ON AIR DATE
2015.06.07
BACKNUMBER
  • J-WAVE
    EVERY SUNDAY 20:00-20:54

「イビサ」


バルセロナからフェリーに乗って 夏のイビサへ。

ありとあらゆる人が、無茶なスケジュールで飛び込んでくる。

もちろん、ひたすら飲んで、ひたすら踊るためだ。


しかし、実は、この島には別の顔がある。

一歩入れば、豊かな自然もある。

美しいサンセットもある。

カフェ・デル・マーで音楽に身をひたすのもいい。


ヨーロッパの夏が そこにはある。


TUDOR logo

Theme is... IBIZA

スペインの東、地中海に浮かぶ島「イビサ」。
世界中からパーティー・ピープルが集うこの島で
訓市が体験したこと、ユニークなエピソードなどを語ります。
また、チル・アウト系を中心に「イビサ」をイメージした曲をセレクト!


★★★★★
番組では皆さんの「旅」と「音楽」に関する
エピソードや思い出のメッセージをお待ちしています。

現在、「ドライブ」にまつわるエピソードと
その時に聴いていた曲について大募集中!
日本、海外、どちらの体験でもOKです。

今後、リスナーの皆さんの「ドライブ体験」というテーマで
ご紹介する予定!


番組サイトの「Message」から送信してください。
ハガキ、手紙も大歓迎!


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宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
Antenna TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛

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2015.06.07

MUSIC STREAM

旅の記憶からあふれだす音楽。
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
1

Romeo (Acoustic Mix) / Basement Jaxx

2

Smokebelch II (Beetles Mix) / Sabres Of Paradise

3

Procelain / Moby

4

An Ending (Ascent) / Brian Eno

5

沖縄に降る雪 (Chari Chari Mix) / 宮沢和史

6

Moments In Love / The Art Of Noise

7

Cafe Del Mar / Nacho Sotomayor

8

Close To You / Jose Padilla

9

I'll Be Your Mirror / Velvet Underground & Nico

2015.06.07

ON AIR NOTES

野村訓市は、どこで誰に会い、
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。

Kunichi was talking...

★★★★★★★
イビザと言って、名前を聞いたことある人は多いと思うんですけど、どこにあるのかよくわかっていない人もいますね。地中海にある島でスペイン領なんですけども、バルセロナから港を出て、真横を右に行ったところにあります。飛行機だとたぶん1時間かからないんですけど、船で行くと夜中にフェリーに乗って朝に着くので、6時間くらいの場所にあるのかな。日本でいう新島みたいなものでしょうか。1980年代の新島は大学生がどんちゃん騒ぎをしていたと言いますが、あれを世界レベルにしたと考えていいのではないでしょうか。やっぱりシーズンがありまして、ちょうど今、5月の終わりくらいから人が集まりだして、9月の終わりまでがシーズンです。イビザというととにかくどんな人も思うのがパーティー・アイランド。クラブがあってものすごい大バコがあって、泡を吹いてる写真を見たことがあるかと思いますけども。本当に大きいですね。3,000人入るとか、お金がとにかくかかっていて、みんな水着で踊ったりしてるんですけども。だいたい大きい島なんですけども、そういうクラブとかバーとか、どんちゃん騒ぎをするのは「イビザ・タウン」という、入り口になっている一番大きい街と、その左側にある「サン・アントニオ」という街がありまして、その間にいろんなクラブがあるんですけども。今もあるのかな・・・昔は24時間でディスコ・バスっていうのが走ってまして、それに乗って転々と移動できるんですよね。そんなクラブの島っていうイメージだと思うんですけど、とても美しい島で、「イビザ・タウン」ていうのも古いので、ユネスコの世界遺産になっている島です。それで1960年代からヒッピーがたくさん移り住んで、山の中に住んでいたっていう歴史がある島で、僕も最初に行った時はそういう山の中にある「コート・ハウス」っていうんですけど、お屋敷を友達でシェアしているヒッピーの友達がいまして、そこに泊まりに行ったのが最初ですね。その「コート・ハウス」というのが素晴らしくて、木のドアなんですけど、高さが2?3メートルあるような、天井がすごく高いので、床は全部石で。たのしかったですね。そこでみんなで料理を作ったり、楽器を弾いたり、自然豊かなんですけども、車がないとどこもいけないんですよ。買い物すら行けない、人里離れてしまっていて。しかもその時はスペイン人の友達が呼んでくれたんですけど、彼女は英語がペラペラだったのでよかったんですけど、その家にいる友達っていうのは全員イタリア人とかスペイン、あとなに人がいたのかな。みんな英語がしゃべれないんですよ。こんなアウェーな場所に隔離されてどうしようかなと思ったんですけど。最初はちょっと辛かったですけど、それども楽しかったですよ。夜焚き火したり、星が本当に綺麗で。そのうちヒッチハイクが当時はできたので、四つ辻っていうんですか。そこまで出て手を挙げていると車が停まっていろんなとこに連れてってくれたり、あとは海によく飛び込みに行きましたね。海に行くとヒッピーなんでもともと身につけてる布の面積が異常に小さいんですけど、それ全部取って、当然のように崖から飛び込むんですけど、その姿を見て「お母さん、僕も遠くまで来たよ」って思いました。


