Find new people, new words through Travelling.
Theme is... VOYAGE
『Travelling Without Moving』=「動かない旅」をキーワードに、
旅の話と、旅の記憶からあふれだす音楽をお届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。
★★★★★
番組前半はリスナーの皆さんからお寄せ頂いた旅のエピソードと、
その旅に紐付いた曲をオンエア!
後半のテーマは「船旅」。
タイの離島で体験したエピソード、今でも後悔している出来事など
「船の旅」について訓市が語ります。
★★★★★
番組では皆さんの「旅」と「音楽」に関する
エピソードや思い出のメッセージをお待ちしています。
旅に紐付いた「リクエスト曲」をオンエアさせていただいた方には
図書カード1,000円分をプレゼントします!
3曲セットの「ミュージック・ストリーム」セレクションでもOK!
番組サイトの「Message」から送信してください。
手書きのハガキ、手紙も大歓迎! ←番組での採用率高し?!
訓市からのリクエストは「BPM120」以下。
日曜日の夜に聴きたい「ゆったりした曲」がベターです。
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宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
antenna* TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛
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MUSIC STREAM
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
Ho Hey / The Lumineers
米コロラド州デンバー出身の5人組フォーク・ロック・バンド、ザ・ルミニアーズが2012年にリリースしたデビュー・アルバムに収録されている曲です。
Teardrop / Jose Gonzalez
スウェーデン出身の男性フォーク系シンガー・ソングライター、ホセ・ゴンザレス。2007年リリースのセカンド・アルバム『In Our Nature』に収録されているこの曲は、「トリップ・ホップ」と呼ばれるジャンルで人気を博したUKのユニット、マッシブ・アタックのカバー・ヴァージョンです。
And I Love Her / The Beatles
クレジットはレノン=マッカートニーながら、ポールがメインで書かれたと言われている曲。1964年のアルバム『ビートルズがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!』に収録されています。
All I Ever Wanted / Lenny Kravitz
1991年にリリースされたセカンド・アルバム『Mama Said』に収録されているこの曲は、ジョン・レノンの息子ショーンがピアノで参加し、作曲者としてもクレジットされています。
Maybe Tomorrow / レベッカ
女性ヴォーカリストのNokkoがフロントに立ったバンド、レベッカの4枚目のアルバム『Rebecca ?〜Maybe Tomorrow〜』に収録されている代表曲。なお、昨年、再結成ライヴを行いました。
God Only Knows / Beach Boys
ブライアン・ウィルソン在籍時の最高傑作と呼ばれ、ミュージック・シーンに大きな影響を与えたアルバム『Pet Sounds』収録曲でリリースは1966年。本作リリースから50周年に当たる今年、来日公演も予定されています。
The Wind / Cat Stevens
英ロンドン出身のシンガー・ソングライター、キャット・スティーヴンスの楽曲。訓市が映画監督のウェス・アンダーソンと「船旅」の話をしていた時、「旅に1曲だけ持って行くとしたら何を選ぶ?」と聞いたところ、答えはこの曲だったということです。
Sailing / Christopher Cross
1979年にリリースされたデビュー・アルバム『Christopher Cross(邦題:南から来た男)』が全世界で大ヒットを記録した米テキサス州出身の男性シンガー・ソングライター、クリストファー・クロス。当時、この曲はグラミー賞で5部門獲得!
Jesse / Roberta Flack
1960年代末にデビューし、ミュージック・シーンの第一線で活躍している黒人女性ヴォーカリスト、ロバータ・フラック。この曲は1973年リリースの代表作『Killing Me Softly』に収録されています。
ON AIR NOTES
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。
Kunichi was talking...
