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訓市が antenna* からセレクトした記事は・・・
長山智美 デザイン狩人|トム・サックスの作品とグッズ
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Theme is... Mr.Tom Sachs
『Travelling Without Moving』=「動かない旅」をキーワードに、
旅の話と、旅の記憶からあふれだす音楽をお届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。
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--- 訓市がリスペクトしてやまない現代アーティスト、トム・サックス ---
番組前半はリスナーの皆さんから手紙、ハガキ、メールで寄せられた
旅のエピソードを紹介しながら、
その旅にまつわる思い出の曲をお送りします。
訓市による“メッセージ返し”もお楽しみに!
後半は番組史上お二人目のゲスト、
現代アーティスト、トム・サックスさんをゲストにお迎えします。
物作りに目覚めた原体験から、
最新のエクシビジョン「ティー・セレモニー」まで…
作品に込めた思いについて伺います。
訓市が世界中で最もリスペクトしているアーティストとして
トムの名前を挙げる理由とは?
トム・サックスさんにとって“旅を連想させる曲”のセレクションもオンエア!
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番組では皆さんの「旅」と「音楽」に関する
エピソードや思い出のメッセージをお待ちしています。
「旅」に関する質問、「旅先で聴きたい曲」のリクエストでもOK!
手紙、ハガキ、メールで番組宛てにお願いします。
メールの方は番組サイトの「Message」から送信してください。
リクエスト曲がオンエアされた方には番組オリジナル図書カード、
1000円分をプレゼントします。
皆さんからのメッセージ&リクエスト・・・ お待ちしてます!
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宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
antenna* TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛
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MUSIC STREAM
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
Sometimes It Snows In April / Meshell N'degeocello
The World Is Yours / Nas
Amarsi Un Po' / Lucio Battisti
Nothing's Gonna Stop Us Now / Starship
Love Trip / 間宮貴子
Clair De Lune L.32 / Martin Jones
Provider / Frank Ocean
Funky Drummer / James Brown
So Much Trouble In The World / Bob Marley & The Wailers
ON AIR NOTES
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。
Kunichi was talking …
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Tom:コンバンハ。彫刻家のトム・サックスです。今ちょうど新しい大展覧会を東京で3つ同時に行うんですけど、その準備で来てます。
Kun:4月20日、ちょうど昨日なんですけど「小山登美夫ギャラリー」と「東京初台オペラシティ」でも『ティーセレモニー』というものすごい大きい展示会があるんですが…「ティーセレモニー」という茶道。それをアメリカ人であるトムがアメリカでもその展示会をやっていて、それを今回やるんですけどもどういうこと?
Tom:茶道にものすごく関心があって、すごくリスペクトもあって、勉強したんだけど覚えるのに何年も何年もかかって、しかもその半分も上手くいかないんじゃないかってなって。だから尊敬はしてるけれども自分のやり方でやることにした。しかもアメリカンスタイルで。
Kun:ビデオもYouTubeに上がってるんで興味がある方は「トムサックス ティーセレモニー」と打ち込むと見られるので見て欲しいんですけども。トムさんというのはいろんなものを今まで作って来ました。例えばNASAの月面着陸船を全部ベニヤ板で作って宇宙服もエアバックの残りとかリサイクルしたり、それからエルメスのバッグをゴムとベニヤ板で作ったり、まあその原点っていうのはなんでもとにかく身の回りにある物を自分で作ってしまうっていうのがトムさんの作風で、そこに熱狂的なファンの人が世界中にいるんですけども、いつから?
