ON AIR DATE
2016.02.07
BACKNUMBER
  • J-WAVE
    EVERY SUNDAY 20:00-20:54

Let's travel! Grab Your Music.

TUDOR logo

Rest in Peace! David Bowie & Gren Frey

★★★★★
2016年の年明け早々、
惜しくもこの世を去ったミュージック・シーンのレジェンド、
デヴィッド・ボウイとグレン・フライ・・・。
二人に対する熱い思いを野村訓市が語り、彼らの曲をセレクトします。



★★★★★
番組では皆さんの「旅」と「音楽」に関する
エピソードや思い出のメッセージをお待ちしています。
旅に紐付いた「リクエスト曲」をオンエアさせていただいた方には
図書カード1,000円分をプレゼントします!

3曲セットの「ミュージック・ストリーム」セレクションでもOK!
番組サイトの「Message」から送信してください。
手書きのハガキ、手紙も大歓迎! ←番組での採用率高し?!

訓市からのリクエストは「BPM120」以下。
日曜日の夜に聴きたい「ゆったりした曲」がベターです。
なお、「カバー・ヴァージョン」や「別ヴァージョン」も大好きな訓市・・・
時には皆さんからのリクエスト曲から引き出したおススメのヴァージョンに
変更の際はご容赦くださいネ!


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宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
antenna* TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛

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2016.02.07

MUSIC STREAM

旅の記憶からあふれだす音楽。
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
1

Shape Of My Heart / Sting

1993年にリリースされた5枚目のソロ・アルバム『Ten Summoner’s Tales』に収録されている曲。ジャン・レノ主演の映画『レオン』のエンディングでも使われています。

2

Quicksand / David Bowie

1971年にリリースされた4枚目のアルバム『Hunky Dory』から。

3

Five Years / David Bowie

デヴィッド・ボウイの代表作と呼ばれることが多い1972年リリースのアルバム『Ziggy Stardust』のオープニング・トラック。

4

Lady Stardust / David Bowie

アルバム『Ziggy Stardust』収録曲。

5

長い坂の絵のフレーム / 井上陽水

1998年リリースのアルバム『九段(くだん)』から小島良喜のアコースティック・ピアノをフィーチャーした名曲!

6

Wasted Time / Eagles

イーグルスの5枚目のアルバムにして、音楽史に燦然と輝く名盤『Hotel California』に収録されている名バラード曲です。

7

Tequila Sunrise / Eagles

1973年にリリースされたセカンド・アルバム『Desperado(邦題:ならず者)』に収録されている曲で、当時、シングル・カットされました。

8

Desperado / Eagles

グレン・フライとドン・ヘンリーの名コンビによる名曲。リンダ・ロンシュタット、カーペンターズなどのカバー・ヴァージョンも有名です。

2016.02.07

ON AIR NOTES

野村訓市は、どこで誰に会い、
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。

Kunichi was talking...


★★★★★★★
正月明けてすぐに、David Bowieが亡くなったというニュースが世界中を駆け巡りました。亡くなった日のTwitterとかInstagramとかもうBowieの写真だらけで、本当に人気があったんだなぁと思いましたが、僕個人としては追悼の文も写真もあげる気もなければ、曲も1ヶ月くらい聴く気も起きませんでした。というのも、思った以上にショックを受けたというか、とても寂しく思ってしまって、会ったこともないアーティストが亡くなったというのを聞いて、なんでこんなに寂しく思うのかというのがいまいち意味がわからなかったんです。そのうち、自分が今まで生きてた中で趣味が変わったり、やることが変わったりしましたが、そういう人生のフェーズというか、特に常にBowieの曲を聴いていたからなんだなということに気づきました。例えば、音楽でいうとパンクが好きで、10代の一時期、パンクのバンドばっかり聞いてたけどあとで聴かなくなるバンドというのはたくさんいると思いますが、Bowieの音楽というのはいろんなものがあるので。彼自身の音楽もそうですし、格好も変わって、そういうBowieのスタイルというのが生きている間じゅう、何かしら聴くものがあったりして。昔を思い出すと、あの時にこういうBowieを聞いていたなとか、そういう場面場面を思い出すというか。それで亡くなったというニュースを聞いて、すごくショックを受けた、ということなのかなと思うんですけど。僕がBowieを最初に知ったのは多分、80年代の「Let’s Dance」という曲で、ちょうど洋楽ブームで自分がまだ小学生の時ですね。スーツを着て、金髪のリーゼントで「Let’s Dance」を歌う姿を見て、「さすがアメリカ人。かっこいいなぁ。」って。まぁイギリス人なんですが。それで知ってその後、実はBowieがイギリス人でいろんなジャンルというか、音楽を作っている人だというのを知りました。特にバックパッカーの頃はBowie好きという人がヨーロッパにはたくさんいまして、いろんなところでBowieの初期の曲を聞かされました。『Hunky Dory』がいいだろう」とか『Space Oddity』は最高だ!とか。インドのビーチとかバリとかいろんなところでBowieを聴きましたし、アコギでBowieばっかり弾く人もいて、合唱したこともたくさんあります。今回、亡くなった時にもう10年くらい会ってない昔の友達からメールをもらいました。彼は今フランスの田舎に住んでいるんですけど、むかし僕らは同じ家に住んでまして、「訓市、昔あの家の縁側でBowieの話をしたのを覚えてるかい?僕は今回このニュースを聞いてそれを思い出して、手紙を書きたいと思って書いているんだよ。」って。彼はアートをずっとやっていて、全く売れなくて。やっとこの10年コツコツやってて評価されるようになって、初めて今度パリかどこかで個展をやらないかという話がきた時に、その10年作ったアートのデータを入れてたPCがとんでしまって、バックアップを取ってなかったんですって。それが去年の年末で。完全に落ち込んで、正月になってなんとかやり直そうと思ったら、今度はBowieが死んだって聞いてまた落ち込んだらしいんです。落ち込んでたんですけれども、その新しいアルバムを聴いてその背景を聞いたらすごく勇気付けられたと。要は、自分がガンになって死ぬっていう時に遺言じゃないですけど、全く新しいアルバムを作ったという、その姿勢にすごく救われたって書いてありました。「データ10年分がなんだ。これから俺はいくらでもまだ時間があると考えれば、もっと素晴らしい作品がBowieのように作れるんじゃないか。」って。小さい話なのかもしれませんが、そこまで落ちてた友達がやる気を出すっていうか、赤の他人ともいえるアーティストが、音楽を作って背中を押してくれるというのは素晴らしいことですし、それと同時にBowieが死んだというのが本当に信じられないです。またそのフランスの友達とかと一緒に、インドの海辺とかで『Hunky Dory』が聴きたいなって思います。


