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訓市が antenna* からセレクトした記事は・・・
羊文学、「THE FIRST TAKE」で「あいまいでいいよ」披露
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『TRAVELLING WITHOUT MOVING』・・・
「動かない旅」をキーワードに旅の話と、
旅の記憶からあふれだす音楽をお届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。
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#402 --- モエカさんと二人で ---
昨年、訓市が聴いた中で特に気に入ったバンド、
羊文学のヴォーカル&ギター【塩塚モエカさん】を
ゲストに迎えて、二人でお送りします。
実は同じ大学に通っていた二人・・・
大きく年齢が離れた先輩と後輩の会話は噛み合うのか?
モエカさんが体験した海外ツアーを思い出す曲、
そして、羊文学の作品が生まれた背景についても伺う。
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「旅」と「音楽」に関するエピソードや思い出の
メッセージをお待ちしています。
「旅先で聴きたい曲」のリクエストも大歓迎!
手紙、ハガキ、メールで番組宛てにお願いします。
番組サイトの「Message」から送信してください。
皆さんからの“お便り”をお待ちしています!
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宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
TUDOR TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛
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MUSIC STREAM
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
Moon River / Morrissey
Tiger In The Rain / Michael Franks
Look For The Silver Lining / Brad Mehldau
The Weight Of My Words / Kings Of Convinience
あいまいでいいよ / 羊文学
Spit On A Stranger / Pavement
Get Away / Yuck
Nothing's Gonna Hurt Us / Lucy
Hopi / 羊文学
ON AIR NOTES
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。
Kunichi was talking with MOEKA
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訓:一応この番組は旅っていうのがテーマになってるんですけど。旅の思い出に紐づいた曲っていうのをモエカさんに聞いたところ、Pavementの「Spit On A Stranger」。これはどんな思い出が?
モエカ:カナダツアーに初めてバンドで行った時に、なぜかずっとPavementを聴いてました。飛行機でも。
訓:たまたま?
モエカ:なんかその時に好きだったっていうのもあるし、初めてカナダ中を周るっていう景色と、Pavementってマイクのところにクリスマスのライトみたいなのを巻きつけながら…。そのライブ映像のイメージがあって、バンドの楽しい景色とかカラフルなライトのイメージとかが外国でのライブみたいなことをすごくワクワクさせてくれて。
訓:連想させたのね。
モエカ:うん。
訓:また移動が出来るようになり始めてきたけど、じゃあ海外ツアーっていうのはまた考えてるんですか?
モエカ:うーん、ずっと行きたいと思ってて。台湾とか行ったことないので行ってみたいしアメリカも行ったことないから。
訓:絶対ニューヨークとかやったら盛り上がると思うんだけど。
モエカ:どうなんですかね?
訓:自分が思ってる以上に盛り上がる曲が多いと思いますよ。
モエカ:そうですか? 結構私たちの曲ってJ-POPっぽいところもあるのかなとかも思ってて、だからどういう風に受け止めてもらえるんだろうって、逆に日本であんまり盛り上がらない曲が盛り上がったりするんですかね?
訓:どうだろう。だけど羊文学の音楽って僕が今49歳なんですけど、僕のちょっと上とか下で90年代とかにJ-POP嫌いで洋楽が全てだって思っていた人たちがすごく好きなのね。
モエカ:あ、そうですか?
訓:うん、ちょっとね、まずいくらいおじさんたち。ファン的に良いのかどうか分からないけど、「羊は良い」ってなってますよ。
モエカ:ありがたいですよ。
訓:そして今特に聴いてほしい曲、Lucyの「Nothing’s Gonna Hurt Us」っていうすごいメロウな曲ですけど。
モエカ:はい。
訓:これは?
モエカ:Lucyは台湾のアーティストなんですけど。
訓:台湾なんだ〜
モエカ:そうなんですよ。私たちコラボして「OH HEY」って曲を最近一緒にLucyと出して、それで私は初めてLucyを聴いたんですけど。
訓:コラボをするきっかけっていうのは?
