「公園」
公園で遊ぶ子どもの声は、どこの国でも同じように響く。
それは言語をこえているのだ。
そして、子ども同士なら、言葉が違っても すぐに遊び出す。
国や宗教、人種の違いが いさかいを引き起こす 今、
切に願うこと。
大人も、公園の子どもたちのようであればいいのに。
Theme is... PARK
新年度!
この春から... 【J-WAVE】と【FM802】をつないでオンエア!
世界50ヶ国以上を旅した野村訓市が
各国、各地で眺めた「公園」の思い出。
そこで体験したエピソードを語ります。
【Music Stream】は「公園」をテーマにした曲、
公園で聴きたい曲のセレクション!
★★★★★
番組では皆さんの「旅」と「音楽」に関する
エピソードや思い出のメッセージをお待ちしています。
現在、「ドライブ」にまつわるエピソードと
その時に聴いていた曲について大募集中!
日本、海外、どちらの体験でもOKです。
今後、リスナーの皆さんの「ドライブ体験」
というテーマでお送りする予定!
番組サイトの「Message」から送信してください。
ハガキ、手紙も大歓迎!
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宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
Antenna TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛
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スタッフ一同、お待ちしてます!!!
MUSIC STREAM
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
Saturday In The Park / Chicago
米イリノイ州シカゴで結成されたバンド、その名も「シカゴ」。1969年にデビュー・アルバムをリリースして以降、メンバー・チェンジを経ながら現在も活動しています。「ブラス」=ホーン・セクションを大胆に取り入れた「ブラス・ロック」と呼ばれるスタイルを確立したグループです。
Feel PM / Lindstrom & Prins Thomas
2000年代に盛り上がりを見せたジャンル「ニュー・ディスコ」シーンを代表するノルウェー人アーティスト、リンドストロムとプリンス・トーマスという2人のコラボレーションで生まれた名パフォーマンス。
The Park / Feist
カナダ出身の女性シンガー・ソング・ライター、ファイスト。「公園」というシンプルなタイトルのこの曲は2007年リリースのアルバム『The Reminder』に収録されています。
Walk In The Park / Beach House
フランス出身の女性ヴォーカリストとアメリカ出身の男性ギタリストによるポップ・ロック・・デュオ、ビーチ・ハウス。訓市曰く、「タイトルに”PARK”がついている作品は名曲揃い」とのこと。納得!
あしおと / 山下達郎
1975年にシュガー・ベイブのメンバーとしてアルバム『SONGS』をリリースして以来、今年、デビュー40周年を迎えた山下達郎。この曲は1983年にリリースされたアルバム『Melodies』に収録されているもので、「夜の公園を散歩するとき」におススメ!なお、同アルバムにはお馴染みの名曲「クリスマス・イヴ」も入っています。
Through The Night Softly / Jim Orouke
ギターを中心に様々な楽器を操るマルチ・ミュージシャンで、プロデューサー、コンポーザー、アレンジャーとしても独自の世界を表現し続けているジム・オルーク。1999年にリリースされた、ジャケット・デザインのインパクト100パーセントのアルバム『Eureka』に収録されている曲で、公園散歩のBGMにおススメ!
Walk In The Park / Razika
ノルウェー出身の女性4人からなるアルタナティヴ・ポップ・バンド、ラジカ。ジャケ写がキュート!
Green Aisles / Real Estate
アメリカ東海岸、ニュージャージー出身のインディ・ロック・バンド、リアル・エステート。2009年にリリースされたデビュー・アルバム『REAL ESTATE』に収録されているこの曲は、木々に囲まれた道を通り抜けるイメージ・・・
Selective Memory / Eels
「ウナギ」という意味の「イールズ」・・・この曲は彼が子供の頃、公園で過ごした思い出を歌っていて、歌詞を読みながら聞くとちょっと涙なしには聴けない寂しい内容です。クオリティは高い!とは、訓市のコメントです。
ON AIR NOTES
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。
Kunichi was talking...
