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訓市が antenna* からセレクトした記事は・・・
すぐできる! カドを立てずに【断る】方法
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#341 --- 時には、上手なウソをつけることも必要 ---
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前半はリスナーの皆さんから手紙、ハガキ、メールで
お寄せいただいた旅のエピソードと、
その旅に紐付いたリクエスト曲をオンエア!
進路、恋愛、仕事などなど日々の生活で抱えている悩み相談や
選曲のオーダーにもお答えします。
後半のテーマは「ストリート・ワイズ」。
生きて行くため、時には必要な知恵を体得する
術について語ります。
新社会人に向けて、訓市からエール!
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番組では皆さんの「旅」と「音楽」に関する
エピソードや思い出のメッセージをお待ちしています。
「旅」に関する質問、「旅先で聴きたい曲」のリクエストもOK!
また、恋愛、進路、仕事、人生などの質問や
選曲オーダーにもお答えします。
メールは番組サイトの「Message」から送信してください。
皆さんからのメッセージ&リクエストをお待ちしています!!
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手紙、ハガキの宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
TUDOR TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛
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MUSIC STREAM
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
Wooden Girl / Jonatan Leandoer96
American Tune / Simon & Garfunkel
Meu Bem Meu Mal / Gal Costa
Good News / Mac Miller
猫になりたい / スピッツ
My Everlovin' / Cru
Samurai / Djavan
Back On The Chain Gang / The Pretenders
After Hours (The Antidode) / Ronny Jordan
ON AIR NOTES
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。
Kunichi was talking …
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ちょうど4月の初め。新社会人が社会に出て働きだし、様々な学校に入学した新入生の皆さんたちが新しい環境で学び始めたころじゃないでしょうか? 少しの期待と大きな不安。そんな気持ちもですね、用事のないおじさんの僕には羨ましいです。何か新しい環境で新しいことを始めるというのは素晴らしいことですが、それにかけて今日は“ストリートワイズ”について話したいと思います。僕の周りだけなのかもしれませんけど、よく英語で話している時にストリートワイズという言葉が出てきます。直訳すれば“路上の知識”ということなんでしょうけど、ずる賢さというような意味にもなるんじゃないんでしょうか。これは日常でもそうですし、もちろん慣れない旅先でもそうですが、「ただ馬鹿正直にやるな! 社会を生き抜くための知恵を付けろ!」ということだと僕は思っています。正直者は報われるとか、純粋無垢に生きていれば必ずそれもまた報われる、そういう世界であったらいいなと思いますが実際はどうも違います。はっきり言って弱肉強食の世界ですし、騙し騙されの世界です。だからそんな社会の中に飲み込まれないように、たくましく生きていかなければならない。嘘はいけないと思いますが、巻き込み事故を避けて生きていけるための知恵と上手な嘘を身に付けていかなければならないと思います。例えば僕はお酒が大好きですし、人と飲むのも知らない人と飲むのも大好きなんですけど、反対にそれがとても苦手な人もいます。会社に入って無理やり新社会人に飲ます風潮が昔はあったのですが、断る手立てをしらない真面目で、それこそビール1杯で真っ赤になるほど弱い友人はそういう付き合いが断りきれずに最後は命を絶ってしまったこともありました。最初に上手く断る嘘の1つもあれば良かったのですが、最初から真っ向に受けてしまい、逃げ道が無くなってしまったのだと思います。そういうことを避ける嘘というのは嘘じゃないと僕は思っています。新しい環境に入った時に自分の感覚を研ぎ澄まさせて、自分がトラブルに巻き込まれないように用心をするのはとても大事なことだと思います。旅行でもそういう経験はありませんか? 危ない場所というのがあって、「そこに立ち入らない方が良い」と言われた時に、普通は用心して歩くと思います。何もいつも怯えている必要はないんですけども、よく人を観察していればそのうち路上で声をかけてくる人の誰がスリであるかとか、ある程度周りが見えてくれば分かるようになると思います。
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路上の知恵というか社会の知恵というのは失敗しながら色んなことを学んでいくっていうこともあると思うんですけど、よく海外に行って物を買わされてぼったくりに遭ったという話を聞きませんか? けれども、ぼられるうちに大体仕組みが分かってきてですね、そのうち交渉の仕方とかも「いくら?」とまず自分から聞かないで、痺れを切らした相手に値段を言わせて、そこから交渉に入るとか。ものすごく欲しいものを見つけても全く興味がないよっていう顔で交渉するとか。そういう些細なことを経験しておくとですね、社会に出た時にもなんとなく役に立つと思っているんですけど。まぁ今なかなかそういう旅行が出来ないので新社会人の皆さんや学生さんには難しいかもしれませんが、なんで悪知恵というか生きていくための知恵っていうのを知った方が良いかと言えば、環境が変わって皆さん友達は沢山作りたいと思うんですよ。ひとりぼっちや孤立はしたくないと思うのは当たり前ですし、けれどもそのせいで周りを見失ってはいけないと思います。自分に無理はせず、避けるべきところは上手く避ける。嫌なものは嫌だと言いたいけれど、言えないような状況の時にどう切り抜けていくか、皆さんそれを考えてみてください。昔、「あいつは危ないギャングだから絶対に近寄るな。どんな顔をされても」と言われたことがありました。ところが偶然その人に会って喋ってしまう機会があったんですけども、こちらの予想に反してとても丁寧な話し方をするし話も面白いんですね。聞いていた話と違うなぁと思ったんですが、喋っているうちに突然、「君、面白いね、連絡先をくれ」と言われました。けれどなにか勘も働きましたし、友達の言葉も残っていて、当時は大体の人が携帯を持っている頃でしたけど、お金のない貧乏旅行時代でしたので、「いや携帯ないんだよね。何か連絡したかったらこちらからなんとか連絡しますよ」と切り抜けました。当然連絡はしなかったんですけど、一緒にいた人はホイホイ連絡先を渡していました。「あの人はすげえ。強いし、俺にはいい人だ」と。自分は特別なんだと勘違いしたのかもしれません。その後、知り合いはその元ギャングというのと仲良くなって、つるむようになって、途中で態度が豹変した相手から四六時中連絡が来るようになり耐えられなくなって、「もう付き合いきれない」と言ったら手を出されて大怪我をしたそうです。これは海外での話ですけども、日本でも似たような話は沢山ありました。僕が上手く逃げきれたっていうのは多分そういう経験をしたり、なあなあで付き合いを良くしようとしないで、最初にまず断ったのが良かったのかなと思っています。相手がそんなギャングじゃなくてもですね、タチの悪い自称先輩という同僚や会社の上司っていうのも沢山いると思います。以前も番組で話しましたが、この世は平等でもなければ、全くの平和でもないです。その中で自分が自分らしく生きていくには上手く知恵を付けて自分を守っていくしかない。こういうことって学校でも教えてくれないですし。皆さん、上手く周りを観察して自分の方法を見つけて、これからの毎日を楽しく過ごしてください。ラジオのおじさんは影ながら応援しています。
野村訓市
1973年東京生まれ。幼稚園から高校まで学習院、大学は慶応大学総合政策学部進学。
世界のフェスティバルを追ってのアメリカ、アジア、ヨーロッパへの旅をしたトラベラーズ時代を経て、99年に辻堂海岸に海の家「SPUTNIK」をプロデュース。世界86人の生き方をたったひとりで取材した「sputnik:whole life catalogue 」は伝説のインタビュー集となっている。
同名で「IDEE」よりインテリア家具や雑誌なども制作。現在は「TRIPSTER」の名で幅広くプロデュース業をする傍ら、ブルータス等の雑誌などで執筆業も行う。