TUDOR TRAVELLING WITHOUT MOVING

Theme is... 整理、片付け

『Travelling Without Moving』＝「動かない旅」を
キーワードに旅の話と、旅の記憶からあふれだす音楽を
お届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。


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--- 断捨離失敗！でも、大満足 ---

番組前半はリスナーの皆さんから手紙、ハガキ、メールで
お寄せいただいた旅のエピソードと、
その旅に紐付いたリクエスト曲をオンエア！
選曲のオーダーや悩み相談にもお答えします。

後半のテーマは「整理」「片付け」。
外出自粛の中、訓市が自宅で過ごす時間が長い場所とは？
3年間にわたって手付かずだった段ボールを開けて、
数百枚に及ぶTシャツを整理した結果と成果について語る。


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番組では皆さんの「旅」と「音楽」に関する
エピソードや思い出のメッセージをお待ちしています。
「旅」に関する質問、「旅先で聴きたい曲」のリクエストでもOK！

手紙、ハガキ、メールで番組宛てにお願いします。
メールの方は番組サイトの「Message」から送信してください。
皆さんからのメッセージ＆リクエスト… お待ちしてます！！

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宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛

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Kunichi was talking …


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自粛が始まって時間をどう過ごすかっていうのが皆さんもすごく変わったと思うんですけど、僕もものすごく変わりました。何しろ毎晩日を跨がず家に帰るっていうのが信じられなくて、仕事でどうしても出なきゃいけない時があったとしてもです。何をしているかっていうと最近はよくベランダで時間を過ごしています。すごい小さなベランダが家にあるのですが、今までそこを使ったことがありませんでした。ちらっと見ると子供が学校の課題で育てた朝顔の鉢がその役目を終えて無残な姿を晒す程度で、他には何も無くて夜風にたまに当たったり、満月を見たりというのはあったものの、ほぼ存在しない場所。それがベランダでした。なんだったら平米数から引いて家賃を割り引いてくれ！全く必要ない、という場所だったんですけど、今は車の通りも少なくなって夜はすごく静かですし、気持ちがいいなぁということでアウトドア用のテーブルと、内装の現場で余った椅子をいくつか家に持って帰ってきまして、置いて使ってみたらまぁ調子が良いわけです。朝コーヒーを入れて、外でそれを飲みながらタバコを吸う。なんなら自分の分の朝飯をちゃちゃっと作ってそこで食べる。夜は夜でそこにお酒を持ち込んで飲んだり、本を読んだり。このままでは自分の1番の読書スポットっていうのは家ではトイレだったんですけど、その首位の座も危うい感じになってきました。それと家での過ごし方も変わったとすると、移動の仕方も変わりました。もっぱら自転車に乗っています。マスクをしながら乗るのは息苦しいんですけど、夜一人で人気のない公園の周りを走ったり気分転換をするんですけど、先日は何度か皇居の辺りまで行ってみました。とても気持ちが良かったんですが、皇居というとよく仕事で青山通りの方から銀座方面に行く途中、左側に皇居を眺めながら「広いな〜」とか「走っている人が虫のようにたくさんいるな〜」とか車の窓から眺めるどこかリアルな光景じゃなかったんですけど、このあいだ自転車で行った時は英国大使館の周りや北の丸公園の近くのちょうど反対側に抜ける道があるんですけど、すごい気持ちが良くて、何かロンドンに住んでいた頃によくハイドパークとかリージェントパークで時間を潰してだらだら歩いたり、ベンチに座ったり本を読んだりしたんですけど、それをすごく思い出しました。本当に車から眺める景色と、自転車でその景色の中自体を走るというのでは全く印象が違います。これからしばらくは自転車で東京散歩をすることが個人的には増えそうです。ぐるぐると走り回るだけでどこへも寄ることがない自転車旅行ですけど、それはそれは楽しいので、ぜひ皆さんも試してみてください。あっという間に片道10キロとか走ってたりします。それで普段人が多くて行かないような広場とか公園近くを人気のない時間を選んで一人で訪れてみてください。知っていたはずの場所が全く違う印象を受けるんじゃないのかなと思います。


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家の過ごし方、移動の仕方が変わったその次に僕に訪れたビッグウェーブが部屋の片付けでした。やらねばやらねばと思いつつ今の家に引っ越してからすでに3年が経過しているんですが、未だにダンボールがそのまま置いてあるような部屋。これだけ時間があるんだったら今やらなくてどうするということでネットでスチールラックを買って、ダンボールを開けて中の服を取り出したりしました。断捨離だと意気込んでいたんですけど、まぁこれが難しいんですよ。1つ1つに思い出があったりするじゃないですか？もう絶対に着ないようなTシャツでも。それが数百枚あるわけです。急いで見ながらポンポン投げ捨てようかと思ったんですが、図柄を見てしまうと思い出してしまうわけですよ。これは高校のときに買ったTシャツだなとか、これはアメリカでモールの映画館で働いていた友達に貰ったTシャツだなとか。とてもじゃないけども捨てられません。みんな元気にしているのだろうかと思い出したり、それを着ていてやったことを思い出して笑ったり。それから、もう死んでしまった友達に貰った形見のようになったシャツもいくつも出てきました。それを見てしまうと何でしょう色んな感情が溢れてきたり、特に1度は友達が身に付けていたものがそのままの姿で色褪せて存在している。さすがに着ることはもうないとしても、それもやっぱり捨てられません。そうするとそれはあんまり着ないTシャツコーナーという棚に積み上げられていき、それから「今着るには最高じゃん！」と思えるような古いバンドTやら映画のTシャツ、ジョークの書いたTシャツなんかも出てきて… 結局、追加でラックを注文すること合計7台分も使って、まだTシャツが入りきりません。ですが自分的には一応形になったと喜んでいます。どんな部屋になったかというとラック以外は何も置けない部屋で、ラックとラックの間が何センチでしょうか？ものすごく狭い。どのくらい狭いかっていうと吉野家のカウンターの中ぐらいじゃないでしょうかね。でも自分の思い出がTシャツとして重なってきちんと収納されているその姿は個人的には完成系だと大満足しています。それからTシャツ以外をチラチラっと見ていると貰った古い写真なども出てきてしまいました。写真はあかんですね、本当に。完全に手が止まります。片付けの敵は写真だと今回気づいたんですけど、見た瞬間に完全なる時間旅行。脳裏には松田聖子の曲が流れ出して、そこからまた違う思考へと頭は進んでいきまして、気づくと物に溢れかえった部屋で自分が自分の思い出と3密状態になっている… これはまずいですよね。「いないのかと思ったら部屋で何してるんだ？」って言われて、まぁ自分は呆然としてますよね、酸素の薄いような部屋で。ただ、いつも投げ出していましたけど今回こそデジタルファイルになっている写真を整理して、それをちゃんとプリントアウトして物に替える時期なのかもしれません。今はポストコロナ、コロナ後の世界はどうなるとか自分の仕事や人生色々悩んだりする人も多いというかほとんどだと思うんですけど、未来を進んでいくには、まずは過去を振り返って己を知るところから。そのためにも写真の整理を今のうちにしてみてはいかがでしょうか？