Tom:自分が欲しいけど持てなかった物を自分で作ったんだ。10歳の時、父親がNIKONのFM2というカメラが欲しかったんだけど買えなくて、OLYMPUSを買った。OLYMPUS自体すごくいいカメラなんだけど。だから自分でNIKONのFM2を粘土で作ったんだけど、それが自分の将来の作風の原点というか、それを50歳になってもずっとやり続けているんだよ。
30年後、子供の頃から実際にスペースプログラムもエルメスのケリーバッグも自分で作ってしまって、そのものを作るっていうよりかは自分が欲しいなって思う形に自分の手で作ってしまうっていうのが僕の作風なんだ。
Kun:まあそこが僕がすごく惹かれているところで、ニューヨークに行くといつもトムさんのスタジオに遊びに行くんですけど、周りの人にいつも言うのは「自分がもし無職になってどっかで働かなければいけなくなったら、働きたい会社っていうのはトムのスタジオ」で、こんなに面白いスタジオっていうのはこの世にあるのかっていう。子供がそのまま大人になった典型の人なんですけども。
Tom:仕事がなくなったらすぐ来なよ。
Kun:以前、この番組でニューヨークのロックアウェイですっごい綺麗なビーチで美味しいピザを食べたんだけどそこでかかっている音楽がデスメタルだったっていう話をしたと思うんですけど、そこに連れて行ってくれたのがこのトムさんです。
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Kun:ミュージックストリーム、3曲続けてお送りしました。
1曲目がMartin Jonesで「Clair De Lune L.32 」。これはクロード・ドビュッシーの曲で、2曲目がFrank Oceanの「Provider」、3曲目がJames Brownで「Funky Drummer」。これはすべてトムさんに選曲してもらったんですけども、普段もっとめちゃくちゃないろんなものを聴いているんですが、まあ日曜の夜の番組なのでメロウなものをと頼んだんですけども、この3曲を選んだ理由は?
Tom:もちろん君が旅に関係する曲を選んでくれと言うので選んだんだけど、1曲目のドビュッシーの曲っていうのは月についての曲で旅を表している。これはすごくロマンティクな曲でもあって、旅というといつも自分が孤独を感じる。そんな時に聴ける大事な曲で、旅というとこの曲っていうのをすごく思うんだ。そして、James Brownの「Funky Drummer」は僕が88年から90年にロサンゼルスに住んでいた時に中古のシビック、小さい窓が13個も付いているっていうどんなシビックだったか覚えてないんだけど、それのカセットプレイヤーでいつも聴いていたからLAっていうとこの曲を思い出します。
Kun:Frank Oceanの「Provider」は?
Tom:これはヒップホップのアーティストの曲で初めてスタンリー・キューブリックのことを歌っているのと、自分が初めてミュージックビデオをつくったからだ。フランクはもともと僕のファンで、僕はいろんなサウンドシステムとかラジカセを作ってそれを今までもビジュアルに持ち込んだりしていたんだけど、すごく作って嬉しかったし何よりも曲のビデオを作ってくれって言われた時に曲自体が良かったのでホッとしたよ。もしこれが嫌な曲だったらちょっと残念なんですけど、フランクが作る曲のほとんどはめちゃくちゃ良いので、とっても良かった
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Kun:今夜はアーティストのトム・サックスさんをお迎えしています。
考えることが本当に面白い人で、皆さんにとにかく是非5月末までやってるんですけども展示会に行ってもらって子供も大人も本当に楽しめますし、行ったら絶対に自分も何かを作りたいなあって思わずにはいられないものだと思うんですけども。
Tom:「小山登美夫ギャラリー」とは過去20年間一緒に仕事をしてきて、日本でやるのはもう5回目になるんですけど今まででベストだ。そして、オペラシティのももちろん。今ある物、例えば目の前にiPhoneが置いてあって素晴らしい道具だけどこれが実際に人が作ったのかどうだかっていうは全く分からないと思うけど、僕のショーに行けば自分が何から何を作ったかっていうのが一目瞭然で見られると思う。それこそ自分の証だし、きっと皆さんも楽しめると思うので是非一回足を運んでみてください。
Kun:僕も普通のアートでしたらこの番組で話すことは多分なかったと思うんですけど、とにかくトム・サックスという人が作る物っていうのは見て触れたら斧とかで切られそうなぐらい怒ると思うんですが、とてもインタラクティブに感じることのできる素晴らしいアートだと僕は信じてます。特に小さい子供とか物に興味がある人っていうのは是非皆さん連れて行ってあげてください。本当に素晴らしいショーです。
野村訓市
1973年東京生まれ。幼稚園から高校まで学習院、大学は慶応大学総合政策学部進学。
世界のフェスティバルを追ってのアメリカ、アジア、ヨーロッパへの旅をしたトラベラーズ時代を経て、99年に辻堂海岸に海の家「SPUTNIK」をプロデュース。世界86人の生き方をたったひとりで取材した「sputnik:whole life catalogue 」は伝説のインタビュー集となっている。
同名で「IDEE」よりインテリア家具や雑誌なども制作。現在は「TRIPSTER」の名で幅広くプロデュース業をする傍ら、ブルータス等の雑誌などで執筆業も行う。