★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
訓市が antenna* からセレクトした記事は・・・
【コロナ禍での日本帰国&ハワイ渡航記】隔離や公共交通機関の利用は?検査は?何が必要?
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
『TRAVELLING WITHOUT MOVING』・・・
「動かない旅」をキーワードに旅の話と、
旅の記憶からあふれだす音楽をお届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
#401 --- パスポートを使うのは、いつ以来だろう ---
前半はリスナーの皆さんからの“お便り”をご紹介!
リクエスト曲もオンエアします。
後半のテーマは「海外旅行」。
ニューヨークの知人からの仕事関連の誘いを受けて、
久しぶりにニューヨークを訪れた訓市。
その模様を伝える第一弾・・・
準備や資料揃えから提出までの作業に手こずった出国前。
さらに、羽田空港で直面した予想外の現実とは?
でも思わずニヤニヤしてしまったひと時について語る。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
「旅」と「音楽」に関するエピソードや思い出の
メッセージをお待ちしています。
「旅先で聴きたい曲」のリクエストも大歓迎!
手紙、ハガキ、メールで番組宛てにお願いします。
番組サイトの「Message」から送信してください。
皆さんからの“お便り”をお待ちしています!
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
TUDOR TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
MUSIC STREAM
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
First Taste Of Love (Original Mix) / Jake Island feat. Amber Jolene
Lost And Found / Patty Lee
In A Silent Way / Miles Davis
As Time Goes By / Eliete Negreiros
やぁ無情 / 斉藤和義
Prom / SZA
Sweet Child O'Mine / Taken By Trees
Gaze / Sweetback
Good Friday (Boards Of Canada Remix) / Why?
ON AIR NOTES
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。
Kunichi was talking …
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
久しぶりにニューヨークに行ってきました。振り帰ってみればちょうど3年ぶりで、初めて行ったのが中学の時ですから、80年代に行き始めてからはずっとよく行っていました。多い時は年に5回も6回も行っていましたし、それは2019年のコロナの前までずっと続いていました。氷点下の全てが凍ってしまうような真冬も、暖かくなり始めて人が浮かれている春も、水道管から水を撒き散らして子供が遊ぶ真夏も、そして木々の葉が色付き何ともいえない大人の雰囲気の秋にも。四季折々の違った表情を見せるニューヨークに滞在しながら僕はその街が大好きになりました。住む場所と、働く場所、そして遊び場の全てが近いこの街は短期間の滞在でも色んなことが出来るからです。僕はもっぱらダウンタウンで時を過ごしてきましたが、そこの住人たちっていうのは本当に面白くて飽きることがありませんでした。個性的なローカルの色んな住人たちに、夢を持ってニューヨークへと移り住んでくる若いアーティストたち。数年で成功して大きなロフトに住むやり手もいれば、逆に数年で夢敗れて街を去っていく者もたくさん見てきました。長い間、定期的に訪れていたので、そういう移り変わりをずっと見ることができたんですけども、それが人生ずっとできるわけではないとは思っていましたけど、まだしばらくは平気かなって思っていたんですが、僕とニューヨークとの関係はコロナが発生して突然絶たれたわけです。向こうの友達は定期的にFaceTimeのビデオチャットで連絡をくれるのでずっと話はしていたんですけども、それでもやっぱり画面越しだとどうも調子が掴めない。