★★★★★★★
パーティー・アイランドなんですけども、僕は所謂そういう大きいクラブというかハコにはあまり行ったことがなくて、だいたいプライベート・パーティーとか、人の家の庭みたいな所にサウンド・システムをだして遊ぶ、みたいなのをして、あとはとにかく人との接触があまりないような場所にずっといましたね。よく地元の人とかトラベラーのヒッピーが行く場所っていうのがありまして、それは島の北側にある「ベニラス・ビーチ」というビーチで。写真で見るような人がワサワサいる他のイビザの海岸と全然違いまして、どこか多分、昔のままの牧歌的っていうんですか?そんな雰囲気のビーチでいろんな旅人が集まってジャンベを持ってドラム・サークルをやっていたりして、夕方になるとそこでみんなでサンセットを見るんですけど。そこだけでしたかねえ、開発されてなかったのは。お金のないバックパッカーは、やっちゃいけないんですけど野宿をしてまして。結構こんなところに寝ちゃってるんだと思ってたら、茂みからインドで会った知り合いのギリシャ人がヒョッキリ顔を出してきてびっくりしたこともありましたけど。「なにやってんの?!」って言ったら「いや、ずっとここにいるよ」って。「ここってどこ?!」「ここ!ここ!」みたいな。全くお金ないんですけども、あれは9月とかに行ったときかなあ。イビザの島ってフィグの木、イチジクがすごい生ってるんですよね。だからお腹が減るとちょっと入ってイチジクの実を取ったり、他人の庭にも生えてるんでそれを失敬するんですよ。日本だったら隣の庭の柿を盗んだみたいな話なんですけど、フィグの実なんていうと許されるような気がするのは僕だけでしょうか。僕は人が多いところにあまりいなくてですね、一番気に入ってたのはイビザ島ではなくて隣に「フロメンテーラ島」という小さい島です。これはイビザ・タウンからフェリーに乗って小一時間。スピード・ボートみたいなのだと多分半分くらいなんですけど、買えなかったですね、チケットが。ここは本当になにもないような島で、その北の端だったか南の端だったか忘れたんですけど、「イリヤ・ビーチ」という半島みたいに突き出たビーチがあるんですよ。この両側のビーチの幅が端から端まで一番狭いところはたぶん何十メートルみたいな。真ん中がブッシュで両側がビーチで。それはそれはきれいなエメラルドグリーンの海なんですけども。これ西と東に向いてまして、その3・40メートル移動すれば朝サンライズが見れて、夕方はサンセットが見れるんですよ。ここは最高だと思って。ここ本当はキャンプしたらいけないらしいんですよ。なのでテントがないからキャンプじゃないだろうということで野宿しましたけども。これはもう朝起きてサンライズ見て、夜サンセット見て、CDプレイヤーにヘッドホン付けて一日中音楽を聴いていました。ここはいわゆるパーティー・ピープルが2?3日寝ないで、酒飲んで踊ってという人たちが心を休ませに来る島でも有名です。随分遊ぶのにお金かけるなあって思ってたんですけど、今行けるなら一番行きたい島の一つかもしれません。