★★★★★★★
船はたくさん乗りました。豪華客船でクルージング、なんて話ができたらいいんですけど1回もないですね。大体がオンボロ船。もしくは漁船に乗せてもらったり、大きくてもフェリーです。僕はすごく船旅が好きで、何がいいかって、目的地に行く距離と時間が比例していて、遠いところに行くときはすごく時間がかかりますが、その間にワクワクできるのが好きでした。若い頃はタイの島によく行きましたが、本土からフェリーを乗り継いで島を渡っていく、その時の光景が好きで。当時はヨーロッパのバックパッカーが多かったんですけども、みんなもう目がキラキラして。これから自分は島に行ってバケーションなんだっていう高揚感のある顔と、風でなびく髪の毛とかその景色っていうのがものすごく旅の醍醐味を凝縮していたような気がします。船には必ず色あせたタイの国旗がはためいているんですけど、あれを眺めていると、タイに来たなっていう気がしていました。
そうやって島を渡ってよく友達と待ち合わせてたんですけど、昔はメールもないですから、「2月くらいにあの島に行くよ」とか言って待ち合わせてたんですけど、1回面白いことがありました。島で待ち合わせてビーチに着いたら、友達がビーチの反対側から「訓市!訓市!!」って、すごい声を上げながら走ってくるんですよ。よくもまあ適当な日程でこの便に乗ってたのがわかったなっていうくらい近くにいまして。熱い抱擁なんかをして「おぉ、元気か?」なんてやってたんですけど、「二度と会えないかと思った。本当に会えてよかった。」なんて言うんで、オーバーな奴だなと思ったら、実はこの島に来る船が沈んだんだよって。結構大きい100人乗りの船で1日何本も出るんですが、大波だったらしくて。横波を受けて浸水して、船が傾いてきたらしいんです。どうなるんだろう、と思っていたらそのうち乗客が縁に乗ると、十字を切って海に飛び込み始めたって言うんですね。彼らも意を決して飛び込んでそこから1時間、救援が来るまで海で待ってたと。すごいのは海の中で自分のバックパックを見つけて、溺れるのを覚悟でそれを捨てずに持って帰ってきたというんですよ。なぜかって、バンコクで大枚叩いてウォークマン用のスピーカーを買ったから、それをなくすのが嫌だったって。当然、壊れてて捨てたって言ってましたけど、船旅はたまにそんな怖いこともあります。
★★★★★★★
スペインからモロッコまで行く船の景色も素晴らしかったです。ここから先がアフリカ大陸なんだと思うと、どうしても気分が高まってしまって。空の色はスペインから見たときとたいして変わらないんですけど、それをずっと見てたのを思い出します。いろんな船に乗ってきましたが、イビザ島から1時間ちょっとのところに、フロメンテーラというビーチが本当に綺麗な島がありまして、イビザで遊んで二日酔いがすぎると、みんな船に乗ってフロメンテーラに行ったものです。そこには小さなレストランとかカフェとかがあって、そこで食べてビーチでボケっとチルな音楽を聴いて過ごしたり、本をよんだりして過ごすんですけど、そこに行くまでの船というのがすごく印象深くて。地中海って湿気がない、乾いた海風なんですけども、イビザの辺りというのは本当にかなりの確率で夕日がピンク色に染まるんですよね。そういう空の下、デッキの上で友達と寝転がって水平線の向こうをボケーっと見るんですけど、一生こんなふうに暮らせたらいいなと思いながら1本300円くらいのワインを飲んで。それでもいいから1日でも多くこの島にいたいな、と思いながらポンポンというエンジン音で寝ちゃったりするのがすごく幸せだったなと思い出します。船とか列車でどこかに行くというのはなかなか難しいんですけど、それはやっぱり普段時間に追い立てられている証拠だと思うんですね。仕事を休んで行く旅行というのは無駄な時間が惜しくて、移動の時間というのをとにかく切り詰めようとしますよね。ちょっとお金がかかってもいいから飛行機に乗ろうとか、若い頃というのは時間がない代わりに時間だけたくさんありますから、全てが遠回りでお金がかかるものでしたけど。でも、その時間というのが旅の思い出の中で大事な時間だったんだなと思います。またぜひ長い船旅をしてみたいです。
1回、ウェス・アンダーソンが映画祭のためにヨーロッパに行くという時に一緒にニューヨークにいまして。豪華客船・クイーンメリー号の部屋をもらえたから、一週間かけてイギリスまで行くのに一緒に行こう、と言われまして。ものすごい悩みました。そんなの乗ったこともないし、そこで映画を上映してレクチャーをするっていうんですよ。1週間毎日ワインを飲んで楽しいよって。昔だったらその日からウェスの家に泊まってそのまま船に乗って付いて行ったと思うんですけど。まぁ、いろんなものが頭に浮かびまして。仕事とか、勝手に船に乗ったら間違いなく怒る人たちの姿が浮かぶと、どうしても「うん」とは言えなくて断ってしまいました。今でもすごく後悔してるんですけど。人生は1度きりなのにって。答えを探すんですが、未だにその答えは見つかりません。
野村訓市
1973年東京生まれ。幼稚園から高校まで学習院、大学は慶応大学総合政策学部進学。
世界のフェスティバルを追ってのアメリカ、アジア、ヨーロッパへの旅をしたトラベラーズ時代を経て、99年に辻堂海岸に海の家「SPUTNIK」をプロデュース。世界86人の生き方をたったひとりで取材した「sputnik:whole life catalogue 」は伝説のインタビュー集となっている。
同名で「IDEE」よりインテリア家具や雑誌なども制作。現在は「TRIPSTER」の名で幅広くプロデュース業をする傍ら、ブルータス等の雑誌などで執筆業も行う。