ON AIR DATE
2016.03.27
BACKNUMBER
  • J-WAVE
    EVERY SUNDAY 20:00-20:54

Find new people, new words through TRAVELLING.

TUDOR logo

Theme is... FLOWERS


『Travelling Without Moving』=「動かない旅」をキーワードに、
旅の話と、旅の記憶からあふれだす音楽をお届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。

★★★★★
番組前半はリスナーの皆さんからお寄せ頂いた旅のエピソードと、
その旅に紐付いた曲をオンエア!
そして、後半のテーマは桜の季節到来!ということで「花」。
日本の桜をこよなく愛する訓市が世界各地で眺めた花・・・
そして、未だ足を運んでいない憧れの地について語ります。


★★★★★
番組では皆さんの「旅」と「音楽」に関する
エピソードや思い出のメッセージをお待ちしています。
旅に紐付いた「リクエスト曲」をオンエアさせていただいた方には
図書カード1,000円分をプレゼントします!

3曲セットの「ミュージック・ストリーム」セレクションでもOK!
番組サイトの「Message」から送信してください。
手書きのハガキ、手紙も大歓迎!

訓市からのリクエストは「BPM120」以下。
日曜日の夜に聴きたい「ゆったりした曲」をゼヒお願いします。


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宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
antenna* TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛

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2016.03.27

MUSIC STREAM

旅の記憶からあふれだす音楽。
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
1

Sisters (Boards Of Canada Remix) / Odd Nosdam

2

Nowhere Man / The Beatles

3

The Name Of The Game / ABBA

4

If You Don't Know Me By Now / Simply Red

5

ラスト・ダンス / 浜田省吾

6

Flowers In Your Hair / The Lumineers

7

The Rose / Bette Midler

8

Hallelujah / Jeff Buckley

9

さよなら銀河鉄道999 〜SAYONARA〜 / Mary MacGregor

2016.03.27

ON AIR NOTES

野村訓市は、どこで誰に会い、
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。

Kunichi was talking…


★★★★★★★
「旅先の花」ということですが、僕はやっぱり桜。今の季節が一番好きです。もし家族がいなかったら、明日どこかに行ってそこに住め、と言われても全く平気というか、カバンひとつで行けちゃうんですが。そんな僕でも、もし帰れるのであれば桜の季節は生まれ故郷の東京で夜桜の下を散歩してお酒を飲みたいなと必ず思います。自分が旅に出ていてどんな楽しい場所にいても、いま桜が満開だろうなと、それを逃してしまうのかと思うと、いてもたってもいられなくなります。花見をするというのは多分、日本人だけが持つ、DNAに刻み込まれたものなのでしょうか。何かの本で読んだことがありますが、花見とか桜の散り際を、武士道というか生き様と照らし合わせるようになったのは、戦争より前の話のようです。軍国主義で、桜のように散れ、というのが広まったという話らしいんですけど。本当にそうだとしても、散り際を楽しめるというのはやっぱり日本人が昔から持っていたものなのではないでしょうか。
小さい頃はそんな意識的に考えたことはなかったんですが、吉祥寺に住んでいたときはBMXという自転車に乗って井の頭公園を走り回っていました。その時たまたま見た、水面の上に伸びる桜の枝から花が散る様を見て、子供心に「なんて綺麗なんだろう」と見惚れたのを覚えています。やっぱり自分は日本人なんだなぁと思ったのはロンドンに住んでいた時に、リージェンツ・パークで桜を見かけた時でした。リージェンツ・パークというのは英国式の庭園で本当に綺麗なんです。ゴルフ場の様に刈り込まれた芝生とカシの木なのかな。大木が並んでいまして、その中に小さな木で咲く桜を見て、「あぁ、東京に帰って桜を見たいな、みんなに会いたいな。」と急に思いました。郷愁というものを感じたことがありませんでしたが、異国の地で散りゆく桜を見るとなんとも言えない情緒があるというか、郷愁の念というものにかられました。桜の木というのは日本人が友好の印として送ったのか、それとも日本を訪れた外国人の方が気に入って移植したのか、世界各地に結構生えています。アメリカの東海岸ではワシントンD.C.とかボストンが桜で有名ですけど、いたるところに桜がありますし、ヨーロッパとかにもあったのかな。もし桜の季節に日本にいなくて、花見ができないと嘆く人も、自分がいる場所を調べてみれば案外、自分だけの花見ができるかもしれません。ちなみに僕は桜の散り際を理解する人は皆、日本人だと思っています。


★★★★★★★
僕は桜じゃなくても、花が咲き誇る場所というのはとても美しくて見惚れてしまうので好きです。
オランダでチューリップ畑の横を通ったことがあります。ポストカードのような本当にベタな景色だったんですが見惚れてしまいました。チューリップという花を意識したのは多分、幼稚園でチューリップの歌を歌った以来で、綺麗だとも素敵な花だとも思ったことがなかったんですけども、花が一斉に咲き乱れる様というのは本当に問答無用の迫力があります。あと、たぶんアメリカのカリフォルニアを縦断していた時だと思うんですが、見渡す限り菜の花畑というのを見たことがあります。菜の花といってもちょっと種類が違って、植物油を取るキャノーラという名前の花なのかもしれませんが。本当に綺麗で辺り一面真っ黄色に染まって、それがカリフォルニアの青い空とものすごい対比をするんですね。そういうのを見て思ったのは、やっぱり花というのは切ったり摘み取ったりするものじゃなくて、生きている場所で眺めるだけがいいんじゃないかなということです。移動中の電車や車の中から突然出くわす花畑。それをガラス越しに見るのが僕は好きなのかもしれません。
いろんな花を見たんですけども、花といえばいつか行ってみたいところがあります。それはパキスタンのフンザという場所にありまして。ネットで調べればすっかり有名になっているのですぐ見つかると思うんですけど、ジブリがそう言ったわけではないようですが、噂で『風の谷のナウシカ』に出てくる風に谷のモデルと言われている谷です。パミール公園という公園の端に高い山脈があるんですけども、そこに囲まれた辺境の谷で、それはそれは美しく、特にあんずの花が咲き乱れる春というのは、桃源郷という言葉がありますけども、そのモデルなんじゃないかと言われるほど美しいらしいです。僕はそのフンザの話をインドにいる頃に聞いて、パキスタンとの国境を越えられない頃だったので断念したんですが。今となっては何かと物騒な地域の近くになってしまって、なかなか行き辛いですが、いつかすべての諍いがおさまったら彼の地に赴いて旅をしてみたいと思います。いろんな花がありますが、とにかく今は桜の季節。ちょうど新しい出会いと別れがある季節でもあります。1年に1度しかないこの季節をみなさんぜひ、心ゆくまでお酒とともに味わってください。