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訓市が antenna* からセレクトした記事は・・・
素足で歩くだけで得られる効果とは? カリフォルニア発の健康法”アーシング”
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『TRAVELLING WITHOUT MOVING』・・・
「動かない旅」をキーワードに旅の話と、
旅の記憶からあふれだす音楽をお届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。
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#428 --- 訓市がロスに住めない理由 ---
3年ぶりに訪れたロサンゼルス。
出国前の成田空港に驚き、
現地に降り立って見上げた青い空と
乾いた空気を吸って感じたこと。
ロス在住の長年の親友に会って、
いつものように街中をドライブしながら
二人で交わした会話は、意外にも・・・。
歳とともに移動がキツくなった
と感じながらも訓市が旅を続け、
機会さえあれば必ずロスに足を運んでいる
最大の理由とは?
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「旅」と「音楽」に関するエピソードや思い出の
“お便り”をお待ちしています。
「旅先で聴きたい曲」のリクエストも大歓迎!
手紙、ハガキ、メールで番組宛てにお願いします。
番組サイトの「Message」から送信してください。
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宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
TUDOR TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛
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MUSIC STREAM
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
Woof Woof / Arthur
I Like To Live The Love / B.B. King
Israelites / Desmond Dekker & The Aces
Better Than I Imagined / Robert Glasper feat. H.E.R. & Meshell Ndegeocello
Imaginary Folklore / clammbon by Nujabes
I'd Rather Go Blind / Christine Perfect
As Long As You Follow / Fleetwood Mac
Got A Hold On Me / Christine McVie
Hallelujah / Haim
ON AIR NOTES
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。
KUNICHI was talking
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先日、ロサンゼルスに行ってきました。最後に行ったのがいつだったのかも思い出せないくらいで、とにかく3年以上行っていなかったっていうのは確かです。「SOHO House」というメンバーシップのホテルが呼んでくれたのですが、チケットも取ってくれるというのでラッキーと思って…。ただアメリカの人に飛行場のことをちゃんと話さなかったからかもしれませんが、チケットを見ると出発地が羽田じゃなくて成田。成田に行くのはもう何年振りかという感じで、「遠いなあ〜」と。羽田に慣れてしまうと成田までの1時間以上の道程っていうのは物凄くぶっちゃけ苦痛だったんですが、行ってみたらターミナルの中が様変わりしていて初めて来た空港のようでした。自分が高校生で留学する時に友達が集まって見送りに来てくれた、あの思い出深い成田空港はもう存在しないんだなぁ〜と思うと寂しいものですが、まぁ何年前のことを引きずってるんだって言えば、もう30年以上前のことになってしまったので、変わってなかったらまずいんですけどもね。ただ中のお店とかはすごく充実していて、羽田よりか中は良いんじゃないのかなと思いました。行きは10時間を切るくらい早くLAに着きました。そして、もう10分そこらで入国審査を終えて、外に出て久しぶりのロスの青空を見て感激しました。何度来ても最初に目にする青空っていうのを見ると、「あぁ、カルフォルニアに来たなー」と感じる本当に素敵な景色だと思います。友達が車で迎えに来てくれて、そのままロスに行ったらお約束の「インアンドアウトバーガー」へ行きました。