詰なんですよ。温めたらすぐ食べられてパンにソースを付けて食べるんですけど。もう一生分食べました。そんな生活でしたけど、30過ぎてまともな仕事をするようになりまして。海外に行くとホテル代が付くんでだんだんホテルに泊まるようになりました。疲れてホテルに帰ってくると1人で寝れるというのが実に素晴らしいということに気づいてしまったんですね。まあ最初の晩ていうのは初対面の人みたいなもので、なんだこの部屋ずいぶん俺によそよそしいなと思うんですけど。2・3日経って部屋に着くと「我が家に帰ってきた」と思う不思議な空間です。
★★★★★★★
ホテル。1番泊まる街というとやっぱり年に6回くらい行くものでニューヨークです。よく「どこに泊まるんですか?」と聞かれるんですけども場所で決めてます。例えば、自分の仕事がミッドタウン近くが多い時はAce Hotelというというブロードウェイにあるホテルに泊まることが多いです。ここは若い人たちにすごく人気で、ロビーが賑やかなもので、僕にもこんな頃があったなあと横目で見ながらコーヒーをすすっています。それからもっと多いのが仕事はダウンタウンの方が多くてですね、週末とか夕方になるとタクシーがすごく捕まりづらいんですね、ニューヨークって。なので歩いてどこでも行けるBowery Hotelという所に泊まります。これはBoweryという道と3番街の角にあるところで、古い建物というかぱっと見はクラシックなホテルに見えるんですけど、そういうふうにデザインした新しいホテルでして。5・6年経つのかな。とても可愛らしいホテルで僕はここの毛布が大好きです。それから働いている子達も赤いPコートにポーラーハットを被ってですねキットカットのコマーシャルみたいな感じなんですけどもすごいすてきで。ここはラウンジもすごく使いやすくてよく打ち合わせにも使いますし、その辺で地元の友達が夜飲んでるので自分も酔っぱらって帰ってきて、今日は早く寝ようなんて思ってもそこで友達に捕まって朝になっちゃうっていうのが何度もありました。ニューヨークでは泊まらなくても身近なものとして使います。もちろん日本でもおいしいごはんとかちょっと高級なバーでしっとり飲むなんてこともあると思うんですけど、ニューヨークは今1番はやりのラウンジ、クラブとか踊れる遊び場があったりして日常のなかに入り込んできますしね。そういうのがすごく面白いし、東京にもあったらいいなと思います。でも、1番好きなホテルというのはニューヨークじゃなくてロサンゼルスにあるChateau Marmontというホテルです。ここはロスにある唯一のヨーロッパ式のホテルでして、昔からミュージシャンやアーティストがたまるホテルとして有名です。映画「ブルースブラザーズ」のジョン・ベルーシとかフォトグラファーのヘルムート・ニュートンなんかが亡くなったホテルでもあります。ここはホテル王と言われているアンドレ・バラスという人が買って、リノベーションをしたんですけど、全然余計なことしなくて昔のままにしながら自分が持ってる良いお客さんだけを呼び込んでまして、今でもいろんなハリウッドスターとかミュージシャンが「ここしか泊まりたくない」っていうので普通にお酒を飲んだりご飯を食べたりしています。中は撮影が禁止なのでみなさん結構くつろいでいますね。一度ぜひ、機会があれば行ってみてください。ちょっと高いですけど、ご飯を食べたり下にあるバーだけは行けるのでそこで時間を過ごしてみるのもなかなかたのしいものだと思います。
★★★★★★★
海外ではホテルというものをすごく身近に使います。これがただのデザインホテルとかじゃなくてですね、古い歴史あるホテルですごい若い方からお年を召した方まで良いお客さんがわいわいたのしく遊ぶっていうのがすごく素敵だなあと思っています。最近はお金が渦巻いているので古いホテルがどんどん買収されて新しくなってしまって残念なんですけども。ニューヨークでもカーライルホテルくらいしか残ってないですかね。じゃあ東京でそういうホテルはあるのかというと、ありますね。僕も好きなホテルなんですけども、ホテルオークラ。ここはホテル御三家っていわれる中でも唯一60年代からのデザインがそのまま残っていまして、建築好きの方にはもちろん有名なんですけども、海外から来るお客さんで「東京ならではの格式あるホテルで、日本のデザインが見たい」っていうとたいていオークラに来てみんな虜になってしまってですね、東京に来ると必ずオークラに泊まるという人がすごく多いです。僕の周りも洋服のデザイナーとか映画の監督とかミュージシャンの友達が多いんですけど、「訓、東京に来月行くからどこに泊まればいい?もう世界中にあるチェーンホテルは嫌なんだよ」って。じゃあオークラに泊まってみたらどうだい?って言うとまあリピーターになりますね。残念ながらこのホテルオークラは今年の8月かな、営業が終わり建て直しになるっていう話になっているんですけども。今世界中のデザイナーや建築家がオークラを救えというか、なんとかあの建物を残してくれと。じゃないと二度と東京に戻る理由がないっていう運動を始めてまして。それがどういう結末になるかわからないですけども、僕としてもぜひ残してほしいなというか、東京っていうのはすごく移り変わりの激しい街ですけども、やっぱり歴史があるっていうか自分たちの親、その前の代から年々と受け継いで遊べる場所っていうのが残されるべきだと僕も思います。
野村訓市
1973年東京生まれ。幼稚園から高校まで学習院、大学は慶応大学総合政策学部進学。
世界のフェスティバルを追ってのアメリカ、アジア、ヨーロッパへの旅をしたトラベラーズ時代を経て、99年に辻堂海岸に海の家「SPUTNIK」をプロデュース。世界86人の生き方をたったひとりで取材した「sputnik:whole life catalogue 」は伝説のインタビュー集となっている。
同名で「IDEE」よりインテリア家具や雑誌なども制作。現在は「TRIPSTER」の名で幅広くプロデュース業をする傍ら、ブルータス等の雑誌などで執筆業も行う。