「月」
月明かりが照らす夜。
街灯も、ネオンサインも、コンビニもない場所へ行けば
その明るさに気づくはずだ。
闇を照らす光に。
その静かな力に。
美しい表情に。
だから、世界にはいくつも 月の歌がある。
Theme is... MOON!
新年度!
この春から... 【J-WAVE】と【FM802】をつないでオンエア!
世界50ヶ国以上を旅した野村訓市が
各国、各地で眺めた「月」の思い出。
そして、「月の下」で体験したユニークな
エピソードを語ります。
【Music Stream】は「月」をテーマにした曲、
月明かりの中で聴きたい曲のセレクション!
★★★★★
番組では皆さんの「旅」と「音楽」に関する
エピソードや思い出のメッセージをお待ちしています。
現在、「ドライブ」にまつわるエピソードと
その時に聴いていた曲について大募集中!
日本、海外、どちらの体験でもOKです。
今後、リスナーの皆さんの「ドライブ体験」
というテーマでお送りする予定!
番組サイトの「Message」から送信してください。
ハガキ、手紙も大歓迎!
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宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
Antenna TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛
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スタッフ一同、お待ちしてます!!!
MUSIC STREAM
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
Fly Me to The Moon / Groove Armada
バート・ハワードの作詞・作曲により1950年代に生まれた楽曲で、フランク・シナトラを始め数え切れない程のアーティストが取り上げているジャズ・スタンダード。グルーヴ・アルマダはイギリス人二人によるテクノ系ユニットです。
Moon On The Rain / Fairground Attraction
イギリス人女性ヴォーカリストのエディ・リーダーを中心としたバンド、フェアグラウンド・アトラクション。活動期間はわずか2年ほどで、オリジナル・アルバムは1枚のみですが、「Perfect」「Clair」など名曲揃い!
Harvest Moon / Neil Young
カナダ出身の男性シンガー・ソング・ライター、ニール・ヤングが1992年にリリースしたアルバムのタイトル・トラック。キャリア46年にして今も現役で活躍しているロック・シーンのレジェンドです。
Under The Cherry Moon / Prince & The Revolution
殿下こと、プリンスが監督・主演を務めた映画『アンダー・ザ・チェリー・ムーン』のサウンド・トラック・アルバム。映画自体は「ゴールデン・ラズベリー賞」を多数獲得するなど、芳しい結果を残していませんが、サントラは名盤!
Sail To The Moon / Radiohead
ヴォーカルのトム・ヨークを中心としたイギリスの5人組バンド、レディオヘッド。2003年にリリースされたアルバム『Hail To The Thief』に収録された曲です。
Moon Song / My Bloody Valentine
アイルランド出身のオルタナティブ・ロック・バンド、マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン。この曲は1991年にリリースされたEP『Tremolo』に収録されています。
The Great Gig In The Sky / Pink Floyd
イギリスの伝説的プログレシブ・ロック・バンド、ピンク・フロイドの最高傑作、『The Dark Side Of The Moon?狂気』に収録されている曲。訓市がロンドンに住んでいる時、とある雑誌の企画で、「愛の夜に聴きたい最高の曲ベスト100」という記事が載っていて、その1位がこの曲だったとか。一聴すれば分かると思いますが、なかなかムーディーで、どんどん怪しい感じになっていくので・・・日頃、マンネリの方はゼヒ、この曲で!
Dancing In The Moonlight / King Harvest
フランス出身のバンドで、1970年代に活躍したキング・ハーヴェストの最大のヒット曲。多くのミュージシャンがカバーしています。
ON AIR NOTES
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。
Kunichi was talking...
★★★★★★★
月、いいですよね。よく何処に行きたいですか?と聞かれますけど、死ぬ前に一度行きたい所として、「月」はベスト3のトップにいるかなぁと。まあ、多分自分が生きている間には、そうそうそうカジュアルに行けないと思うんですけどね、行けるものなら行ってみたいです。これまで、僕も色々な所を旅して来ましたが、旅先で見る月というのは本当に不思議です。何故かと言うと、どんな国にいても日本にいたときと同じものを見られるわけで。なんていうんですかね、月を見ているとすごく昔のことを思い出したりします。それは同じ月を違ったシチュエーションで見ているからなのかもしれませんけど。学校で習った童謡で『浜辺の歌』というのがありますが、みなさん覚えてますかね?「あした浜辺を さまよえば 昔のことぞ しのばるる」っていう歌詞なんですけど、月を見ているとそんな気分になります。僕は焚き火を眺めている時間がすごく好きなんですけども、月を眺めていると同じような感じで、どれくらい時間が経ったのか分からなくなってきてしまいますね。特に1番好きなのは満月の頃、海で月を見ると、『月の道』って言われているんですが・・・光がひかって水平線の方まで光の道ができるんですけど、それをただ何も考えずにぼーっと眺めるのが1番好きです。去年のちょうど春ですかね。久しぶりに休みをとってタイに行ったんですけど、ちょうど満月の夜に当たって、雲も何も全く無くて満月が海の向こうにぽーっと明るく光っていまして、その下に「月の道」ができて、周りにたくさん小さい島があったんですけど、その島影がぼーっと浮き上がっていまして・・・それを見てずいぶん癒された気がします。