これまた3年ぶりで、今回はグルテンフリーということでパンの代わりにレタスで包んでもらうプロテインスタイルで食べたんですけども、僕はインアンドアウトのあのパンが大好きなので一瞬パンを1年ぶりに食べちゃおうかなと思ったんですが、食べた後に起こるリスクを考えるとですね、断念しました。ポテトのラージを2つくらい食べて、すっかり満足してホテルに移動。着いたその日の夜にパーティーをやるっていうのが向こうに呼ばれた理由でした。泊まるホテルの上でパーティーをするってことで、どんなに酔っ払っても、そのままエレベーターで数フロアで寝れるわけですから楽なんですけども。ロスはお酒の販売が2時で終わってしまうので、その前にまずホテルの部屋にがっつりとボトルの酒を用意してもらいました。ロス好きなんですけども、とにかく夜が早いっていうのがね。「DJの音が良いぞ」とか、「盛り上がってるからおいでよ」って友達から連絡が来て時計を見るとそれが夜の9時とか10時ですからね。そして皆、2時には本当に家に帰って、次の日朝から起きて運動をしたりエクササイズとかをしているわけです。とても健康的なんですけども、そこが自分と西海岸との価値観の違いを感じる大きなところです。やっぱり僕は東京やニューヨークみたいに歩いてはしご酒が出来て、夜明けに知らない人と肩組んで合唱したりするっていうのが自分には合ってるのかなーと思います。まぁ大体、今回は会場とホテルが一緒だったから良いものの、ロサンゼルスで遊びに行くと酔っ払って2時に追い出されて、そこからウーバーとかで車でまた30分とかかけて帰るわけですよ。住むことは絶対に無理かもしれません。
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初日にやったパーティーはとても上手く行き、お酒が切れた後は部屋でどんちゃん騒ぎをして飲んで、次の日全く使い物にならなかったんですけども、その後は僕の親友に会いに行くことが出来ました。今回は連れのDJが一緒に日本から2人来ていて、しかも同じ部屋に泊まるという男子中学修学旅行状態だったので、ロスにいてここ10何年間で初めてその親友の家に泊まらなかったんです。いつもは「ホテルに泊まるなんて以ての外だ」と言われて、必ず彼の家にあるゲストルームに泊まるっていうのがお約束事でした。行くとゲストルームは洗い立てのシーツをちゃんとピンと張ったベッドと、サイドテーブルには今回の旅ではこれを読めという本を必ず置いておいてくれます。そして時差ぼけで早起きした僕が庭に出てタバコを吸いながらぼ〜っとしていると、「おはよう、友よ」と2階の玄関のドアからひょいと顔を出し、コーヒーを持ってきてくれます。そして朝から一日中、最近仕入れたという最新のジョークやくだらない小話を延々としながら、行き先も決めずドライブをする。そうすると日本にいる時に色々と考え過ぎていた仕事のことやら、なんやらと心の中に溜まった澱のようなものが消えていくような気分になって、元気に東京に帰る。それが僕が毎年必ず15年くらいやっているもので、それが本当に僕にとってのデトックスというかリセットになっていました。コロナ禍になってからというものの、月一のFaceTimeで顔を見て話してはいたんですが、あぁあいつの家に泊まってだらだらと過ごすあの時間が無いとどこか違うなーとずっと思っていました。なので3年ぶりにやっと会い、早速親友の車に飛び乗ってドライブをしながら、くだらない話を延々としました。ちゃんと会ったらあれを話そう、これを話そうと色々と思っていたのですが、結局そんな話をする暇も全くなくて、大体相手が話すのが最近聞いたバイクの事故の話で。男の大事な場所の皮が嘘みたいに剥き身になったが元に戻ったという訳の分からない話とか、パンツに付いちゃったシミの形について30分話すとか。本当にこれ以上ないぐらいくだらないんですけども大笑いして、それからたまに少しだけコロナ禍の間にあった様々な出来事でちょっとしんみりもして。半日くらいしか時間は無かったんですが、それでもドライブが終わる頃には何故か僕の心はまたスッキリ晴れ晴れとしていました。距離が離れていても、なかなか会う機会が無くても、出会うと一瞬で昔の通りに戻れる親友というのは本当に有難いものです。こういう人に出会えるっていうのは本当に運で、お金とか仕事でどうだっていうことで手に入るものではないです。何があっても、どんな時にどんな時間が経っても、会えば何も言わずとも受け入れてくれる友達。ライフスタイルが合わないロサンゼルスに僕が仕事とか何か要件があるといそいそと出かけてくのは、そんな素敵な大事な友達がいるからです。
野村訓市
1973年東京生まれ。幼稚園から高校まで学習院、大学は慶応大学総合政策学部進学。
世界のフェスティバルを追ってのアメリカ、アジア、ヨーロッパへの旅をしたトラベラーズ時代を経て、99年に辻堂海岸に海の家「SPUTNIK」をプロデュース。世界86人の生き方をたったひとりで取材した「sputnik:whole life catalogue 」は伝説のインタビュー集となっている。
同名で「IDEE」よりインテリア家具や雑誌なども制作。現在は「TRIPSTER」の名で幅広くプロデュース業をする傍ら、ブルータス等の雑誌などで執筆業も行う。