行こうかなぁ、行くまいかなぁ〜とずっと考えていたんですけど、ワクチンの3回目を打てば隔離が無いって知ってからもですね、3回打つってどうなんだろう?とか色々考えることがあって躊躇していました。何よりそれ以外、空港に行くまでに持っていく書類が大変だとか色々聞いていましたし。そんな時にバーバリーのアメリカ支社からニューヨークに来ないか?と突然連絡が来ました。「クンの友達ばかり集まるパーティもあるし、来れるんだったら招待するよ」と言われて、これはもうこの機会に1回行ってみないと、今海外行くっていうのがどれくらい大変なのかっていうのも分からないなと思って行くことに決めたわけです。まぁでも、じゃあ急に行くって決めて調べてみると、用意が本当に面倒臭かったです。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
日本に帰国した時に隔離が無いようにしなきゃいけない。それには3回目のワクチンを打ってその証明書を貰わないといけないのですが、英文表記のものは区役所に申請しなければなりません。マイナンバーカードっていうのがあるともう少し楽だって聞いたんですが、それは申請して取るのに1ヶ月以上かかると言われて諦めて区役所に連絡してみたんですが、まず申請書をダウンロードして書き込んでそれを郵送したら1週間後に届くと。そんなかかるのってびっくりして、それじゃ間に合わないと泣きついて、区役所に直接行ってなんとかフライト前日に手に入れることができました。間に合わなかったらどうしようってすごく焦ったんですけども…。それから出発時刻24時間以内のPCRの陰性証明。体調に問題なくても、いざとなると陽性だったらどうしようとビビるものですね。それ以外にもアメリカ大使館のサイトからダウンロードする書類がいくつかあって、それらをまとめて今度は航空会社のサイトから添付して送らなければいけません。2年以上アメリカに行ってませんからESTAも切れていて、それも慌てて再納付しました。この時点で何も考えずにほいほいと海外に行けてたことが夢のような感じだったんですけども、とにかくなんとか前日までに全ての用意が終わりましたが、今いちこれで本当に全部なのかっていう確証が持てない。ウェブの解説っていうのも分かりやすいようで実は分かりづらいって言うか、簡単に表で大きい文字とかで書いてくれれば分かりやすいんですけど、実はこれもありますみたいな書き方で。もう少し簡潔にならないと心配抜きに行きづらい感じかな〜って思いました。朝10時過ぎのフライトなので早めに、久しぶりの羽田に向かいました。チェックインにはやはり通常より時間がかかるようですごい列になっていました。「コロナ以来初だ」と列に並ぶ人たちからそんな話ばかりが聞こえてきて、やっと少し日常が戻ったんだなぁっていうことを実感しました。チェックインを終えて、本でも買いに行こうと上の階のレストランやお店があるフロアに行ってみたらほぼ全部が閉まっていて、朝だからやってないのかなって思ってシャッターを見に行ったら「休業中」と書かれていて、初めて空港で本を買えないっていう絶望的な気分で出国ロビーへと向かいました。忙しかったけど空港で文庫本でも買えばいいやと思っている方は気をつけたほうがいいですよ、いつまた開業するかはちょっと分からないんですけども。普通に出国審査を終えてゲートが並ぶ中へ久しぶりに入ると、やっと本当に飛行機に乗るんだなぁっていう気分になってきました。いつも食べていたつけ麺屋もお寿司屋さんも全部休業中で寂しい感じでしたけど、喫煙室に入ってタバコをふかしながら手に持つパスポートを見ていると、だんだんニヤニヤとしてしまう自分がいました。飛行機に乗り込んで、結局映画を観たり、うとうとしたりしているうちにやっとニューヨークに到着しました。アメリカの方の入国審査がどうだったかっていうと、まあほぼノーチェックですよね。体温すら計りませんし、あの準備は何だったんだっていう拍子抜けの感じで、すぐに入国することが出来ました。そしてJFKの外に出てタクシーに乗り込んで、一路マンハッタンに向かったんです。この後のことっていうのは、また近日中にお話したいと思います。
野村訓市
1973年東京生まれ。幼稚園から高校まで学習院、大学は慶応大学総合政策学部進学。
世界のフェスティバルを追ってのアメリカ、アジア、ヨーロッパへの旅をしたトラベラーズ時代を経て、99年に辻堂海岸に海の家「SPUTNIK」をプロデュース。世界86人の生き方をたったひとりで取材した「sputnik:whole life catalogue 」は伝説のインタビュー集となっている。
同名で「IDEE」よりインテリア家具や雑誌なども制作。現在は「TRIPSTER」の名で幅広くプロデュース業をする傍ら、ブルータス等の雑誌などで執筆業も行う。