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訓市が antenna* からセレクトした記事は・・・
ビール党必読! 医師が「ビールは健康にイイ!」と断言する根拠
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Theme is... BEER
『TRAVELLING WITHOUT MOVING』・・・
「動かない旅」をキーワードに旅の話と、
旅の記憶からあふれだす音楽をお届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。
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--- 今年の大人の夏の過ごし方提案 ---
番組前半はリスナーの皆さんから手紙、ハガキ、メールで
お寄せいただいた旅のエピソードと、
その旅に紐付いたリクエスト曲をオンエア!
選曲のオーダーや悩み相談にもお答えします。
後半のテーマは「ビール」。
一年のうちで最もビールが美味しいと感じる8月・・・
訓市が初めてビールを口にした時の感想とは?
ロンドンで生活していた時に目の当たりにした
地元の人たちの飲みっぷりとチョッと臭う思い出。
そして、コロナ禍の中でのビールの愉しみ方を提案します。
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番組では皆さんの「旅」と「音楽」に関する
エピソードや思い出のメッセージをお待ちしています。
「旅」に関する質問、「旅先で聴きたい曲」のリクエストでもOK!
手紙、ハガキ、メールで番組宛てにお願いします。
メールの方は番組サイトの「Message」から送信してください。
皆さんからのメッセージ&リクエスト・・・ お待ちしてます!!
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宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
TUDOR TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛
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MUSIC STREAM
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
Human Nature / Miles Davis
Sunny Skies / James Taylor
Thank You / Bonnie Raitt
Cigarettes And Coffee / Jerry Garcia Band
SAYONARA / 坂本龍一
Real Girl / Mutya Buena
Sweet Thing / Rufus feat. Chaka Khan
It's Taken So Long / Kathy Smith
Promised Heights / Cymande
ON AIR NOTES
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。
Kunichi was talking …
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とうとう8月となってしまいました。例年ですとこの頃にはプールだ!ビールだ!お盆休みでどこに行くだ!と夏を満喫する月のスタートなんですけど、どうもよろしくない感じですね。研ナオコさんの“♪あきらめの夏〜”みたいな感じもしますけど、皆さんは飲んでますか? 寂しく1人ベランダでビールという人も多いと思いますが、そういうわけで今日はビールについて話したいと思います。お酒との付き合いを振り返った時に初めてのお酒っていうのが親父さんが飲むビールを子供の頃に味見させられてという人も多いんじゃないんでしょうか。違法なのかもしれませんけど舐めたことはほぼ全員あると思いますし、ちなみに僕の最初のお酒もビールだったと思います。うちの親父はキリン党で、瓶ビールか何かを晩酌で飲む親父に「ちょっと飲んでみろ」「に、苦い!」という記憶があります。コーヒーと一緒で大人は何でこんな苦いものを好き好んで飲むんだろう、ちょっとバカなんじゃないかと思ったものです。しかもそれをなんでこんなにたくさん飲むんだろう? 水やジュースだってあんなに飲めないはずだぞ。なのにビールだとなんでこんなに飲むんだ? 大人になっても絶対飲まないぞと思っていたのですが、ある時その苦味に慣れ、若い頃にくだらない掛け声でピッチャーで飲み干すようになった辺りでいつの間にかその苦味がなくてはならなくなり、どこに行ってもとりあえずの最初の1杯としてもう何年飲み続けているんでしょうか。前も話したことがありますが、村上の春樹さんの小説の文で「ひと夏にプール一杯分のビールとピーナッツを食べた」っていう例えが出てきて、そんなわけねえだろう〜って思いながらも、そのぐらい飲んだって気になる夏っていう意味ではものすごく共感してまして、まぁひと夏でプール一杯分っていうのはないと思うんですけど、一生を考えたら結構そのぐらいいってるんでしょうかね、どうなんでしょうか? 