★★★★★★★
イビザというとかなりの人が知っている有名な観光スポットとして「カフェ・デル・マー」というお店があります。これはカフェって言ってるんですけど、お酒を飲むお店なんですが、建物がすばらしいとかそういうわけではなくって、ただ岩場が前に広がったビーチというか、砂のビーチがほとんどイビザはないんですけど、目の前が開けた岩場でして、海を面して夕暮れになるとちょうど目の前に日が落ちる場所にあります。ここは本当に最初、ホセ・パディラという人がいまして、彼がDJとして手持ちの音楽とレコードをかけていて、サンセットに合わせてノンジャンルで曲をかけたらしいんですね。一番最初が何年だったか忘れちゃいましたけど。クラシックみたいなものからスペインの曲、ロックのバラード、もちろん打ち込みのニューウェーブのインストの曲であるとかそういうものを全部かけてサンセットをみんなで見るっていうのが「セカンド・サマー・オブ・ラヴ」とかですから1980年代に流行ったんですかね。あっという間に有名になってしまいまして観光地化しまして、僕の地元の友達なんかは当然そういうのはダサいという人たちなので最初「一回でいいから「カフェ・デル・マー」に行ってみたいんだけど連れてってよ」って言っても「ダメだ、ダメだ。あんなダサいところ。観光客しか行かないところに行っちゃダメだ。」みたいな。僕も若かったので「だよな。そういうところはよくないよな」みたいな。でも、日を変えおりを変え、「でも一回行ってみたいなあ」みたいな。でも「ダメだ、ダメだ。あんなコマーシャルなところ。行っちゃダメだ」って言うから「そうだよね」というのを繰り返してしまいました。ただ、とうとう行く機会がありました。暇なときに「じゃあ車で久しぶりに行ってみるか」っていう友達がいまして。行ったときにはもうホセっていう人は当然やめてしまっていて、近くには似たようなテーマのお店が何軒もあって、「カフェ・デル・マー」自体、そのときのDJが誰だったのかわからないんでうすけど。お酒をお店で買って、岩場に友達と座って飲みながらサンセットをみてましたけど、やっぱり本当に気持ちよくってですね、目を閉じて音楽を聴いてるとだんだん観光客が写真撮りまくったり、今だったらセルフィーとかでとんでもないことになってると思いますけど、一切気にならなくなってきて。なんでしょうかね、日差しがすごく白っぽいというか、夕焼けのピンクとかもマジック・ピンクとかイビザ・ピンクなんて言ってましたけど、すっごい独特の淡いピンクで悪くないじゃないかって思いましたね。だからもしこれからイビザに行くっていう人がいましたら、パリで「カフェ・ド・フロール」とかに行くようなものですけど、一回は行ってみるのはアリなんじゃないかなと。まあ一回行けばそのあと自分でプチ「カフェ・デル・マー」みたいなことを千葉に行こうが湘南に行こうができるんじゃないかなと思います。そしてイビザっていうのはクラブ、パーティー・アイランドだとみんな思っていますけど、全然そんなクラブに行かなくても美しくて楽しい場所です。ただ、英語があんまり通じないですし、車を借りないといけないんですけども、山道で、もう違うかな?昔はレンタカーも全部マニュアルで、かなり日本人がパッと行くと辛いもので、それで結局みんな町のホテルに泊まっちゃうんですけど、英語のサイトを見ると「コート・ハウス」っていう昔のお屋敷を夏の間貸し出してまして、8部屋あって一泊8万みたいなんですけども、例えば8人集めると一人1万円でプール付きの古いお屋敷に泊まれるので、気合のある人たちはぜひ試してみてください。