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訓市が antenna* からセレクトした記事は・・・
エルメスによるインターネットラジオ「ラジオエルメス」が放送開始。同時にポップアップの開催も
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Theme is... ラジオ・エルメス
『Travelling Without Moving』=「動かない旅」をキーワードに、
旅の話と、旅の記憶からあふれだす音楽をお届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。
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--- 自分にとっては価値がある、意味があるもの ---
前半は番組リスナーから寄せられた旅にまつわるメッセージと
その曲のまつわる曲をオンエア! 訓市の“質問返し”も聴きものです。
後半のテーマは「ラジオ・エルメス」。
長年にわたって訓市が愛用しているエルメス…
そのアイテムを選んだ理由、それを使うことで受けた恩恵について語る。
訓市の友人がアートディレクションを担当した
エルメスによる期間限定のイベント、「ラジオ・エルメス」とは?
企画意図を紹介しつつ、参加表明?
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番組では皆さんの「旅」と「音楽」に関する
エピソードや思い出のメッセージをお待ちしています。
「旅」に関する質問、「旅先で聴きたい曲」のリクエストでもOK!
手紙、ハガキ、メールで番組宛てにお願いします。
メールの方は番組サイトの「Message」から送信してください。
リクエスト曲がオンエアされた方には番組オリジナル図書カード、
1000円分をプレゼントします。
皆さんからのメッセージ&リクエスト・・・ お待ちしてま〜す!!
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宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
antenna* TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛
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MUSIC STREAM
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
It's All Over Now Baby Blue / Marianne Faithful
Sentimental Lady / Bob Welch
Come Here / Sabrina Claudio
I Fall In Love Too Easily / Chet Baker
愛は花、君はその種 / 都はるみ
Try A Little Tenderness / Otis Redding
Love Will Tear Us Apart / Nouvelle Vague
Phoenix / Cibelle
As Tears Go By / The Rolling Stones
ON AIR NOTES
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。
Kunichi was talking …
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先日エルメスの今年のキャンペーンとして「ラジオエルメス」という展覧会が始まるというのでその会場に行ってきました。ちょうど渋谷と原宿の間ぐらいの建物1棟を使った展覧会なんですけれども。エルメスというブランドは去年「映画」をテーマに展覧会もやりましたし、ものづくりの背景っていうのをただファッションショーや広告写真のキャンペーンだけで終わらすのではなくて、誰でも見に来れて触れる場として提供してくれたりするところがとても良いなと思うんですけども。そもそも僕はブランド物と言われるものにはあまり興味が無いというか、ご縁が無いんですが、エルメスというブランドだけはですね同じ形のシンプルな物を延々と流行りの影響を受けすぎずに作り続けたりしているので好きなんですよね。なんでかっていうとリーヴァイスのデニムとかみたいなもので年代によってちょっと違うとかっていうのが結構中古市場というかヴィンテージ市場に出回っているので、なんかこう集めやすいというか目に触れやすいっていうところもあります。なのでいくつか持ってるんですけども例えばブレスレットや古いライター、旅行鞄なども持ってます。気に入ったきっかけというのは僕が長いこと付けているシューヌダンクルというブレスレットがあるんですけれども、それも元々アフリカかどこかの船の錨を繋ぐ鎖がモチーフらしくてですねとてもシンプルだからです。時計はしないし、指輪もだんだん面倒くさくなったけども、いつも夏はビーサンに短パンTシャツじゃあまりにもつまらないなーと。ある日入ったアンティーク屋さんの古いエルメスコーナーで見つけて買ったのが最初です。ちなみに僕はこれを2つ持っていて、娘が大きくなったら二人にあげようと思っています。なぜかといえば僕が持っているレコードも大量の本もスケートボードもバンドTやら映画Tといった古いTシャツも全く興味が無いらしいんですね。