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訓市が antenna* からセレクトした記事は・・・
【来日MCまとめ】侍ジャパンを祝福!ラーメン屋での注文再現!ハリー・スタイルズ来日公演で飛び出したユニークすぎる日本語MC集
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『TRAVELLING WITHOUT MOVING』・・・
「動かない旅」をキーワードに旅の話と、
旅の記憶からあふれだす音楽をお届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。
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#444 --- “里帰り”した息子と久々に会った感覚 ---
前半は番組リスナーの皆さから寄せられた
“お便り”の中からピックアップして紹介。
曲のリクエストや選曲のオーダーにもお応えします。
後半のテーマは「ハリー・スタイルズ来日」。
久しぶりの来日公演で来日したハリー・スタイルズに
会った時に訓市が感じた“親の気持ち”とは?
ハリーが東京滞在中に一緒に過ごした楽しい時間・・・
今回はハリーの熱い希望に応えて、
あの人との対面が実現!
日本を離れる直前にハリーが残していってくれたコトバ...
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「旅」と「音楽」に関するエピソードや思い出の
“お便り”をお待ちしています。
「旅先で聴きたい曲」のリクエストも大歓迎!
手紙、ハガキ、メールで番組宛てにお願いします。
番組サイトの「Message」から送信してください。
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宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
TUDOR TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛
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MUSIC STREAM
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
Love Never Felt So Good / Michael Jackson
How Come U Don't Call Me Anymore / PRINCE
Daylight / Harry Styles
English Rose / The Jam
あまい果実 / スガシカオ
Myth / Beach House
Daniel / Elton John
Sustah, Sustah / Ahmad Jaml
Peace Piece / Herbie Mann
ON AIR NOTES
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。
KUNICHI was talking
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久しぶりに来日したハリー・スタイルズについて、また話したいと思います。ライブをしたのは確か2017年の年の瀬だったと思うんですが、最後に一人で来たのも2019年。僕が個人的に最後に会ったのもロンドンでギャラリーを見学していた時にフラッと現れてご飯を奢ってくれたのが最後か、ロスでスタジオを案内してくれてから寿司を奢ってくれたのが最後か忘れましたが、それでも3年以上は前のことです。東京ではよく僕の家にもいたので家族も全員ハリーに会うのを楽しみにしていたんですが、深夜便で着いて昼寝してからさっそく一人で僕の家までやって来ました。「家がどこにあるかちゃんと覚えてるぜ」と豪語して、多分Googleマップをチェックして行ったんだと思いますが、「あと20分で着く」だの、「近くのコンビニで何かいるか?」だの。「あと2分で着くぜ」とテキストしてきて、最後の最後に全然着かないのでどうしたのかと思ったら「部屋番号だけ忘れた」と、そんな感じでした。ドアを開けて待っているとやあやあ言いながら入ってきたのは、最後に会った時はまだ25歳であどけないところも少しありましたが、今は29歳の男らしい感じになっていて、数年会わなかった息子が帰ってくる里帰りされた親の気持ちというのはこういうものなのかな?という疑似体験を味わいました。まぁ中身は何も変わらずで、カタコトの日本語を駆使しながら、コロナが始まってツアーも何も出来なくなった時にスタジオにこもって曲作りを始めた2020年の春からの話をずっと聞きながら、ご飯を食べに行ったり酒を飲みに行ったりしました。