★★★★★★★
これまたニュースを見てびっくりしてしまったんですけど、The Eaglesというバンドのリーダーですけども、Glenn Freyも亡くなってしまいました。David Bowieと比べて縁の下の力持ち的な人だったので、そこまでニュースになったのかなってないのかわからないんですけど。やっぱりイーグルスというとDon Henleyを思い浮かべると思いますが、これまたすごいショックで。僕がイーグルスを一番最初に聞いたのは多分、親が聞いていた「Hotel California」なんですけども、小さい時はあの歌が大嫌いで。辛気臭いしなんだか演歌のように聞こえて、あのツインギターがかかるとラジオだったら局を変えてくれというか、それくらい嫌いでした。しかも長いじゃないですか。終わったと思ったら延々とあのユニゾンギターが鳴ってて、すごい嫌だなって思ってたんですけど。アメリカに住んだりするうちにやっぱり好きになってしまいましたね。イーグルスってクラシックロックのラジオ局では定番の定番のど定番でして、明るいカルフォルニアバンドだって勝手に思ってたんですけど、実は70年代の気だるいアメリカの感じというか、とても大人な感じの雰囲気のバンドですよね。歌詞もそうですが、あれを聴いてると、ずっと酔っ払って酒が抜けきらない二日酔いの気分というか、ロサンゼルスの霞がかった、青空だけど抜けがいいんだか悪いんだかわからないみたいな、ああいう風景とラジオから流れるイーグルスというのがもう本当に切っても切れないセットみたいなもので。晴れた午後の車のラジオから流れるイーグルス。それから夜の街角で信号で止まった時に流れてるイーグルス。とにかくカルフォルニアのクラシックロック局でかかるイーグルスっていうのを聴いて「ああ、俺は今アメリカにいるんだな。」って何度思ったことか。歌詞も良くて、けっこう物語仕立てなんですよ、イーグルスって。それと風景がシンクロしてきまして、歌詞で語られる物語が、まるでその中に自分がいるような気になるのがイーグルスの醍醐味でしたね。しかも能天気で派手で明るいカルフォルニアっていうイメージが、実はこのイーグルスの曲を聞いているとカントリー調でカラッとしてそうで、実は湿っているというか、影があるというのを感じました。カリフォルニアだけじゃなくてテキサスでもよくかかってました。学校帰りにお父さんの古いトラックのボロボロのラジオで、何を聞いてももう50年代の音楽にしか聞こえないようなスピーカーでしたけど、そこでかかるイーグルスの曲というのが本当に好きでした。Glenn FreyとDon Henleyというのは実は素晴らしいコンビで、人によってはアメリカが生んだジョン・レノンとポール・マッカートニーじゃないけど、それくらい名コンビだと言う人もいますよね。そんなグレンが死んでしまって、もうライブにも行けないかと思うと本当に残念というか。永遠に再結成を繰り返しながら集金ツアーをするんだって信じてましたが、これで途絶えてしまったというか。David BowieとGlenn Frey。自分が死ぬまでずっと現役だと思っていた2人ですけど、こうやって亡くなってみると、いかに好きで、昔の記憶とか、自分が覚えている風景とその音楽がこんなにもくっついているということに初めて気づきまして、本当に残念なんですけども。今までのお礼というか、またちょっと今年中に旅に出て、車でその2人の音楽を聴きながら追悼したいなって思っています。