TUDOR TRAVELLING WITHOUT MOVING

＃333　　--- 受験生、就活生に捧げる ---

『TRAVELLING WITHOUT MOVING』・・・
「動かない旅」をキーワードに旅の話と、
旅の記憶からあふれだす音楽をお届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。


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前半はリスナーの皆さんから手紙、ハガキ、メールで
お寄せいただいた旅のエピソードと、
その旅に紐付いたリクエスト曲をオンエア！

進路、恋愛、仕事などなど日々の生活で抱えている悩み相談や
選曲のオーダーにもお答えします。

後半のテーマは「進路」。
受験生活も終盤に差し掛かった時期・・・
不安を抱えている方に向けて、訓市がエールを送る。
就活が上手く行かず、進路に悩んでいる皆さんに
訓市自身の体験談とともに
“働くこと”の意味や遣り甲斐について思っていることを語ります。


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番組では皆さんの「旅」と「音楽」に関する
エピソードや思い出のメッセージをお待ちしています。
「旅」に関する質問、「旅先で聴きたい曲」のリクエストもOK！

また、恋愛、進路、仕事、人生などの質問や
選曲オーダーにもお答えします。

メールは番組サイトの「Message」から送信してください。
皆さんからのメッセージ＆リクエストをお待ちしています！！


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手紙、ハガキの宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
TUDOR TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛

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Kunichi was talking …


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今っていうのは進路を決める時期ですよね。受験生活が終盤にかかっている中高生とか浪人生、それから就活がまだ終わらず春からどうしようと焦っている人もいるかと思います。日本の年度末っていうのは世界的には珍しいんだと思うんですけど3月ですから、それからの新生活っていうのがまさに今決まっていくわけです。内装を友達と一緒にやっている僕の会社があるんですけど、そこにも就職希望のメールや、僕のアシスタントをさせてくれという連絡がよく来ます。働きたいと思う魅力的な場所や仕事だと思っていただけるのだとしたら大変ありがたいし光栄なんですけど、僕らは小さい組織ですし、僕個人としてもアシスタントを募集したことも雇ったこともないし、今後も多分ないと思うので、送ってきた皆さんごめんなさいっていうことを今ここで言ってるんですが。僕は同い年の高校の頃からの友達と一緒に内装屋をやっています。それ以外の仕事っていうのは個人で働いているんですが、その友達っていうのは18歳の頃からの親友で、もう一緒にいて30年になりますね。僕は今年4月で48歳になるんですが、その内の30年を一緒にいるっていうのは、もう自分の親や家族よりも時間を長く過ごしているというわけです。それがまだ友達でいて尚且つ仕事も一緒にしているっていうは、本当に幸せなことだなといつも思っています。僕らは自分たちがこなせる範囲の仕事を、たとえ小さくても長くやれたら良いなと思っていまして、組織を大きくする気もないし、いつか仕事が無くなって歳もさらにとって動けなくなったら解散するしかないねと。どうしようかって、その時っていうのを呑気に構えながら話したりもするんですが、逆に何かあった時に自分のケツは自分でふけるというかですね、すぐ畳める大きさだったらあまり人に迷惑もかけないんじゃないのかっていうので、そのぐらいの会社っていうのが自分たちの身の丈なのかなと思ってます。そして内装以外の仕事を僕は個人として受けているのですが、「なんでアシスタントを取らないんだ」とか、「会社としてもっと大きくしないんだ」とかいつも言われるんですけど、理由の1つにその人たちの人生に対してそこまで責任を取りたくないっていうのがすごくあります。「なんだ、冷たいな」とか、「身も蓋もないことを言うな」って言われたこともありますけど、それは僕は色んな仕事をしているんですが、どれも同時進行で。もし僕がアシスタントを雇ったとしても器用貧乏になってしまうというか、上手くいってアシスタントのプロになってしまうんじゃないのかと常々思うからです。若い人が仕事をもしこれから始めるのならば、まずちゃんとその1つの職種について時間をかけて学んで、そこからもし複数にしたかったら新しいことを始めていけば良いんじゃないのかなと思います。最初からあれもこれもって手を出して同時にやるっていうのは中々上手くいかないですね。だからたまに外で声をかけられて「色んなことをやりたいんだけど、どうすればいいか？」と尋ねられるんですが、大体同じことを答えています。「まず1つ集中してやる仕事を見つけて、そこから広げていけば良い」と。


