ON AIR DATE
2019.03.31
BACKNUMBER
  • J-WAVE
    EVERY SUNDAY 20:00-20:54

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訓市が antenna* からセレクトした記事は・・・

Vans 史上最高の履き心地を実現した最新テクノロジー ComfyCush で Era をアップデート

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TUDOR logo

Theme is... Vans

『Travelling Without Moving』=「動かない旅」をキーワードに、
旅の話と、旅の記憶からあふれだす音楽をお届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。


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--- 訓市が旅の定番として履きつぶし続けてきた愛用シューズ ---

番組前半はリスナーの皆さんから手紙、ハガキ、メールで寄せられた
旅のエピソードを紹介しながら、
その旅にまつわる思い出の曲をお送りします。
訓市による“メッセージ返し”もお楽しみに!

後半のテーマは「ヴァンズ」。
かつて、BMXやスケートボードに夢中になっていた訓市が憧れた
Vansのシューズを初めて入手した時の喜びとは?
それ以来、現在に至るまで愛用し続けて共に旅をしたVans・・・
ところがここ数年、大問題が勃発!
それを解決してくれそうなスグレモノについて語ります。


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番組では皆さんの「旅」と「音楽」に関する
エピソードや思い出のメッセージをお待ちしています。
「旅」に関する質問、「旅先で聴きたい曲」のリクエストでもOK!

手紙、ハガキ、メールで番組宛てにお願いします。
メールの方は番組サイトの「Message」から送信してください。

リクエスト曲がオンエアされた方には番組オリジナル図書カード、
1000円分をプレゼントします。
皆さんからのメッセージ&リクエスト・・・ お待ちしてます!


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宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
antenna* TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛

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2019.03.31

MUSIC STREAM

旅の記憶からあふれだす音楽。
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
1

Absolute Beginners / David Bowie

2

Smoke / Ben Folds Five

3

Didn't Know What I Was In For / Better Oblivion Community Center

4

Unmade / Thom Yorke

5

頼りない天使 / Fishmans

6

Los Angels / The Midnight

7

Feel Like Makin' Love / Roberta Flack

8

Everybody Wants To Rule The World / Weezer

9

Lilac Wine / Jeff Buckley

2019.03.31

ON AIR NOTES

野村訓市は、どこで誰に会い、
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。

Kunichi was talking …


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先週の番組で話したブルックリンに行ったっていうことなんですけども、その理由っていうのがヴァンズの新しい靴の発表会があり、それに呼ばれたからです。皆さんにとってヴァンズっていうと、今となっては特殊な靴でも何でもなくてかなり身近なスニーカーの一つになって日本中どこに行っても割と安い値段で買えるので、スニーカー好きなら一足くらい持ってますっていう人も多いんじゃないかと思います。ところが、僕がヴァンズを知ったのは大体80年代半ばちょっと前くらいかな。丁度BMX、今度オリンピックの競技にもなりますけども、自転車が日本で最初に話題になった頃で洋雑誌などを舐めるように見てるうちに知ったものでした。BMX専門店とかでは売ってたんですけども、まあ本当に高くて市松模様、英語ですとチェッカー柄のスリッポン、紐を結ばない学校の内履きみたいなものが確か10,000円以上で売っていました。アメリカっぽくてかっこいいけれど割と普通なスニーカーがなんでそんなに高いんだと一人で怒っていましたけども、当時は1ドルがまだ240円とかでしたから今売ってる物の大体倍くらいの値段に普通になっていたんですね。あれさえ履ければウィリーも何も上手くなるのに、買えないから練習しても上達しないんだと全てをヴァンズのスニーカーを手に入れないことのせいにしていました。最初に手に入れたのは当時住んでいた吉祥寺の靴屋でなぜか特売のワゴンにヴァンズがたたき売りされていたことがありまして。「今だ」と思ってなけなしの貯金で買ったのが最初のヴァンズです。嬉しくて嬉しくてそれを履いて、その頃には趣味がスケートボードになっていたんですけどもオーリーというジャンプする技の練習をしたら速攻で横に生地が破れて穴が空きまして。勿体無くてそこにずっとガムテープをぐるぐる巻きに巻いて履いていたんですけども、かっこつけるために履いたのに結果的にすごくモヤモヤとした気分で過ごしていました。中学生の時初めてアメリカに行ったのはロサンゼルスだったんですけど、すぐに行ったのもヴァンズのお店でした。確かハンティントンビーチっていうビーチのところに直営店がありまして、日本で見たこともないような色のヴァンズが日本よりはるかに安く売っていました。見たこともないオレンジとかツートンカラーとかドクロ柄とか。2,000年代になるまでは旅行に行けば日本であまり見かけない物がたくさん見つけれる、そんなことが旅行の大きな楽しみの一つでもあったかと思います。今ではネットでお金さえ積めば何でも手に入ってしまうんですが、あのわざわざ感っていうのを懐かしく思うことがよくあります。当時のヴァンズはまだアメリカ製で靴の先もちょっとつま先が尖った感じで、さらにもう少しぺったんこな感じでして。今の物と比べてだいぶ雰囲気が違うんですけども、まあ当時の物っていうのはとにかく硬くって機能性があるわけでもない、そんなヴァンズを僕は以来ずっと愛してきました。



