It reminds me something already I forgot
Theme is... SNOW
『Travelling Without Moving』=「動かない旅」をキーワードに、
旅の話と、旅の記憶からあふれだす音楽をお届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。
★★★★★
番組前半はリスナーの皆さんからお寄せ頂いた旅のエピソードと、
その旅に紐付いた曲をオンエア
後半のテーマは「雪」。
訓市がニューヨークで体験したトホホなエピソードとは?
ミュージック・ストリームは「雪見曲」をセレクト!
★★★★★
番組では皆さんの「旅」と「音楽」に関する
エピソードや思い出のメッセージをお待ちしています。
旅に紐付いた「リクエスト曲」をオンエアさせていただいた方には
図書カード1,000円分をプレゼントします!
3曲セットの「ミュージック・ストリーム」セレクションでもOK!
番組サイトの「Message」から送信してください。
手書きのハガキ、手紙も大歓迎! ←番組での採用率高し?!
訓市からのリクエストは「BPM120」以下。
日曜日の夜に聴きたい「ゆったりした曲」がベターです。
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宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
antenna* TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛
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MUSIC STREAM
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
(They Long To Be) Close To You / Carpenters
バート・バカラック&ハル・デヴィッドの作による永遠の名曲!1970年に発表されたカーペンターズのヴァージョンは全米チャートでNO.1を記録しています。なお、邦題は「遙かなる影」。
Lately / Stevie Wonder
スティーヴィー・ワンダーが1980年にリリースしたアルバム『Hotter Than July』に収録されている名バラードです。
I Dance Alone / 藤原ヒロシ feat. Janis Ian
ファション・デザイナーを始め多岐にわたって活躍しているクリエーター、藤原ヒロシが米女性シンガーソングライターのジャニス・イアンをゲスト・ヴォーカリストに迎えた曲で、1996年にシングル盤としてリリースされ、翌年のベスト・アルバムにも収録されています。
Make A Rainbow / Benny Sings
オランダ出身の男性アーティスト、ベニー・シングスが2005年にリリースされたセカンド・アルバム『I Love You Benny Sings Live at the Bimhuis』に収録されている曲です。
プライマル / Original Love
結成当初はバンドとして活動し、1995年以降は田島貴男のソロ・ユニットとなって現在に至るORIGINAL LOVE。この曲は1996年にシングル盤としてリリースされた曲で、その当時、テレビ・ドラマの主題歌としても使われ大ヒットしました。
I Try / Macy Gray
米オハイオ州出身の黒人女性アーティスト、メイシー・グレイ。1999年リリースのアルバム『On House Life Is』に収録されている曲です。
Zebra / Beach House
映画音楽の巨匠ミシェル・ルグランの姪ヴィクトリア・ルグランと、米バルチモア出身の男性アレックス・スカリーの男女デュオ、ビーチ・ハウス。2010年にリリースされたアルバム『Teen Dream』から。
Lost In Love / Air Supply
豪メルボルン出身のバンド、エア・サプライの代表曲で、1980年に大ヒットを記録しています。
Meeting Across The River / Bruce Springsteen
「ボス」ことブルース・スプリングスティーンが1975年にリリースした名盤『Born To Run』に収録されている曲で、ニューヨークの川沿いのシーンを歌った心に沁みる作品です。
ON AIR NOTES
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。
Kunichi was talking...
★★★★★★★
