ON AIR DATE
2020.04.12
BACKNUMBER
  • J-WAVE
    EVERY SUNDAY 20:00-20:54


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訓市が antenna* からセレクトした記事は・・・

次のロードトリップは“ハイウェイ 1”で! Vol.1カリフォルニアを味わいつくす“夢のドライブ”に行ってみない?

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TUDOR logo

Theme is... BIG SUR



『Travelling Without Moving』=「動かない旅」を
キーワードに旅の話と、旅の記憶からあふれだす音楽を
お届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。


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--- ウィルスの終息後、あなたはどこへ旅に出たいですか? ---

番組前半はリスナーの皆さんから手紙、ハガキ、メールで
お寄せいただいた旅のエピソードと、
その旅に紐付いたリクエスト曲をオンエア!
選曲のオーダーや悩み相談にもお答えします。

後半のテーマは「ビッグサー」。
訓市がアメリカで最も好きな道「ハイウェイ1」を
サンフランシスコから車で南下して絶景の中を走ること3時間…
古き良きアメリカの魅力が残る「ビッグサー」の魅力を語る。


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番組では皆さんの「旅」と「音楽」に関する
エピソードや思い出のメッセージをお待ちしています。
「旅」に関する質問、「旅先で聴きたい曲」のリクエストでもOK!

手紙、ハガキ、メールで番組宛てにお願いします。
メールの方は番組サイトの「Message」から送信してください。
皆さんからのメッセージ&リクエスト… お待ちしてます!!

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宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛

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2020.04.12

MUSIC STREAM

旅の記憶からあふれだす音楽。
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
1

Kids/Porker Face / Weezer

2

Get It Right / Hajk

3

One-Dime Blues / Etta Baker

4

Tides / Nitin Sawhney

5

夜のパパ / KM feat.田我流

6

Festival / Tempalay

7

Bonnie / ALI

8

Hit Me In The Morning / HIMI

9

Harvest Time / Pharoah Sanders

2020.04.12

ON AIR NOTES

野村訓市は、どこで誰に会い、
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。


Kunichi was talking …


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先日、と言っても2ヶ月以上前ですかね、カリフォルニアのビックサーというところに行ってきました。世の中に不穏な空気が漂い始めていましたが、まだどこか対岸の火事というか、楽観的に自分も考えていましたしそんな時期でした。もちろん空港が空き始めていて、いつもこれくらい空いていたら楽なんだけどなぁという感じだったんですけども。このビックサーになぜ行ったかというと『BRUTUS』という雑誌で旅を特集する号を作ろうということで、「訓市くんビックサーに行かない?」って言われた時には二つ返事で行くと答えました。僕は昔もここに行ったことがあって、どうしてもまた行きたいと思っていたからなんですけど、そこはサンフランシスコから高速の「Highway 1」をロサンゼルスの方へ南下した3時間くらいのところにあります。一応地名として知られていますけど、どこからどこまでがビックサーなのかというとすごく説明が難しくって… と言うのもそれは湘南とか原宿みたいなものなんです。なんとなく使う地域の名前であったり、原宿のような駅もあるし、あの辺りが原宿だよねってみんな知っていても実際に住所で原宿って無いじゃないですか。もちろん湘南市っていうのもありませんし。ビックサーというのも同じで、一軒「ビックサー」という名前のついた郵便局があるんですけど、それ以外は番地も無いです。そもそも何も無いところで、そこが良いんですけど、まず「Highway 1」という高速。この番組で何度も話したことがありますけど、僕が1番好きなアメリカのハイウェイで、なおかつアメリカでも最も美しい景色を持つ道として知られています。これはもうすごいパンチラインですよね。最も美しい道、何がなんですかっていう感じですけど、それは本当に海岸線をくねくねとアップダウンを繰り返しながら走る1本道なんですけど、シスコの方から南に下ると右側は切り立った崖があったり、その切れ間切れ間に無人の小さなビーチがあったりで、先には何もない真っ青な太平洋が見えます。そして左側は切り立った崖だったり、草原がなだらかに続く丘陵地帯だったりします。そして護岸工事とかそういうものを一切していないので自然のままを突っ切るような感じの道なんです。シスコから1時間ほどで「サンタクルーズ」という港町を過ぎた後は、ほぼ何も無いような景色の中を車は進んでいきます。まぁその景色っていうのは自分で車を用意して自分たちのスピードで移動して行く者のみに与えられるとても幸福な3時間というもので、皆さんいつかそんな機会があったら本当に僕に騙されたと思って車を運転してほしいです。


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僕はその「Highway 1」という道を今までも何度も走っているんですけど、季節ごとにその表情も変わりますし本当に飽きない風景なんです。そして移動の車内で景色に合う音楽を流しながらドライブをするっていうのは本当に最高です。車が進むごとに余計な現実の色んなことが頭から消えていって、時間が本来のスピードになるといいますか、どんどん間延びして行くといいますか、のんびりとしていく。そしてビックサー、どんなところか興味があれば今週発売になる『BRUTUS』にも載っていますし、ウェブで調べれば色んな写真が出てくると思うんですけど、何が売りかっていうと何も無いというところです。世界一高い木「セコイヤ」という杉がありますけど、向こうでは「レッドウッド」と言っていますが、その森があってあの数件のモーテルやロッジがあってご飯を食べるところが本当に数件、そして買い物はガソリンスタンドでしたりという感じで、そのガソリンスタンドが渋いんですよすごく小さくて。そもそも携帯の電波もほとんど通じませんし、Wi-Fiなんてもちろん飛んでない。あぁ流行りのデジタルディトクシングねと思う方もいらっしゃるかと思いますが、それを構えてやるのではなく、ごく自然に携帯から手が離れてしまうという感じです。この感じっていうのはビックサーができた昔から変わらないようで、だからこそハンター・トンプソンとかへンリー・ミラーといった作家たちが惹かれてこの地に住んだり、今までも色んなアーティストたちがやって来て長く滞在してきた理由だと思います。面白いのがそれだけじゃなくてシリコンバレー、世界中の頭脳とお金が集まるところですけど、そこの若い人たちもみんなビックサーにやって来るそうです。アメリカ人にとってはいつか行きたい場所トップ3ぐらいに入っているビックサーですが、何でそんなに人が惹かれるのかと言えばきっと何も足されてない、極めて自然が豊かというより自然体の場所だからだと思います。ちゃんと規制もしてホテルも建物も開発もしないようにしている。とても不便な場所ですけど日本にも思い返せばこういう場所ってたくさんあったと思います。いつのまにかインバウンドをあてにして色々足し過ぎってことをしてきちゃったんじゃないかと思います。コロナの状況が何時どうなるのか誰も分かりませんし、やがていつかそれがちゃんと落ち着いてくると思うんですが、その時一体どうなるんでしょうかね。日本も安全になって、世界の国も安全になって旅が自由に出来るようになった時にどこに行きたいと思うんでしょうか? 僕らもこのご時世の中、旅号っていうのを作るのはどうなんだっていう議論から、どういう形だったら必要なのかなっていうことをたくさん考えましたけど、何時また旅に出られるのか? そして旅に出られる日に自分はどこに行きたいのか? それをずっと考えています。