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ヴァンズというと今でこそ本当にグローバルブランドでどの国でも見かけますし、それはスケーターだけでなくあらゆる人が履いていますが、90年代の半ばくらいまでですかね、ヴァンドーレンさんっていう方とその家族が営むカリフォルニアのローカルブランドで、例えばニューヨークや僕が高校の時に住んでいたテキサスに行っても普通に履いている人などあまり見かけませんでした。アメリカってすごく面白いんですけども、国が大きいので割と地域によってローカルブランドっていうのがあるんですよ。なのでカリフォルニアではもちろんヴァンズを売ってるんですが、似たようなキャンバスのシンプルなスニーカーをニューヨークに行って履こうとするとボストンが本拠地のコンバースをみんな履いていたりですね、ワークウェアも西海岸だとベン・デイビス、東だとディッキーズとかカーハートを着ていたり、ブーツとかももちろん全然違うブランドが人気があったりするんですよ。その地域性というのが色々楽しいポイントで、そうやって調べて服を探すっていうのも楽しいものでした。僕が高校の時に住んでいたテキサスではオシャレで高級デニムといえばラングラーでした。ロデオ大会のスポンサーとかもラングラーで、教会やお葬式も「ラングラーなら大丈夫だ」と僕は牧師さんに言われていました。逆に日本で流行っていたリーバイスを履いてったら「それは作業着だ」ってすごく馬鹿にもされました。そんなことっていうのも現地に行かないと分からなくって、それはそれでなるほどなあと感心したものでしたけど。話をヴァンズに戻しますけれども、きっかけはスケートボードをしていた頃で、そのあとも楽な普通靴として愛用し続けてきました。安いしシンプルな格好には何にでも合いますし、どこに行っても今となっては同じものが確実に売っているので履きつぶしてはまた同じ物を買う、それを延々に繰り返しているのです。特にかさばるスニーカーでもないので旅行にはよく履いたり予備を持っていったりしてまして、このヴァンズを履いて今まで一体どのぐらい歩いたのかと思うと、ちょっと想像もつかないですね。飛行機でいったらもう地球を何周もしてると思います。ただ、そんなヴァンズにも僕的には問題が生じてきました。それは歳をとってきたので、いくら何にでも合う安くて万能な靴とはいえもっと軽い靴が欲しいなあとか、もっとクッション製があって膝に優しいと良いなあ、ハイテク系のスニーカーはちょっと僕の好みじゃない物が多いけど、やっぱり本格的に浮気しようかなあと思うことがどんどん増えてきたわけです。もう歳とると軽くて楽っていう一辺倒ですからね。あんなに愛していたライダースの革ジャンも肩がこるからというだけで多分2年くらい袖を通してないかもしれません。そんなヴァンズにもう少し軽さとクッション製があったら…そう思っていた人たちに朗報です。それが今回ブルックリンで発表された「コンフィークッシュ」ていうモデルなんですけども、これは慣れ親しんだ定番の型、例えば「オーセンティック」とか「エラ」とか「スケートハイ」とか「オールドスクール」などが同じデザインのままソウルがフォームラバーになっていまして、やたらと軽くてクッション製があるんですよ。僕は結構最初にこれを見つけて、せっせせっせと同年代に「こっちに履き替えろ」って言った挙句に40オーバーのヴァンズ好きは全員これになってしまいました。もうコラボモデルとか限定なんかクソ喰らえだと、この軽さに勝るものはないと。普通より多分2000円くらいアメリカでも高いと思うんで日本でも少し高いかもしれませんが、軽さを求めてよく歩いたり、旅に行く時に余計な装飾のないものを履きたいという人には激オススメです。