★★★★★★★
月に関した話しで言えば、僕は昔よくサンフランシスコにも行っていましたが、サンフランシスコの中心に「ツインピークス」という小さな山というか、丘があります。ドラマとは全く関係ないんですけど、パワースポットで有名な場所なんですね。たいした標高じゃないんですが。今ではどうだか分かりませんけど、昔はここで満月になるとサンフランシスコらしいヒッピーのような人たちが集まって、ドラムを持ち寄ってドンドコドンドコ叩いていましたね。「ドラム・サークル」というやつで、サンフランシスコだけでなく、満月の時には様々な所で「ドラム・サークル」があるんですけど・・・。もし、ドラムを叩いたことがない人でも、ジャンベとかタンバリンとか何でもいいんですけど誰かから借りて持って行って、みんなが叩いてる所にジョインするんですね。ドンドコドンドコ叩いてると、なんかこうリズムに入ってきましてすごく楽しいです。何故、満月の日に「ドラム・サークル」をするのかっていうのは、都合のいい口実なのかもしれませんけど。明るい満月の下でドラムを叩くっていうのはすごく、古代のトライバルな儀式というか、なにか人をひとつにする雰囲気がきっとあるんだと思います。満月っていうと、色々な人が様々な理由で集まっています。例えば、「ツインピークス」でスケートボードのロングボードでダウンヒルをやっている人もいて・・・きっと満月なので道がよく見えるっていうのもあると思いますけど、それもすごい風景でしたね。僕も「ヨセミテ」という国立公園で満月の夜に山登りに誘われて行ったことがあって、暗いし大変だと思ったんですけど、満月で岩が全部白く浮き上がって懐中電灯なしで登れましたし。満月の夜にどこかへ出かけてね、普段やってないことをやってみるっていうのはすごく面白いんじゃないかなと思います。特にこの番組を聞いてる皆さんは都市部に住んでいる方が多いと思うんですけど、街に住んでいると夜真っ暗っていうのは中々感じることがないと思いますし、ましてや今日の月がどんななのかっていうことに余り注意を払って見ている人も少ないのかなって思います。この放送を聞いた後に夜の空を眺めて、月をちょっと見てみてください。
★★★★★★★
月。綺麗なところをたくさん見ました。アイスランドの氷河の上の満月とか、ヒマラヤの山の上に浮かぶ月。それから勿論、キューバとかビーチで見る満月。どれも素晴らしいんですけど、月っていうと僕が思い出すのは、今は亡くなってしまったんですけど昔の友達です。すごい無茶苦茶な人で、突然ある日モンゴルに行っていなくなっちゃったり、とにかく支離滅裂というか行動の読めない人で、煩くてよく問題を起こしていました。その行動とかルックスもワイルドだったんですけど、実はすごくスピリチュアルな人で、ズボンのポケットにいつもジャラジャラ物が入っているんですけど、よく見るとそれが全部水晶、クリスタルなんですよね。彼はクリスタルが悪い気を取るって信じていて、落ち込んでいる人とか問題がある人がいると、すぐそのポケットから水晶が出てきて「これを持て!」っていう。で、僕が長い旅に出る時に、彼が会いに来てくれて、俺の宝物をやるって言って汚い赤い箱をくれて。なんだろうと思って開けたら、漫画とかに出てくる魔女が持っているような水晶の玉が2個と、それを飾る小さい木の台がついていて・・・「お前これを持って行け!」と。「これでどんな所に行っても大丈夫だ」って言われて。いらないって言うわけにもいかないですからね、持って行ったんですけど。彼が言うにはクリスタルというのは人の悪い気を取ってくれて、その分曇ってしまうんだと。「曇ったときは海の水で洗って満月の夜に月光にさらせ」って言うんですね。「そうするとまた元の通りに、綺麗な水晶に戻るんだ。」まあ言われた通り旅に持って行ったんですけど、僕は気がいいから汚れなかったのか、目が曇っていて気付かなかったのか分からないですけど常に同じ水晶に見えましたが、言われた通りよくやっていましたね。海にいる時に海水に浸けて月明かりに当てて。でも、その時に思ったのは、水晶が綺麗になるというか、海辺でその海水で洗って乾かしている間に、自分自身がすごく気持ち良くなって、月光浴って本当に気持ちを落ち着かせるんだなって、その時に気付きました。その水晶というのは亡くなった友達の形見になったもので、今でも持っています。さすがに家の中でそれを飾っているわけではありませんが、たまに赤い箱を開けて眺めています。
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野村訓市
1973年東京生まれ。幼稚園から高校まで学習院、大学は慶応大学総合政策学部進学。
世界のフェスティバルを追ってのアメリカ、アジア、ヨーロッパへの旅をしたトラベラーズ時代を経て、99年に辻堂海岸に海の家「SPUTNIK」をプロデュース。世界86人の生き方をたったひとりで取材した「sputnik:whole life catalogue 」は伝説のインタビュー集となっている。
同名で「IDEE」よりインテリア家具や雑誌なども制作。現在は「TRIPSTER」の名で幅広くプロデュース業をする傍ら、ブルータス等の雑誌などで執筆業も行う。