★★★★★★★
公園。素敵な響きだと思うんですけど。今は大人らしくですね、散歩したり子どもを連れたり、いわゆる真っ当な公園の使い方をしていますけど、僕がバックパッカーの頃は、公園というのは時間を潰す大事な場所でもありますし、昼寝というかですね、寝る場所でしたね。ベンチとかでよく寝てました。物が盗まれたりするんで、リュックを背負ったまま仰向けにひっくり返るんです。人が寄ってくると無意識に影が来るんで手をバタバタすると相手が逃げたりしてですね。大抵、そんな感じで駅で寝たり、公園で寝たりしていました。安いサンドイッチなんか買ってベンチに座ってムシャムシャ食べたりですね、パリとかですと本当2?300円で買うワインでもすごく美味しいんですよ。防腐剤とかも入っていなくて。それを飲みながらすっかりアーティスト気取りじゃないですけど・・・だいたい、普段ワインなんか飲まないんですけどね。そういう時になると空気に飲まれてしまう自分がいまして、ワインなんかを飲んで横になったりしていました。僕が公園にいて一番好きなのは子どもの声を聞くことで、不思議だなぁと思うのはどこの国にいても、公園で聞こえる子どもの笑い声っていうのが全く同じに聞こえるんですよね。何故ですかね、あのトーンていうのは。言語が違うはずなんですけど、響きが一緒です。初めて会った子供同士でも数分するとすぐみんな集まって、外国人の子でも一緒になって同じトーンで遊びだすんですよね。大人も一緒だったら戦争がないのかなと思います。
僕が1番多く通った公園はロンドンに住んでいた頃だと思うんですけど。「ハイド・パーク」とか「リージェント・パーク」とか。ガーデニングの本場といいますか。イギリスっていうのはやっぱり産業革命の国で、自然に見える景色っていうのは一度全部壊してしまったらしいんですよね。木を切ってしまったり。それで自然を大切に思うようになったらしくて、素敵なガーデニングをするようになったと言われているんですけど。確かに、すごく公園の緑っていうのが綺麗で、春になると本当に公園が素晴らしくてですね、僕は「プロムローズ・ヒル」という、「リージェント・パーク」の外れにあるんですけど、高級住宅地で。Oasisのギャラガー兄弟とかが住んでいる区域があるんですけど、そこに素晴らしい丘がありまして。よく茶色の袋に隠してお酒を飲んだりしながら夕日を眺めていました。これからの季節、ロンドンに行く人がいたらぜひ行ってほしいんですけども。ロンドンの夏の公園というのは、1番素晴らしい気持ちになるところかなと思っています。
★★★★★★★
僕は好きな公園というのは、やはり、ヨーロッパが多いのかなと思いますけど、古い街っていうのは必ず緑の部分を作るっていうのが、もう何世紀からなんでしょうね。都市計画の中に組み込まれてですね、どこの街に行っても大きい公園があります。地図を見て「ああ、ここがこの街の日比谷公園か」って僕はいつも思うんですけど。もしくは代々木公園。気に入っていたのはアムステルダムの真ん中にある「ボンデル・パーク」という公園。アムステルダムは運河が走っていて迷路みたいなんですけど、「ボンデル・パーク」は幅は狭いんですが素晴らしい芝生の公園でして。特に素敵なのは「ブルーティー・ガーデン」というお店だったかな。公園の真ん中に昔のアーティストが作った円形のカフェがありまして、そこでローカルの人たちが思い思いにコーヒーを買って、音楽をかけたりしながら時間を過ごしています。こういう公園のカフェというのは観光客というよりはローカルの人たちがすごく愛している場所らしくてですね、ヨーロッパに夏行くとみなさんバカンスに行ってしまうんで街にいる人たちが自分を含めて一緒の旅行者っていうのが多いんですけど。こういう場所に集まっている人たちというのは街に残っているローカルの人たちでして、一緒に時間を過ごすと街の顔がもう少し見えてくるような気がします。あとは忘れてしまったんですけど、仕事でちょうどウィーンに行ったことがあります。ウィーンでいろんな取材をしたんですけど、有名なオペラ座の裏だったか前にやっぱり日比谷公園がありましてですね、ウィーンの。そこにもカフェがあって音楽が流れていたんですけど、そこがすごく雰囲気がよくて。何故かというと多分、オペラ座から帰ってきた正装した初老の紳士とかそういう大人も混ざっているんですよ。で、チルアウトみたいなDJがちゃんといて曲をかけてるんですけど、昔のソウルとか最近のカフェ・デル・マールみたいなのも混ざりつつ、普通にクラシックとかオペラが混ざっていて、それでみんなお酒を飲んでいるんですね。あとヨーロッパの人がよくやるゲートボールみたいなボールを投げるゲームがあるんですけど、それを酔っぱらったおじさんたちが笑いながらゲームしてるんですよ。素晴らしいっていうか、ここまで普通の大人たちが夏の間公園をたのしく使って遊ぶっていうのは東京であまり見ないなあと思って、そのウィーンで見た光景っていうのが今でも忘れられません。
