ON AIR DATE
2015.10.04
BACKNUMBER
  • J-WAVE
    EVERY SUNDAY 20:00-20:54

「San Francisco」


サンフランシスコ。

この街も、その印象は変わった。

ヒッピー崩れの若者は見かけなくなった。


だけど、例えば、チャイナタウンに迷いこんでみれば

そこには しっかりしたコミュニティがある。

オーガニック料理の店は、地元の食材をシンプルに出している。


街を愛するハートが、サンフランシスコをつくっている。


TUDOR logo

Theme is... SAN FRANCISCO

かつて、バック・パッカーだった当時、
訓市がアメリカを旅する時、拠点にしていた土地、
「サンフランシスコ」。
そこで体験したエピソード、思い出・・・
そして、現在の街の魅力を語ります。



★★★★★
番組では皆さんの「旅」と「音楽」に関する
エピソードや思い出のメッセージをお待ちしています。

「こういった特集をやってほしい」「あの国の話が聴きたい」
というリクエストも随時募集しています。

番組サイトの「Message」から送信してください。
ハガキ、手紙も大歓迎!


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宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
antenna* TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛

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2015.10.04

MUSIC STREAM

旅の記憶からあふれだす音楽。
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
1

Daydream / The Lovin' Spoonful

1960年代に数々の名曲を産んだバンド、ラヴィン・スプーンフルが1966年に放った代ヒット曲です。

2

Don't Answer Me / The Alan Parsons Project

レコーディング・エンジニアとしてザ・ビートルズやピンク・フロイドなどの作品を手掛けたキャリアをもつアラン・パーソンズを中心としたバンドで、1984年のアルバム『Ammonia Avenue』に収録されている曲で、当時、大ヒットを記録しました。

3

It Wouldn't Have Made Any Difference / Todd Rundgren

1970年にデビュー・アルバムをリリースして以降、現在に至るまで活動を続けているアーティスト、トッド・ラングレン。この曲は初期の名盤『Something/Anything?』に収録されています。

4

Sweet Jane / Cowboy Junkies

カナダのトロントで結成されたオルタナティブ・ロック・バンド、カウボーイ・ジャンキーズ。1988年にリリースされたアルバム『The Trinity Session』に収録されている曲です。

5

もう一度夜を止めて / 崎谷健次郎

広島出身のシンガーソングライター、崎谷健次郎の代表曲で、1987年に大ヒットを記録しました。

6

A Woman Lonely / Janis Joplin

アメリカの20世紀ロック史を代表する女性ヴァーカリスト、ジャニス・ジョプリン。遺作となった1971年のアルバム『Pearl』から。

7

The Road / Jackson Browne

米ウェスト・コース・ロックを代表するシンガーソングライター、ジャクソン・ブラウンの代表作、1977年にリリースされた5枚目のアルバム『Running On Empty』に収録されている曲です。

8

Lenny / Stevie Ray Vaughan

米テキサス出身のブルース系ギタリスト、スティーヴィー・レイ・ヴォーン。1983年のデビュー・アルバム『Texas Flood』から。なお、彼はヘリコプターの墜落事故により35歳の若さで逝去。

9

Heart Is A Drum / Beck

アメリカ西海岸出身のベックが昨年リリースした最新作『Morning Phase』に収録されている曲です。なお、本作は2015年のグラミー賞で「Album Of The Year」に輝いています。

2015.10.04

ON AIR NOTES

野村訓市は、どこで誰に会い、
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。

Kunichi was talking...


