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訓市が antenna* からセレクトした記事は・・・
<ahref="https://antenna.jp/articles/11569357">エディ・ヴァン・ヘイレンはなぜ偉大なのか? 天才ギタリストが音楽界を席巻した6つの理由
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Theme is... VAN HALEN
『TRAVELLING WITHOUT MOVING』・・・
「動かない旅」をキーワードに旅の話と、
旅の記憶からあふれだす音楽をお届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。
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番組前半はリスナーの皆さんから手紙、ハガキ、メールで
お寄せいただいた旅のエピソードと、
その旅に紐付いたリクエスト曲をオンエア!
選曲のオーダーや悩み相談にもお答えします。
後半のテーマは「ヴァン・ヘイレン」。
子供の頃、テレビの音楽番組で目にして衝撃を受けた
エディ・ヴァン・ヘイレンのギタープレイ。
「これぞアメリカ!」を実感した当時の思い出、
「80年代は終わった」と痛感した理由について語る。
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番組では皆さんの「旅」と「音楽」に関する
エピソードや思い出のメッセージをお待ちしています。
「旅」に関する質問、「旅先で聴きたい曲」のリクエストでもOK!
手紙、ハガキ、メールで番組宛てにお願いします。
メールの方は番組サイトの「Message」から送信してください。
皆さんからのメッセージ&リクエスト・・・ お待ちしてます!!
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宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
TUDOR TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛
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MUSIC STREAM
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
Jump / Aztec Camera
Kamodini Kay Jane To Parimal / Lata Mangeshkar
Oslo / The Little Hands Of Asphalt
Jezebel / Sade
金木犀の夜 / きのこ帝国
Just A Gigolo / David Lee Roth
Crazy For You / Madonna
Wildflowers (Home Recording) / Tom Petty
Love Walks In / Van Halen
ON AIR NOTES
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。
Kunichi was talking …
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「ジェネレーション・ギャップ」という言葉があるじゃないですか。世代によって物事の捉え方が違ったり、何かを表す言葉がもう全然違ったり。だいたいこの世代間のギャップというものを話す時に、どちらが古くさいというか、ダサいと呼ばれるのは完全に僕らを始め歳が上の世代で、最新のカルチャーを生み出して流行を作る若い人たちっていうのが、僕ら年配が作り出したものを古臭く見せるように上書きしながらカルチャーを変えていくんですけど…。僕が20歳になった頃っていうのは、とにかく僕らの世代って団塊の世代の子供達の最大に人口が多かった時で、多分社会に与える影響っていうのは大きかったと思うんですけど、「君たちは新人類の世代だから」って何かにつけて言われたものでした。そんな僕らも40代後半になってしまいまして、その下にいた“ゆとり世代”の1番上って今いくつぐらいなんでしょうね? もう30歳とか超えてると思うんですけど、そうやって時代は変わるわけで、今を謳歌している10代の方達も20〜30年もすれば保守的だとか、つまらないと言われるようになるんです。絶対です。これは何も日本に限ったことでは当然なくて、全世界で上の世代と下の世代で必ず起こる摩擦なんですけど、こういう世代間のギャップっていうものをどうやって埋めて共通のトピックとして話を盛り上げたりするのかというと、音楽、俳優、監督を始めとするエンタメ界の巨人たちだと思うんですね。ハリウッドだったら昔からいる、もう60歳近くなっちゃいましたけどトム・クルーズとか、その上の世代の例えばロバート・デ・ニーロとか。下から上まで誰もが1度は観たことがある映画に出演しているわけです。