★★★★★★★
当然、よく行くニューヨークにも好きな公園はあります。ニューヨークっていうともうビルだらけの摩天楼っていうイメージだと思うんですけど、ニューヨークの日比谷公園はどこだっていうと、「セントラル・パーク」になりますね。よく昔は散歩に行きました。「セントラル・パーク」っていうと皆さん、イメージ的には知ってるとは思うんですけど、実際にどの位大きくてどの位、自然があるかっていうのは知らないと思うんですけど。ちょっと山もあったり、野生動物も住んでますし、僕の友達でブルックリンでマウンテンバイクを作っている友達がいるんですけど、ダウンヒル・バイクとかのテスト・ライドは全部セントラルパークでやるっていう程、色々な地形があります。もちろんジョン・レノンのために作られたモチーフがある「ストロベリー・フィールズ」という場所もありますし、すごくいいとろですね。「セントラル・パーク」の左右っていうのはものすごい高級住宅地で、昔はそこを歩くとケッていう目で見てたんですよ。こんな所に住む奴らっていうのは本当つまんない奴らだ。ダウンタウンから遠いし、緑を見て何が面白いんだって思ってましたけど、僕も歳を取りまして、多分コンサバティブになってきたんですかね。もしもニューヨークに引っ越すんだったら是非、アッパーウェストとかイーストとか、「セントラル・パーク」の緑を見ながら毎日を過ごしたいなあと思っています。とは言え、僕はやっぱりダウンタウンのごちゃごちゃしたとこと、そこでたむろするわけのわからない若者とか、盛り場で会うんだったらいいけど、昼間は会いたくないっていう人たちにすごく惹かれてしまうので、やっぱりダウンタウンに住みたいんですけど。ダウンタウンにはいろんな「スクエア」と呼ばれるちょっと広場がありまして、それが公園として機能しています。「ワシントン・スクエア」ですとか・・・『キッズ』という映画の舞台にもなりましたけど、スケーターの生意気そうな都会の子どもが集まってますね。昔は中に入れてほしいなと思いましたけど、今はもう絶対無理ですね。すごい目で見られたりします。ただ、そういうとこの子どもを見ると「ああ、ニューヨークに来たんだな」っていう気になります。ニューヨークのスクエアでいいなと思うのは、よく石でできたチェスとかで使う台が付いてるんですよね。真っ昼間からもう仕事をリタイアしたようなおじいさんたちが近所から自分のチェスを持ってきて、そこで対戦して一日中過ごしているんですよ、夏とか。それがすごく大人っぽいというかですね、みんなハンチングとかソフトを被って自分で水筒で飲み物なんかも持ってきたりしながら、一日中楽しそうに相手を見つけてゲームをしています。日本にもそういう公園があってもいいんじゃないのかなって、アメリカに行くといつも思うんですけど。公園はもちろん大人の憩いの場にもなっていると思うんですけど、子どもの遊具だけ作ったり、ただ芝生を作っただけでおしまいで、フラッと行ったおじいさんとかも一日中遊べるような場所を作ったりするのが1番いいんじゃないのかな。夏の間だけでも「代々木公園」とかにそんな場所があったらいいなってすごく思います。
野村訓市
1973年東京生まれ。幼稚園から高校まで学習院、大学は慶応大学総合政策学部進学。
世界のフェスティバルを追ってのアメリカ、アジア、ヨーロッパへの旅をしたトラベラーズ時代を経て、99年に辻堂海岸に海の家「SPUTNIK」をプロデュース。世界86人の生き方をたったひとりで取材した「sputnik:whole life catalogue 」は伝説のインタビュー集となっている。
同名で「IDEE」よりインテリア家具や雑誌なども制作。現在は「TRIPSTER」の名で幅広くプロデュース業をする傍ら、ブルータス等の雑誌などで執筆業も行う。