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色々と声をかけられたり長いDMみたいなのが来るんですよ。「就職活動が上手くいかない」とか、「将来なにになりたいか分からない」とか、「学校で勉強する意味が分からないのに受験の年齢になってしまって、どこに行けば良いか分からない」とか。色んな人から相談のようなものをされるんですが、それに答えがあるぐらいだったらまず僕が相談したいくらいなんですけど、自分だってよく分かってないですからね。こういう質問というか気持ちにパーフェクトな答えというのはありません。それが言える人こそ神様で、そんな神様っていうのは絶対に存在しません。結局、最後は自分が決断しなきゃいけない。世の中って結局そういうことじゃないですか。どんなに努力をしても苦労を重ねても報われないことっていうのはあります。むしろ報われないことの方が本当に多い。この世は平等じゃないですし、ずるいなと思うことの方が多いですし、妬むことだってたくさんあります。けれどもやっぱり何事も最後は自分で、不平等だ、不公平だといってもどこかの誰かがぱっと現れて解決してくれたり慰めてくれたりは絶対にありません。だから最後は自分で決断して動かなきゃいけない。20年以上前にもうなってしまいますが、僕はバックパッカーとしての生活というか日々の過ごし方を辞めて、何かして働かなければと決めて悶々としていた丁度今と同じ時期のことをよく思い出します。友達の家に居候して、その頃でさえ携帯も持っていませんでしたし、お金も無いし、目標も無い。そんな中で1番悶々としたというか、ぐちぐち考えていたのが、旅をし続けて逆に人生を無駄にしたんじゃないかという後悔が1番僕の心の中で大きな悩みでしたね。周りがバリバリ働いたり、やりたいことを見つけている中で何もない自分。しくったという気持ちが友達の家でゴロゴロしている内に日に日に大きくなってさらに焦る。それって浪人時代の気持ちに近いのかもしれませんが、浪人の時の方が試験とか受験日とかっていうのがある分、分かりやすい目標があったのである意味楽でしたね。目標も何も無い毎日っていうのはとても重かったですし、誰に相談をしても何も助けにならないというか、結局僕の現状を変えてくれないですから。悶々としてやっとそれが晴れたのが肉体労働のバイトとかを始めて自分の体を動かすようになってからでした。要はそうするまでは僕はまだ誰かが救いの手を差し伸べてくれるっていうのを待っていた気がします。人生の底だと思いながら、実は底ではなくって。本当に底にいると自覚した時に初めて、逆に行動に移せました。今となっては自分の基礎というか仕事の基盤を全て与えてくれた、旅ばかりしていた時代には感謝しかない、そう思えるようになりました。一時期は全く思えなかったんですよ。だから今、進路に色々不安を抱えていたり、決断が出来なくて動けない人とか、悶々としている人、今は時代的にもそんな時代ですし沢山いると思うんですけど、僕が本当にそんな中で言えるのは、今みたいな気持ちがあったからこそ、今の僕があるって将来思えるようにするにはどうするか。それだけしか言えないですね。動けない、決められないって絶望しているっていう人たちがいたとしてですよ、はっきり言ってまだ絶望の底にいないんだと思います。本当にまずいなって思ったら、動かざるを得ないじゃないですか。例えば仕事が無くって何のバイトをしていいか分からない。でも、もし一人暮らししていたら家賃が払えないと出ていかなきゃいけないわけで、そこで初めて選り好みしないでバイトをしたりした時に、あぁ働くって良いなとか、体を動かすだけで救われるなって気持ちが生まれるのかなと思いますし。とにかくですね、今悶々としている時間っていうのが決して無駄な時間じゃないって思える時が来ますし、絶対そうなりますから、折れずにまず自分から動いてみてください。