★★★★★★★
今回はアップルというコンピューターの会社の新製品発表会に呼ばれて行くために、2泊という罰ゲームのような日程で行ってきました。過去に随分行ってますね。ここから車を買って旅をしたりとか。そもそもサンフランシスコに行きたいと思ったきっかけっていうのはなんだったんだろうなと思うんですけど、スケートボードが最初なのかな。今ではミュージシャンとして知られていると思うんですけど、Tommy Guerreroという人がいます。彼が昔パウエルというオールスターチームを持っているブランドのチームにいました。彼は他のスケーターがみんなロサンゼルスとか明るい南カルフォルニアの、影が全くないようなスケーターたちの中で一人、滑り方が全然違いまして。坂道を走るのもうまいし、格好も違うし。なんでなんだろうと思ったら彼がサンフランシスコ出身だったっていうことに気づきました。そこから意識するようになって最後は60年代のサンフランシスコのロックとかにはまったこともあって行ってみたいなあと思うようになりました。サンフランシスコっていうのはすごい古い町並みが残って坂が多いんですけど、その斜面にへばりつくように建っているとても美しい街です。カリフォルニアというとすごい暑くて、みんな短パンで金髪でサングラスかけてるっていう印象が僕はあったんですけど。サンフランシスコはノーカルと言われまして、結構寒いですね。そして地形がすごく複雑でして、自分が歩いている通りがすごく晴れてるかと思うと、角を曲がるといきなり雨になったり、すごく服装に困る町でもあります。今は随分ITバブルのせいで街が随分変わってしまいました。昔ながらの古い家なんていうのは格好の餌食で買い叩かれてますね。それこそヒッピー上がりの友達なんかはご多聞にもれずここを出て行く羽目になってます。ただニューヨークとかと違いましてまだまだ小さい街なんですけど、いろんな地区が残っていて、例えばテンダーロインという地区とか、まだちょっと危ないというか道を歩いていると気をつけた方がいいぞ、という人たちが歩いてたりして、そのピリピリ感がたまらないところでもあります。あとはアメリカにはいろんなところにチャイナタウンがあるんですけど、サンフランシスコのチャイナタウンは一番ご飯が美味しいと言われています。そしてまだ罵声感のあるバーなんかが残っていまして、僕もこの間行ったんですけど、そのIT長者が溜まるようなバブリーなバーなんかよりは全然面白いですよね。僕が行ったのは中国人のおばちゃんがやってるバーで、奥にジュークボックスがあったんですけど、たぶん20年くらい曲入れ替えてないような店で。カラオケも付いてたんですけどそれも20年くらい追加されてない感じで、僕らが行ったら一人でテレサ・テンみたいな曲を熱唱してまして。その横で中国人だと思うんですけど、ローカルの人たちですね。酒飲みゲームでショットをずっと一気して大騒ぎしてまして。こういうバーにするっと入りこんでその街の一コマを眺めると同時にだんだんそこに入り込んでいくっていうのが旅の醍醐味だと思います。


★★★★★★★
ちょっと前まではサンフランシスコっていうと多分、皆さんが考えるイメージっていうのはヒッピーとかフラワームーブメントだったんじゃないでしょうか。僕が初めて行った90年代っていうのはまだその残り香というのが残ってまして、中心地はヘイト・アシュベリーという、ヘイトっていう道とアシュベリーという道の交差点を中心に、ヘイトの道沿いがヒッピーが使うようなお店とかそういうのがたくさんありまして。まだ10代20代のどう見ても家出少年・少女みたいのが必ずなぜか犬を連れてるんですけど道にいましたね。あの辺はビクトリア調の家が並んでいて、すごく綺麗なんですけども。それが古い家として手を入れられてなかったっていう時に家賃がすごく安かったのでヒッピーが流れ込んで、いろんな世界の街にありますけども、ボヘミアン地区という要はそういう若い人、そしてアートをしていてお金がない人。それからいろんな国から流れ込んできた人たちが作った街ですね。それで有名になりました。僕が行った90年代っていうのはヒッピーが大好きだったバンドでGreatful Deadっていう、この間結成50周年のライブがありましたけど、そのリーダーだったジェリー・ガルシアがまだ生きていたので、夏なんていうのは本当にたくさんヒッピーがいましたね。今はほとんどいなくなってしまいましたけど。今サンフランシスコっていうと、例えばいろんな雑誌とかメディアを見る人にとってたぶん、オーガニックの料理とかちょっとおしゃれなライフスタイルの街みたいなイメージが強くなってきてるんじゃないでしょうか?いろんなサードウェーブ呼ばれるコーヒー屋さんがありまして、日本でも有名になったブルーボトルとか、あとはフォーバレル、サイトグラスなんていう有名店がいくつもあります。ブルーボトルも一番最初に行ったのはできてすぐで、2店目が高速の入り口にあったんですよね。友達たちがシリコンバレーに働きに行く時にそこからランプにあがるんですけども、すごくいいコーヒー屋があってそこでみんなコーヒー飲みながら会社に行くんだって連れて行かれたのがブルーボトルでした。ドリップで有名なんですけども、ちょっと日本だとおかしなことになってるのかなぁと。ありがたがってみんな並んだりしてますけども、コーヒーは並んじゃ絶対だめですよね。飲みたい時に飲まなきゃいけませんし。ドリップコーヒー、例えば東京、それ以外の大都市でも必ず凝ったおじさんたちがやっている純喫茶があります。たぶん、そっちの方が美味しいです。シスコのオーガニックのお店というと、だいたい売りが「地産地消」。地元で採れた野菜とかお肉を使って、地元で食べるのが一番美味しいんだって。シェパニーズという有名なお店がありますけども、そこが唱えてますが、さすがにコーヒーは地産無理です。でも地元の人がローストして入れたコーヒーを飲むっていうのを考えると、日本の人もぜひ地元のコーヒー屋にお金を落として地場産業の発展に尽くしてください。