年越すまでは暖冬と言われていて、今年の冬はヒートテックなんかいらないんじゃないかというか、タイツ抜きで春を迎えられるかと舐めていましたら、年明けてからの冷え込みというのは半端じゃないですよね。暖かいのに慣れていたので、柔肌が悲鳴を上げているんですけど。僕は寒いのは嫌いですが、雪はすごく好きです。小さいときスキーでスラロームなんかやったり、スノボも好きで、雪に覆われた山の景色を見るのもすごく好きなんですけども、街の雪景色っていうのが好きですね。例えばニューヨーク。今年はまだ行ってないんですけども、例年だいたい必ず1月2月にニューヨークに行きます。大寒波みたいなのが来て、みなさんが想像する以上に雪が降るというか、しかも寒い。去年も−16℃とかモービル石油のコマーシャルじゃないですけど、バナナで釘が打てそうな寒さで。ただその雪の降るニューヨークというのは本当に綺麗です。普段、灰色のビルに囲まれて道も汚いんですけども、雪が降るとそれが真っ白にカバーされて。しかもビル風のせいで雪が舞い上がるんですけどもそれが本当に綺麗です。ただ、ニューヨーカーというと皆さんすごくオシャレというか、常に素敵な格好をしているとお思いでしょうが、冬はまったく違いますね。ミシュランマンみたいなモッコモコのダウンにロシア人が被るような毛皮の帽子なんか被っていて、オシャレなんか気にする人は一人もいません。でもたまにいるかな。白人のみなさん、からだの作りが違うというか、タバコを吸うのに−10℃のなかTシャツで出てくる人がいるくらいなので、季節感0の人たちというか。毛皮のコートの下がノースリーブのドレスだったり。真似しようと思ってもぜったい日本人にはできないですよね。
雪のニューヨークというと一昨年の冬かな。僕はイーストヴィレッジ。マンハッタンの東の方でイーストリバーの近くなんですけどもそこで飲んでいて、気がつけば閉店時間も過ぎ5時くらいだったんですよね。明け方で、タクシーは大雪で捕まらないし、気持ちがいいから歩いて帰ろうと思ったんです。僕のホテルもイーストヴィレッジからすぐで、歩いて数ブロック。10分もしないところだったんで、上機嫌で歌のひとつも歌っていたと思います。5時くらいで普通はタクシーのクラクションがブーブーうるさかったり、ゴミの収集トラック、すごくうるさいんですけども、大雪のせいでなにもなくて。本当に静かで、雪に埋もれたマンハッタンの町並みを歩いていました。膝下くらいまで積もっていて、人が歩いた後をなぞらないとズボンも雪で濡れるくらいすごい雪だったんですけども。上機嫌すぎたのか、景色に見とれて自分に酔いしれてたのか、歩けど歩けどホテルに着かなくて、川に出てしまいました。おかしいな。それは西の端にあるハドソン川だったんですけど、気づけば小一時間歩いてマンハッタンを横断していました。ニューヨークで心の底から絶望したのはその時が久しぶりで、何しろ寒いし、酔ってるので膝はやっぱりガクガクしてますし、でもタクシーは0ですし。そこからまたイーストヴィレッジまで歩いて帰って、ホテルに帰ったのはなんだかんだ7時くらいだったのかな。雪の日は本当に綺麗ですけど、あたりの景色は十分気をつけて。自分がどこを歩いているか、必ず確認してください。
★★★★★★★
雪景色といえば僕はすごく京都が好きで、最近ずっと内装の仕事があってこの冬2週間に1回くらいかな、泊まりに行ってましたが、京都に冬に行くと僕は必ず1日は雪の日にあたります。地元の人に聞いても一冬に雪が降るのは2・3回くらいのものだと言うんですけど、なぜかこの10年以上ですかね、時には一冬に1回しか行かないなんていう時もあるんですけど、必ず雪が降ります。しかもよくあるのが日中、日が出てるというか、空を見ると明るくて太陽がどこにあるかが見えるのに雪がチラチラ降っているっていう。あれは本当にテンションが上がるというか。瓦屋根にうっすら積もる雪というのがとにかく僕は好きで、それから鴨川とか川沿いを歩いて土手がうっすらと雪で白くなるのも好きですし、それからベタですけど雪の金閣寺っていうのは本当に綺麗で。僕は普段、金閣寺があまり好きではないんです。多分、そういう人の方が多いのかな。火事で燃える前の金閣寺はきっと素敵だったと思うんですけど、再建した金閣寺ってまだ金が馴染んでないというか、ラッパーでいうところのブリンブリンな寺じゃないですか。それが雪が降るとちょうどうまい具合にそのブリンブリンさが取れるというか、景色と調和してすごく素敵に見えます。普段、僕は圧倒的に銀閣寺の方が好きなんですけども、雪の銀閣寺もいいですよね。近くを歩ける“哲学の道”というのも雪の時はすごく素敵です。一番好きなのは南禅寺です。何にもない感じのあの廃墟のような、庭とか本当に綺麗だと思います。2月になったらきっとまた雪が降る日というのが京都であると思うので、もし天気予報を見て雪が降りそうだったら、急いで行ってみてください。もし、雪の京都をみていない人がいたら、きっとすごく印象が変わると思います。僕は1回でいいから京都に住んでみたいです。古い家を借りて、毎日お茶入れて、お漬物買ってぽりぽり食べて、たまにお散歩して。家に古いレコードなんかを持ち込んで聞いて何もしないっていう。この間も京都の人にそういう話をしたんですけど、脅されました。僕知らなかったんですけど、人の家に招かれて、お茶が出てきて2杯目を勧められたときは、「もう帰れ」っていう意味らしいですね。2杯目を勧められたときに「いや、おいとまします。」と言わないと空気を読まない人らしくて。そんなわかりづらい“帰れ”なんてありえなくないですか、京都のみなさん。もし住むことがあったら“帰れ”というときは顔を見てはっきり言ってください。すぐ帰ります。
野村訓市
1973年東京生まれ。幼稚園から高校まで学習院、大学は慶応大学総合政策学部進学。
世界のフェスティバルを追ってのアメリカ、アジア、ヨーロッパへの旅をしたトラベラーズ時代を経て、99年に辻堂海岸に海の家「SPUTNIK」をプロデュース。世界86人の生き方をたったひとりで取材した「sputnik:whole life catalogue 」は伝説のインタビュー集となっている。
同名で「IDEE」よりインテリア家具や雑誌なども制作。現在は「TRIPSTER」の名で幅広くプロデュース業をする傍ら、ブルータス等の雑誌などで執筆業も行う。