日本で言ったら例えば、黒柳徹子さん。知らない人って日本にいないんじゃないんでしょうか? 何しろNHKのテレビ放送が始まる頃にアナウンサーとして登場して、それからもう何年ですかね? 自分の子供達は今、10歳前後ですけど当然彼らも知っていますし、こういう存在って社会の中であんまりいないじゃないですか。同じテレビ番組、長寿番組をやってらっしゃいますけど、例えばその番組のことを80代の人から10代の人まで一緒に話すことができるわけです。60年現役というのは本当にすごいですし、話す共通のトピックを与えてくれる人たちがいるっていうのは本当に有難いとしか言えないんですけど、今年4月に志村けんさんも亡くなりました。本当にショックで、と言うのはコロナで本当に人が死ぬんだっていう衝撃とか、まぁ勿論ありましたけど、それがショックだったわけじゃなくって、小さい時からずっといて、子供達も知っているっていうある種永遠の存在みたいなものがあっけなく終わってしまうっていうことにものすごくショックを受けたわけです。
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小さい頃からずっと知っていた、いるのが当たり前だって思っていた人たちが亡くなっていくっていうのは生きている間ずっと経験していくことなんですけど、ヴァン・ヘイレンのギタリスト、エディが亡くなったっていうのは本当にショックでした。僕が育ったのは80年代ですから情報というのはとても限られていて、洋楽を知りたいと思うと情報源っていうのはラジオと洋楽雑誌、そして、あとは数少ない洋楽をかけるテレビ番組でした。そして洋楽といえば土曜の夜にやっていたベストヒットUSA。この番組で色んな音楽を知りましたし、そこで放送されるめちゃくちゃに派手な衣装を着たビデオとかで海外ってすごいなーと思っていたんですけど、その時に最大限の衝撃を受けたのがヴァン・ヘイレンでした。特に「ジャンプ」。アメリカに行ったらこう人たちが街中にいるんだって勘違いしたぐらいですけど、とにかく明るくて派手。僕は最初バンドじゃなくて、ボーカルのデヴィッド・リー・ロスの名前がヴァン・ヘイレンさんだと勘違いしていたんですけど、とにかくポップで陽気で、コマーシャル臭いっていうような音ではあるな〜と子供心にも思いつつ、そんなことを気にもさせないぐらいパワフル。それですっかりギターにハマってしまいまして、エディが弾いてる音源っていうものをすごく探して、一時期聴きまくっていたことがありました。この人のギターっていうのはエリック・クラプトンとかが好きだっていうくらいでブルースロックがベースなんだと思うんですけど、小学生の僕の耳にはそのブルースの鳴きの音っていうのが1個も聞こえなくって、とにかく早弾きしたり、ギターがめちゃくちゃ鳴っているな〜っていうのが格好良かったですし、何より衝撃を受けたのがロックンローラーってもう少しみんな不良っぽかったじゃないですか。なんかこう不良の音楽を演っている人たちもこっちを睨んだり、なんかあえてアンニュイな目をしてみたり。ところが、このヴァン・ヘイレンはやたらと陽気で、エディもすごいギターを弾いてソロとかをやっているのにニコニコしているんですよ。ロックンローラーって笑っていいんだって思ったのもエディのおかげですし、彼が自作したっていうギターがまた格好良くてですね、自分のノートの表紙を似たような線を定規で書いて真似したこともあります。中学・高校ってなってパンクにハマったり、色んな別の音楽ばっかり聴いていましたけど、10年ぶりにヴァン・ヘイレンが来日するって東京ドームに来る時はもちろん行きました。世界中を旅して周るようになった時も同年代とかギター好き、ハードロック好きっていうのはたくさんいて、どこに行ってもそういう時にヴァン・ヘイレンの話になりました。「あの人は神だよね」とか、「すごいよね」って。しかもヒップホップでもテクノでもエディのギターっていうのはサンプリングされているわけです。随分このヴァン・ヘイレンのおかげで色んな人たちと会話が弾みました。そんなに歳が離れてるわけでもないというかですね、80年代の人なのでまだまだ元気でずっと音楽を作り続けると思っていたので、65歳で亡くなったというのが本当に悲しいですし、僕の中ではとうとう80年代が終わってしまったなという気持ちでいっぱいです。そしてこんな悲しい気持ちにならないように、タモリさんとか黒柳徹子さんみたいな人たちは1日でも長く生きて、僕らに世代を超えた話の種になることを生み続けていってほしいなと思いました。
野村訓市
1973年東京生まれ。幼稚園から高校まで学習院、大学は慶応大学総合政策学部進学。
世界のフェスティバルを追ってのアメリカ、アジア、ヨーロッパへの旅をしたトラベラーズ時代を経て、99年に辻堂海岸に海の家「SPUTNIK」をプロデュース。世界86人の生き方をたったひとりで取材した「sputnik:whole life catalogue 」は伝説のインタビュー集となっている。
同名で「IDEE」よりインテリア家具や雑誌なども制作。現在は「TRIPSTER」の名で幅広くプロデュース業をする傍ら、ブルータス等の雑誌などで執筆業も行う。