★★★★★★★
サンフランシスコっていうとオーガニックとか食事が美味しいっていうので有名なんですけども。僕はジャンクフードが大好きでしてオーガニックが苦手なんですが、シスコというとおもしろいというか、ずっと忘れられない思い出があります。僕はシスコに行く時はブルースという友達の家によく居候していました。もともとバックパッカーだったんですけどオーガニックとベジタリアンの食事が大好きな人で、今ではそれがいき過ぎて、オレゴンの方で植物油で動くトラックを運転して移動レストランをやってるらしいです。15年くらい前ですかね。シスコにオーガニカというレストランがありました。これはローフード。常に食べ物を全部生で食べるのが体に一番いい。もし加熱するなら30度だか29度以下じゃないとだめだっていう料理の仕方でして。そのレストランに連れてかれたんですけども、キッチンなんてどっかの実験室みたいで。なんでかっていうと手でちぎったりしますし、調理用の器具っていうのが何かをすりつぶすミキサーとか、特殊な30度以上にならない電子レンジみたいなのがありまして。そこで働いたものですから、そのローフードにブルースはすっかり取り憑かれまして。ある時「ちょっと泊めてくれ」って言ったら「お前はどう見ても不健康だから、俺がお前を健康にしてやる。泊まる以上、俺の食事以外は食べるな。」って言われまして。それが本当に最初地獄でして、なにしろビーガンの人たち、卵も乳製品も取らない!みたいな人たちはブロッコリーとか豆が主食なんですよ。僕はブロッコリーが大嫌いで、それが刻まれたりペーストになったりしていろいろ出てくるんですよ。食事の種類というのはたくさんありまして、例えば水につけたレタスで巻いて春巻きにしたり、チョコレートケーキまで生で作っちゃうんですよね。カカオとかそういうのをすり潰して。あんまり辛くてある日、こっそり家を出て近所のタコベルに行ってタコスを貪り食って、ラージのコーラをがぶがぶ飲んで、ブルースが帰ってくる前に家に戻って風呂も入ったし歯も磨いたんですけど。ブルースが帰って来たらクンクンやるんですよ。「お前、肉食べたな。タコベルのタコスだろ。コーラも飲んだな。」もう「ごめんなさい、ごめんなさい。」みたいな。それから10日間は朝・昼・晩言われた通りビーガンフード、しかも生のものを食べ続けまして。シスコからL.A.に移動して真っ先に食べたのがステーキだったんですけど、悲しいかなそのビーガンフードが体に染み付いてしまって脂の匂いが気持ち悪くて食べられないんですよ。「いや、そんなはずはない。」と思って無理して全部食べたらすぐ腹を壊してしまいました。今、僕はビーガンというわけじゃないんですけど、いかに動物性の食事っていうのが体に強いものなのかって、ちょっと間を空けただけで食べられなくなる。肉と野菜、どちらもほどほどに食べてください。