僕はアメリカのビールのデザインが若い頃は好きでよく飲んでいました。あの薄味の、いわゆるビール通が嫌う軽いビールです。キンキンに冷えた薄い味のビールは仕事終わりに飲むとまるで砂漠で遭難した人がオアシスにたどり着いて最初に飲む水のように、体の隅々まで行きわたるといいますか、本当に美味しいものです。ビールではエールとか味の濃いやつっていうのがありますが、どうもあまり好きではありません。味が重いといいますか、たくさん飲めないというか。僕は薄いビールをゴクゴクと飲んですぐウイスキーとかウォッカに移行するのが好きなので。ロンドンに住んでいた時はパブで出てくるあのビールがすごく苦手でした。本当にぬるいビールを1パイントグラスって、あの大きいやつで延々と同じピッチで飲むんですよ。1杯飲んだらトイレに2回行くぐらいの感じで、お腹があっという間に一杯になってしまいますし、もうこんなにトイレ行きたくないなってくらい出るんですよ。だからすごくパブで待ち合わせるって最初は嫌だったんですけど、とはいえ日曜の昼とかにプレミアリーグ、サッカーを見ながらダラダラ飲むっていうのは本当に楽しい思い出です。
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ロンドンに住んでいたんですけど、「ロンドンっておしっこ臭い」って言う友達がたくさんいたんですが、本当に臭かったんですよ、僕がいた辺りとかも。何故かと言うと、やたらめったらみんな立ちションしてるんですね。で、「臭いし嫌だな、ジェントルマンの国じゃないのか」と思っていたんですが、パブに行くようになって、あぁ〜こういうことね、需要と供給が合ってないんですよね。みんな以上に長く大量のビール飲むので、それに見合っただけのおしっこをしたいっていうおじさんたちが異常にいるわけなんですよ。でも不思議なものでロンドンもいつ行けるか分からないって思うと、「あぁ、夏のロンドンに行ってあのおしっこ臭い壁が見たいなー」って思う自分がいます。ビールといえばイギリスだけじゃなくてドイツとかベルギーにもたくさん種類があって、たくさん飲みました。あとはオランダ。「ハイネケン」って日本でもたくさん売ってますし、どメジャーな飲みやすいビールですけど、あれがオランダのものだって知らなくってですね、アムステルダムで「ハイネケン」だらけなのを見て驚愕したことを今でも覚えています。オランダですと今頃の時期っていうのはまだ夜の10時まで全然明るいですから、とにかく外でだらだら飲んだりしてそろそろ夕飯と思って時間を確認すると、「やばい、もうこんな時間で、またナシゴレン屋しかやってない!」みたいなことがたくさんありました。ヨーロッパで公園でお酒を飲んだのは本当に良い思い出で、日本でも割とどこでもお酒は飲めますけどアメリカとかですと公共の場では飲めなかったり、要は缶とか見せちゃいけないんですよね。茶色い紙袋に入れたり、あとは容器に入れ替えて何食わぬ顔して飲んでる人もいますけど。僕、何年前かな? ニューヨークにいた時に友達に偶然会って、道でご機嫌な顔してコーヒー入れるものすごい大きいタンブラーを持ってるんですよ。だから暑いからすごい量のアイスラテを飲んでいるのかと思ったら中身が「フローズンマルガリータ」で、ベロベロに酔っ払って機嫌が良いだけでした。まぁ、でもそうやってフラフラ歩けちゃったりするのも夏の良いところなんですけど、何をするでもなく集まってビールを飲む夏、暇な時によくやっていたことがとても贅沢なこととなってしまいました。今年も大声をあげて喋れるビアガーデンにも行きたかったし、飲んだら飲んだだけ汗となって出て行くプールにも行きたかったです。今年の夏をどうビールと過ごせば良いか? これは8月の末にあって、もう今年はデジタルになって実際は中止になってしまったんですけど、ロンドンでやっているノッティングヒルのカーニバルを想像しながら、1人で大きな公園を歩きビールして散歩するっていうのは良いんじゃないんでしょうか。ヘッドフォンで聴く音楽は陽気なラテンフレーバーか、スカやレゲエとかも良いと思います。飲むならジャマイカのビール「レッドストライプ」。これは軽くて飲みやすいですし、何よりデザインがとても素敵です。そしてジャマイカといえば夏にみんな汗かきながらジャークチキン、ジャマイカ風のグリルドチキンをムシャムシャ食べるんですけど、その代わりにケンタッキーさんのフライドチキンか焼き鳥でも良いと思うんですけども、そんなものをつまみながらビールを飲むのが良いんじゃないかと思います。来年の夏こそは通常運転の夏を過ごしたいものです。普通のことを普通にできたらなと思うんですが、毎年やっていた番組の公開収録を、もし世の中がちゃんと戻っていたら来年こそビアガーデンでやりたいですよね。そんな夏を迎えることが出来るように、今年は少し我慢しましょうか。
野村訓市
1973年東京生まれ。幼稚園から高校まで学習院、大学は慶応大学総合政策学部進学。
世界のフェスティバルを追ってのアメリカ、アジア、ヨーロッパへの旅をしたトラベラーズ時代を経て、99年に辻堂海岸に海の家「SPUTNIK」をプロデュース。世界86人の生き方をたったひとりで取材した「sputnik:whole life catalogue 」は伝説のインタビュー集となっている。
同名で「IDEE」よりインテリア家具や雑誌なども制作。現在は「TRIPSTER」の名で幅広くプロデュース業をする傍ら、ブルータス等の雑誌などで執筆業も行う。