モエカ:Lucyの方から。羊文学を好きでいてくれたみたいで、それで誘ってくれてコラボしました。
訓:それで、どんな人だろうと思って聴いてみたらすごい良かったと。
モエカ:そう、こう呟くような。
訓:ね。
モエカ:歌も多分すごく、ちっちゃい声なんですけどテクニックもすごい感じがして、曲も自分で書いていて。検索してもあんまり出てこないんですけど。
訓:そうだよね。これを見て誰だろうと思って聴いてみたらすごく良いなーっと思ったし、ちょっと時代がいつかも分からないっていうか。不思議な空気感だなと思って。
モエカ:そうなんですよね。
訓:でもまだ会ったことがないと。
モエカ:そうですね、リモートで制作したので。話も1回くらいしか会議しなかっ
たし通訳さんも挟んでたから、あんまりすごい色々話せたって感じじゃなくて。
訓:じゃあやっぱり台湾に行って1回会ってみたいよね。
モエカ:会ってみたいです。
訓:そもそも僕がモエカさんのバンドをすごく良いと思ったのは、洋楽っていうか90年代初頭のシューゲイザーとかいうジャンルだったり、あの頃のロックの疾走感とかそういうのをすごく感じて。こんなバンドがいたの?と思って、バンド名がややこしいなっていう。その鳴ってる音とバンド名があまりにもギャップがあったから聴いた時すごい良い驚きだったんですけど・・・。モエカさんにとっての音楽のルーツ、影響を受けたアルバムがYuckの『Yuck』っていう割とマニアックなところなのかなーと思ったんですけど、好きになったきっかけっていうのは?
モエカ:高校生とか中学生くらいの時にあまり何して遊んでいいか分からなくて、暇があればタワーレコードに行って色々視聴してたんですよ、ずっと。お金ないからあんまり買えないんですけど…。で、全部視聴して最後に1枚だけ本当に好きだったやつを買うっていうのをやってて、そこで出会いました。ジャケット面白いなって思って。
訓:あ、ジャケ買い。
モエカ:そうです。ジャケで良さそうなやつを視聴してくんですけど。変な人面犬みたいな感じ?のジャケット。
訓:それに惹かれたんだ。
モエカ:そうです。
訓:人面犬に。
モエカ:人面犬じゃないんですけど、なんかこう右利きの人が左手で描いた人面犬みたいなジャケットなんですけど…。
訓:あの、スタジオの向こうでみんな目がハテナに。
モエカ:えー…。
訓:左手で描いた人面犬。
モエカ:ヨボヨボの感じ。
訓:昔だったらタワーレコードとかって店員の方がポップ、オススメのカードみたいなのが付いていて、僕は割とそれに騙されたりすることも多くて。どこどこのバンドのプロデュースをしてた彼が発掘した〇〇で〜って、読んでるうちにすごい良さそうじゃない?みたいな。それで買ったら近所に住んでる友達の家にすぐそれを持って行って、聴いてがっかりみたいなのが多かったんですけど。
モエカ:楽しそう。
訓:じゃあ、Yuckはこういうジャンルを探しに行ってとかそういうんじゃなくて、たまたま視聴して視聴機で。
モエカ:そうですそうです。だから私はみんなが聴いてる“王道のこれ!”みたいなのをあまり聴いてなかったりして、全部タワレコの視聴機から教わったりとかしてるんですよね。タワレコのバイヤーさんのチョイスで。
訓:人生が左右されたわけだ。
モエカ:そう。
野村訓市
1973年東京生まれ。幼稚園から高校まで学習院、大学は慶応大学総合政策学部進学。
世界のフェスティバルを追ってのアメリカ、アジア、ヨーロッパへの旅をしたトラベラーズ時代を経て、99年に辻堂海岸に海の家「SPUTNIK」をプロデュース。世界86人の生き方をたったひとりで取材した「sputnik:whole life catalogue 」は伝説のインタビュー集となっている。
同名で「IDEE」よりインテリア家具や雑誌なども制作。現在は「TRIPSTER」の名で幅広くプロデュース業をする傍ら、ブルータス等の雑誌などで執筆業も行う。