彼女たちに言わせると「場所ばかりとるゴミ」だという感じなんですけど、このブレスレットだけは誰でも付けられる形ですし指輪と違ってサイズもあまり関係ないのであげたらきっと貰うのではないかと… そう父親として期待しているのです。まあでも娘に言われて思いましたけども、自分にとって命の次に価値があると思っている、意味が大いにあると思っている物でもある人から見ればただのゴミなんですね。まあこういうところから物をもう集めるのは止めようという心境になったんですけども。僕はですね、「この古いTシャツ、もう聞いてなさそうなバンドTなんか捨てればいいじゃない」と人に言われてもその2枚が持つ思い出をとうとうと思い出してしまってですね、捨てれなくなる人間です。あと、エルメスというと古い旅行鞄も持っているのですが、これはねすごいですよ。ビーサン、Tシャツ、短パンで旅行していた時にですね、鞄だけこのエルメスの古いので回ってたことがあるんですが。空港で、そしてホテルで、最初はなんか変なのが来たなと思われながらですよ、その使い込まれた鞄を見て、あら!身なりをあえて気にしない真のお金持ちが来たわよと、鞄を見ただけで勝手に勘違いされて、その後のサービスが格段に良くなったっていうことを何度も経験しました。これはですね、本人たちにも後で聞いたんですけども、全身高そうな物とかでピカピカしてると、やっぱり最近お金を手に入れた人だとすぐに分かるらしくて、あんまりそんな人ばっかり見てるとつまらないらしいんですね彼らも。曰く付き、何かあるんじゃないのかっていうところに人は惹かれるそうで。皆さん、お金が無い人はあえて何か1つさりげなく持って実はあるんじゃないかをチラつかせるか、本当にお金を持っている皆さんはそこそこグレードを落とした方が、より素敵なサービスをしていただけるんじゃないんでしょうか。まあとにかくこの鞄のおかげでですね、僕は良い物と認知されているものがいかにこの世の中で強大な力を発揮するのかということを学びました。
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渋谷と原宿の間にある「ラジオエルメス」という会場ですが、まあ実際にラジオというものをモチーフに、ヨシロットンという僕も仲良しのとても面白いアーティストが全てをアートディレクションをエルメスとしてるんですけども。そこにはですね実際のラジオのブースや、エルメスの世界感を表したディスプレイ、それをラジカセを使ったりレコードを使ったりしてるんですけども。その他にも特別に撮り下ろした映像なんかもあって、それを実際にそこで観ることができます。ブースでも実際にラジオ番組を作っていて毎日それをインターネットで聞くことができます。本当は実際の放送が出来たり、なんならゲリラ的な俗に言う海賊ラジオみたいな事が出来たら良かったらしいんですけれども、日本はとても電波の規制が厳しいというか国に管理されてますから、まあそれをやるのはとても難しいと思います。アメリカでは例えば税金を払っている自分の都や県、例えばニューヨーク州の住人は州がやってるラジオで自分のラジオを放送する枠が当たることがあったり、大学にラジオがあってですね、非営利という形で放送していて、そこがある種新しい音楽やカルチャーの温床になったりしていて、まあヒップホップなんかができた時っていうのはカレッジラジオの力っていうのはものすごく大きかったらしいですし、イギリスでもBBCとかの国営放送しかラジオが無かった時、そこではロックがいかがわしいものだとして色んなものが放送禁止になっていたんですが、そうするとDJの皆さんは航海上、海のイギリス領を離れたところから船で海賊ラジオを飛ばしてヒーローになったりとか、音楽や話っていうのが音波に乗って飛んでいくっていうのは本当にロマンティックで素敵だなあと思うんですが日本はそういうことを絶対に許さない風潮がありますよね。やはりメディアっていうのは国がちゃんと管理しなきゃいけないっていう姿勢っていうのがそこに出てるのかなと思うんですけども。日本で若い子たちが実際にラジオをやってその番組をポッドキャストで世界中で聞かせることが出来る、そうなったら本当に素晴らしいなあと思うんですけど。「ラジオエルメス」では色々制約がある中でポッドキャストでインターネットラジオとして曲をかけたり番組を放送するということなので僕もゲリラ的にやることになりました。まあかけられる音源も限られているとのことなのでどうするか、みんなでギターとかを持ち寄って生演奏するか、それも飲みながらダラダラ話すのか、まあやる以上どこかカレッジラジオとか海賊ラジオのような志のある番組を放送コード無しでやりたいなあと思っています。ご興味のある方は「ラジオエルメス」と調べれば番組表などが出てくると思いますし、そこの中で僕がやることは告知されるのかもしくは空き時間に突然やるのかっていうのはまだ決めてないんですけれども、ちょこちょこ覗いてみてください。
野村訓市
1973年東京生まれ。幼稚園から高校まで学習院、大学は慶応大学総合政策学部進学。
世界のフェスティバルを追ってのアメリカ、アジア、ヨーロッパへの旅をしたトラベラーズ時代を経て、99年に辻堂海岸に海の家「SPUTNIK」をプロデュース。世界86人の生き方をたったひとりで取材した「sputnik:whole life catalogue 」は伝説のインタビュー集となっている。
同名で「IDEE」よりインテリア家具や雑誌なども制作。現在は「TRIPSTER」の名で幅広くプロデュース業をする傍ら、ブルータス等の雑誌などで執筆業も行う。