Let's Travel! Grab Your Music!
Theme is... How to Spend in NEW YORK
『Travelling Without Moving』=「動かない旅」をキーワードに、
旅の話と、旅の記憶からあふれだす音楽をお届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。
★★★★★
番組前半はリスナーの皆さんからお寄せ頂いた旅のエピソードと、
その旅に紐付いた曲をオンエア!
そして、後半のテーマは「ニューヨークでの過ごし方」。
高層ビルに囲まれた大都会の景色から感じる旅情、
街のあちこちに点在する公園、名所、旧跡・・・
観光とはひと味違ったニューヨークの愉しみ方。
さらに、少し足を伸ばして自然に触れたい方への提案など、
訓市がニューヨークの魅力について語ります。
★★★★★
番組では皆さんの「旅」と「音楽」に関する
エピソードや思い出のメッセージをお待ちしています。
旅に紐付いた「リクエスト曲」をオンエアさせていただいた方には
図書カード1,000円分をプレゼントします!
3曲セットの「ミュージック・ストリーム」セレクションでもOK!
番組サイトの「Message」から送信してください。
手書きのハガキ、手紙も大歓迎!
訓市からのリクエストは「BPM120」以下。
日曜日の夜に聴きたい「ゆったりした曲」をゼヒお願いします。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
antenna* TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
MUSIC STREAM
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
Whatever / Oasis
UKのロック・バンド、オアシスが記念すべきデビュー・アルバム『OASIS』とセカンド・アルバム『Morning Glory』の間にあたる1994年にシングル盤でリリースした曲で、ストリングスもフィーチャーされています。
You'd Be So Nice To Come Home To / Helen Merrill
ニューヨーク出身の白人女性ジャズ・ヴォーカリスト、ヘレン・メリルが天才トランペット・プレーヤーと共に録音したアルバムに収録されているジャズの歴史的名パフォーマンスです。
Across The Universe / Rufus Wainwright
アメリカ人シンガー・ソングライター、ルーファス・ウェインライトによるビートルズのカバー・ヴァージョンで、映画『I Am Sam』のサウンド・トラック・アルバムに収録されています。
Don't Know Why / Jesse Harris & The Ferdinandos
ニューヨーク出身のシンガー・ソングライター、ジェシー・ハリスがノラ・ジョーンズに提供してビッグ・ヒットを記録した曲のオリジナル・ヴァージョンです。
春にして君を想う / 小沢健二
1998年にシングル盤でリリースされた曲で、アルバム未収録の貴重なトラックです。
My Ever Changing Mood / Style Council
イギリス人アーティストのポール・ウェラーとミック・タルボットを中心としたバンドで、女性ヴォーカリストのD.C.リーが加わるスタイル・カウンシル。この曲は1984年にリリースされたデビュー・アルバム『Café Bleu』に収録されています。
Nothing's Gonna Hurt You Baby / Cigarettes After Sex
ニューヨークのブルックリンをベースにした4人組アンビエント・ポップ・バンド、Cigarettes After Sex。この曲は2012年リリースのアルバム『I’m A Firefighter』に収録されています。
Coney Island Baby / Lou Reed
ルー・リードが1976年にリリースした6枚目となるソロ・アルバムのタイトル・トラック。コニー・アイランドはニューヨーク、ブルックリンの南端にある観光地。
The Kiss / Judee Sill
アメリカの女性シンガー・ソングライター、ジュディ・シル。1970年代に短期間のみの活動で、生前に残したアルバムはわずか2枚という伝説のアーティストです。
ON AIR NOTES
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。
Kunichi was talking…
★★★★★★★
ニューヨークでの過ごし方。街で無理して何かをしようとせずに、景色を楽しむというのはどうでしょうか。僕はニューヨークの街の風景がとても好きです。あのビルだらけの風景というのもすごく趣があって、季節によってもだいぶ印象が変わります。夏は生臭くてもう匂いがとんでもない、チャイナタウンのゴミゴミした、しかしとっても活気のある風景が好きです。英語と漢字がごちゃまぜになったサインを見ていると、僕は全く飽きないですね。グリニッジ・ビレッジの少し古いビクトリア調の住宅街を歩くのもすごく好きです。東側よりも木が多くて、家の前には必ず階段があって、そこに座って本を読んだり電話をしたり、友達としゃべったりする人たちをよく見かけます。そういう風景を見ていると、なんかいいなぁって思いますし、赤煉瓦の倉庫街を歩くのもすごく気持ちがいいですね。イーストビレッジのほうに行きますとトンプキンス・パークという公園がありまして、公園といっても無機質な感じなんですけども。そこには若いスケーターや本当のプロなんかもいて、1日中その姿を見ていても飽きることはないです。自然が豊かな場所にいるときというのは、みなさん何もせずにただ景色をみて、「他に何もいらない」とよく言いますよね。街もそういう風景というか景色だと思えば、何も無理に流行りの店に行こうとか、ミュージカルを見ようとかしなくても楽しいときを過ごせるんじゃないでしょうか?