TUDOR TRAVELLING WITHOUT MOVING

『TRAVELLING WITHOUT MOVING』・・・
「動かない旅」をキーワードに旅の話と、
旅の記憶からあふれだす音楽をお届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。


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#357 --- 訓市、大ピンチ！ 身体に異変が... ---

■番宣
前半はリスナーの皆さんからお寄せいただいたお便りをご紹介。
リクエスト曲や選曲のオーダーにもお答えします。

後半のテーマは「広島」。
内装の仕事で広島出張を控えた数日前の朝、
突然、訓市の身体を襲った大トラブルとは？
広島での仕事を終えて夕食後、訓市が散歩で向かった先・・・
そこで感じたことについて語ります。


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「旅」と「音楽」に関するエピソードや思い出の
メッセージをお待ちしています。
「旅先で聴きたい曲」のリクエストも大歓迎！

手紙、ハガキ、メールで番組宛てにお願いします。
番組サイトの「Message」から送信してください。
皆さんからのメッセージ＆リクエストをお待ちしています！！


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宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
TUDOR TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛

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Kunichi was talking …


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先日出張で広島へ行きました。国内の出張っていうのもほとんど無いんですけど、今回は内装の仕事でどうしても現地に行って色々確認せねばならず新幹線に乗って出掛けたのですが、遠いですよね広島って。広島より先に行くのには絶対に飛行機が便利というか早いのですが、広島の場合空港が市内から遠く、そこから中心部に行くのに1時間かかると考えるとトータルで見ればなんだかんだ新幹線も飛行機もほぼ一緒。ほぼ４時間かかるというのも普段でしたらゲっとなるところですが、遠出というものが最近無いので4時間窓から景色が見れるからいいな、と喜んで新幹線を選んだのが間違いでした。というのも、その直前にものすごい大事件が僕にあったのです。それはですね、人生初のぎっくり腰。しかもそれを人に見られたら大変情けない感じだったんですけども。朝誰もいない家で1人シャワーを浴びて、下着1つ。通称パンイチですね。パンイチでうろうろしてたんですよ、それで確か部屋で着替えを選ぼうと思っていた時に床にものが落ちていて。いかんいかん、片付けないと「何も出来ない人ね」ってみんなに叱られると思って、腰をかがんでそれを拾おうと前屈みになった瞬間にですね、何でそんなことをしたんだって思うんですけども突然くしゃみをしたんですよ。くしゃみをした時に僕は本当に、自分に雷が落ちたと思ったんです。もしくは拾ったものに電気が通ってて感電したのかっていうぐらい、ものすごい衝撃が体を貫きました。何が起きたのか全く理解出来ず、ちょっとしてからですね、これはMy腰に何かが起きたのだということを理解しました。とりあえずちゃんと立ってみよう、イタイ！まっすぐに立てないんですよ。じゃあこのまま座ってみよう、イタイ！座ることも出来なくてですね。僕はその前屈みの姿勢、なんですかね学校とかに昔あった二宮金次郎みたいなままフリーズしてしまいました。これはもう人の助けがいる。こういう時によく助けてくれる友達に電話しようと思ったら、当然パンイチですから携帯が無いんですよ。それで携帯が届かないんですよ、見えるんですけど。この時ほどですね、常に携帯ストラップで携帯を首から下げてなければいけないんだ。もしくはApple Watchを付けたままシャワーを浴びるような人にならなければいけないんだと思いました。なんとか横になり、嵐が去るのを待ち、友達が車で迎えに来てくれて針やら接骨院に通い何とか歩けるようになったのですが、ギックリ腰って本当に怖いですね。重いものを持ち上げる時になるのかと思っていたら、くしゃみでなる人はものすごく多くて。あとは車の運転してる人がシートベルトをしながら後ろのものを取ろうとした時とかにきちゃうらしいんですけども。とにかく、ギックリ腰を防ぐにはくしゃみが出そうになったらその前に壁や人の肩でもいいから手をついてからくしゃみをするといいそうです。そうするとまるで避雷針のように変な力が腰に行くのを防いでくれるそうなんですが、それ以来くしゃみが完全なトラウマになってしまいまして。くしゃみをしようとすると壁や人を探して右往左往してしまう自分がいます。情けないですがそれほど痛いものなんですよ、ぎっくり腰は。20歳でも、10代でもなるそうですよ。



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そう、すっかり腰の話で時間を使ってしまいましたが。とにかく、腰に爆弾を抱えて新幹線に乗った為、おめおめと景色を楽しむほど余裕が無かったですね。30分に1回は動けって先生言っていたようなぁとか、おっといけない足は組むと腰に悪いんだとか、色んなことが頭に浮かぶとどうも落ち着いてぼんやりも出来ない。そして遠い。もう大分経ったから半分きたかなと思ったらまだ名古屋で、もうそろそろ広島だろと思ったら新大阪。なかなか大変な長旅でした。広島を訪れたのは確か5年ぶりで、駅を出ると大規模な工事をしていましたが、のんびりとした路面電車も古いビルがたくさん残る街並みも、なんでしょうね。あぁ日本に来たなぁという気にさせてくれました。やはり街にはその場所にあった街並みというか、そういう雰囲気が欲しいですよね。金太郎飴のようなターミナルビルとか商業施設ではなくて。昼前に着いてから夕方までぶっ続けで場所を見たり打ち合わせをして、それから夜早めの夕飯を食べ、することもないのでぶらぶらと散歩をすることにしました。夜の8時からどこへ散歩しようか？旅先で8時にご飯を終えてお酒を飲まずに宿に帰るって、48年生きて多分初めてのことだったんですよね。そこでホテルの部屋からちょうど見えた広島城に行ってみることにしました。すぐ近くに見えたのですが実際に歩くと思ったより遠かったので腰をさすりながら行ったんですけども、これがですね想像した以上に綺麗でした。風が無く晴れた初夏の中で梅雨の中のぽっかり空いた夏日みたい日で、堀の水面が鏡のようになっていてその後ろの城郭がまるで鏡に写ったように映り込んでいて幻想的というか思わず何分も眺めてしまいましたし、犬の散歩をしている人としかほぼすれ違わないまま天守閣まで歩いていくことができました。なんだか時間の間に落ち込んだというか、時の流れが止まったような不思議な時間でした。広島城は戦争後に再建されたものなはずです。確か小さい時には見ているんですけども、本物じゃないからいいやっていうどこか冷めた気持ちがあって、今までちゃんと見ていなかったんですけどもライトアップされたその姿は本当に美しいもので、あぁ日本てなんて綺麗な国なんだと思わずにはいられませんでしたし、お城っていうのは無理に中に入らなくても眺めるものなんだなぁと思いました。東京の江戸城も眺める天守閣があったらいいなぁとその時本当に思いました。何度も広島を訪れたことはあったけれど、こんな風にぶらりと散歩して城を見たことはなかったなぁ。そうやって考えると、昔行った場所で、もうすっかり忘れているような日本の各地を再訪していくっていうのは良いことかもしれないなと思いました。行ったとこのない所ばかりを目指すよりも、知った気になっていた街をもう1度訪れてみるっていうのは悪くないと思います。もう少し移動が簡単に出来るようになったら、僕は急に城めぐりがしたいなぁと思いました。