東京に来たいと言っていたので、いざ着くと多分昔の思い出を振り返りたいモードになったのかなっていう感じで、前よく行ったあそこに行こう、あの場所の人に挨拶しに行こうと初日の夜から随分と一緒に歩きました。「僕は本当に日本が好きだ。人は親切だし、ご飯は美味しいし、以前東京で過ごした5週間は人生で最良の時間の一つだ」としみじみと言われて嬉しくなりました。それはライブでも言っていたんですけど。僕は自分が海外で人に親切にされて育ってきたので、逆に誰かが東京に来た時は出来るだけ親切にして東京を好きになってもらいたいなといつも思っています。とはいえ観光客の中には自分が海外にいるからと傍若無人に振る舞ったり、地元の人を小バカにしたりするような光景を目にして腹を立てることもあるんですけども、本当に東京が好きになって大事にしてくれる人もたくさんいて、そういう人と出会うと日本人としてとても嬉しいと思うのですが、ハリーはその中でも最上級に東京、そして日本が好きな人です。
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ツアー初日の有明アリーナに招待してくれたので、友人も家族も連れて観に行きました。歓声の上がる満員のアリーナ。あぁ声が出せるライブというのはこんなにも無音の時と違うものだったんだ…と皆で話しながら観たライブは集まったお客さんを最初から最後まで楽しませようというハリーの気概に満ちていて笑顔が溢れる素晴らしいものでしたし、パフォーマーとしても今まで150回以上公演を重ねてきただけあって本当に堂々としたもので、流石グラミー賞を受賞したアーティストというものでした。でも本当に気取るところがなくて、何度も「ありがとう」を繰り返していましたし、ファンや裏方さんへの感謝ももちろん述べていましたし、お礼を言う時は必ず90度曲がるお辞儀をするんですけども、それを見ていて普段とステージの間にギャップがない本当に人間が出来た奴だなあと思って見ていました。復習していた日本語が皆にウケていたのをとても本人も喜んでいましたね。好きなラーメン屋さんのオーダーの仕方をそのまま言っていましたが、「チャーハン肉抜き」って美味しいのかって感じですが、本当に口癖ですからね。ライブが終わり3日ほどオフを取ったので買い物に行ったり、ぶらぶらしたのですが、来日する前からどうしてもしたいと言っていたYMOの細野晴臣さんの自宅にもお邪魔することができました。というのも「Harry's House」、アルバムのタイトルが細野さんが過去にリリースしたソロアルバムのタイトルと同じわけで、それっていうのも日本に来て、より日本の音楽に親しんで細野さんを凄くリスペクトしたっていうのもあるんですけども、なんとかお邪魔することができました。創作についての質問をしたり、それに対して細野さんが返してくれてハリーに質問したり。色んな話をしていまして、1時間以上話したところで、「これって録音しとけば良かったんじゃないの? これ音楽誌のインタビューになったんじゃないの?」って言った時には、時すでに遅しってやつだったのですが、まぁ、なんでも表にするんじゃなくてプライベートな場だったらから良かったのかなーとも思いますが。歳がたいぶ違う2人が音楽っていうのを共通言語に初対面でずっと色んな話をしているのを通訳しながら、素敵な会話だなあと思いましたし、やっぱり音楽ってすごいなっていう。感情がこもった音っていうのは言葉が何であれ惹かれるものだっていうのがお互い言い合っていたことで、ハリーは「だからこそ僕は細野さんの音楽が凄く感情がこもっていて好きになったんだよ」っていう話もしていました。僕的にはいつか2人で何か一緒に曲とかを作ったら凄く面白いんじゃないのかな〜と勝手に想像して聞いていました。結局それですぐ帰っていったんですけども、バイバイする時に最後に言ったのは、いつも言う「カエリタクナイ」っていうやつで、きっとまたふらっと帰ってくる気がします。その時こそはですね、皆さんどうぞほっといてあげてくださいね。ラーメン啜っているところを後ろから隠し撮りされたりとか、考えただけでも自分だったら嫌だなーと思うので。もしラーメン屋で見かけたら黙って食べさせてあげてください。
野村訓市
1973年東京生まれ。幼稚園から高校まで学習院、大学は慶応大学総合政策学部進学。
世界のフェスティバルを追ってのアメリカ、アジア、ヨーロッパへの旅をしたトラベラーズ時代を経て、99年に辻堂海岸に海の家「SPUTNIK」をプロデュース。世界86人の生き方をたったひとりで取材した「sputnik:whole life catalogue 」は伝説のインタビュー集となっている。
同名で「IDEE」よりインテリア家具や雑誌なども制作。現在は「TRIPSTER」の名で幅広くプロデュース業をする傍ら、ブルータス等の雑誌などで執筆業も行う。