そして、先日お墓の話をしましたけど、お墓というわけではないですが、ニューヨークにはいろんな人の史跡があります。自分が好きな年代の人たちの住んでたところとか、遊んでた場所なんていうのに合わせた地図やガイド本なんていうのも売ってまして。それを眺めながら今のニューヨークを歩くなんていうのも、いかにあの街が変わってしまったかっていうのを実感するとともに、まだまだいろんなものが残っていまして。例えば、ボブ・ディランが演奏していたお店だとか、マーク・トウェインが泊まっていたホテルとか。そして僕なんかはジミ・ヘンドリクスというギタリストが好きなんですけども、彼が作ったスタジオなんていうのは今もあってバリバリやっています。ノベルティも可愛くて行ったときはとても感動しました。そして、ニューヨークといえばガーシュインとかですけども、彼らが溜まった通りなんていうのも、もうまったく面影がなくて「あぁ、昔なんだな。」と思ったり。去年は友達が「古い良いアパートをイーストビレッジに見つけたから遊びに来いよ」って言うので行ったら建物にプレートが付いていまして、チャーリー・パーカーの家でした。すごい興奮しまして。友達の部屋はチャーリーが住んでた部屋の一つ上なんですけども、大家さんがずっと昔のまま残しているみたいで。階段のところに座って、もしかしたらチャーリー・パーカーもここでサックスを吹いたのかな?と思うと興奮せずにはいられませんでした。あとは、僕の親友がいるんですけども、彼の元カノのお父さんというのは、もう亡くなってしまったんですけど、マンハッタンに4・50年住んでた人で、すっと同じ部屋に住んでいたんです。トライベッカの古いビルで、その地下室があったんですけども、デビュー前からデビューするまでのデボラ・ハリー。あの人たちが住んでスタジオにしていた部屋で、それも見せてもらったことがあります。ここでデボラ・ハリーかと思うと、その家に行くのがあまり好きじゃなかったんですが、それを知ったあとはいつも友達に「あのお父さんの家に行こうよ」って言って、よく見ました。そんな発見があるのもニューヨークという街ならではのことなんじゃないかなと思います。
★★★★★★★
やっぱり街にいるのが嫌だというのであれば、実はニューヨークの周りには自然がたくさんあります。そしてそこに行くのはそんなに大変なことではありません。コニーアイランドなんていうのは30〜40分で着くんじゃないでしょうか?ここは古い遊園地もあるなんともいえない空の感じと、寂れた感というんですかね。何をするわけじゃなくても初夏から秋にかけて天気のいい日に行ってみたらとてもリラックスした気分を味わえるんじゃないかと思います。そして海が好きだという人は、だいたいいまはハンプトンやモントークですね。すっかり人気になって夏が近づくともう道は大渋滞で。マンハッタンは金曜日の昼を過ぎるとものすごい車が混み始めるんですけども、それは一刻も早くハンプトンやモントークに行きたいという人たちでトンネルが動かなくなったりします。距離でいえば東京から湘南くらいだと思うんですけど、もう街暮らしが嫌だといって、モントークのほうに引っ越す若いアーティストもいます。あっちでモノを作って、用があるときだけマンハッタンに来る。ちなみにその間にはロングアイランドなんていうのもあって、とんでもない金持ちたちの大邸宅なんていうのがあって。ニューヨークのビバリーヒルズみたいなものですかね。門から家が見えないようなおうちがたくさんあって、ほぼグレート・ギャツビーの世界なんですけども。緑が本当にあふれていて、これがマンハッタンから1時間もしないうちにみられる景色なのかとびっくりします。僕は夏に友達のバイクに一緒に乗っけてもらって何度かツーリングで行ったんですけども、道の両脇に高い立派な木が立ってまして、それが緑のトンネルを作ってその木漏れ日の下から覗く大邸宅というのは、アメリカというよりはイギリスという感じで。アメリカ東部の州というのは独立13州かな。ニューイングランドと言われますが、その名残がニューヨークでも見られて、なんでニューイングランドっていうのかきっと理解できると思います。サーフィンブームや流行みたいな形になって、やたらとモントークやハンプトンが混んでしまったので、それが嫌だという人はニューヨークの北部、通称・アップステイトを目指します。この2年くらいはアップステイトに家を買ったり、夏の間いるなんていう知り合いもずいぶん増えました。こちらはもう完全に森というか山で、自然が豊かです。日本人でも知っている有名な場所はウッドストックという地名があります。ちなみにフェスティバルがあったウッドストックは、この街が断ったので隣の村でやっています。このウッドストックという街は昔から絵描きさんや詩人なんかも住んでいて、アートムーブメントが盛んな小さな避暑地です。有名なところですとバイクの事故の後リハビリをしていたボブ・ディランがここに住んでザ・バンドの連中と音楽をずっと作っていたり、本当に素晴らしいところです。ニューヨークの魅力というのはもちろんあのビル、そして都会の喧騒というやつでして、僕もそれが好きなので否定できないんですけども。何が好きって朝まで呑んだくれて、千鳥足で景色を眺めながらホテルや友達の家に転がり込むのをこよなく愛する僕にとって、ニューヨーク=マンハッタンなんですが。それでもいろんな過ごし方ができるのは事実で、長くいた頃はやっぱり疲れてちょっと郊外に行って緑豊かなところでのんびりしたりしました。
野村訓市
1973年東京生まれ。幼稚園から高校まで学習院、大学は慶応大学総合政策学部進学。
世界のフェスティバルを追ってのアメリカ、アジア、ヨーロッパへの旅をしたトラベラーズ時代を経て、99年に辻堂海岸に海の家「SPUTNIK」をプロデュース。世界86人の生き方をたったひとりで取材した「sputnik:whole life catalogue 」は伝説のインタビュー集となっている。
同名で「IDEE」よりインテリア家具や雑誌なども制作。現在は「TRIPSTER」の名で幅広くプロデュース業をする傍ら、ブルータス等の雑誌などで執筆業も行う。