ON AIR DATE
2023.08.13
BACKNUMBER
  • J-WAVE
    EVERY SUNDAY 20:00-20:54


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訓市が antenna* からセレクトした記事は・・・
フジロックがグラストンベリーに学んだ「フェスのあるべき姿」 アジカン後藤正文が花房浩一に訊く

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TUDOR logo


『TRAVELLING WITHOUT MOVING』・・・
「動かない旅」をキーワードに旅の話と、
旅の記憶からあふれだす音楽をお届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。


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#462 --- 行くこと自体が目的なのです ---

前半は皆さんからのメッセージを紹介!
曲のリクエストや選曲オーダーにもお応えします。

後半のテーマは「フジロック2023」

今年は晴天に恵まれ、待ち望んでいた
通常スタイルが戻ってきた「フジロック」・・・

東京の湾岸で開催された第二回を除いて
全参加の訓市は、なぜ、フジロックに行くのか?

25年の歳月を経て、
ひと世代若い人たちと現地で出会い、
会話をして感じたことについて語る。

訓市は来年のフジロックにも参戦するのだろうか?!


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「旅」と「音楽」に関するエピソードや思い出の
“お便り”をお待ちしています。
「旅先で聴きたい曲」のリクエストも大歓迎!
手紙、ハガキ、メールで番組宛てにお願いします。
番組サイトの「Message」から送信してください。

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宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
TUDOR TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛

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2023.08.13

MUSIC STREAM

旅の記憶からあふれだす音楽。
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
1

Reasons / Earth, Wind & Fire

2

Driving / Everything But The Girl

3

Kids And Dogs / David Crosby

4

Near Light / Olafur Arnalds

5

恋しくて / ビギン

6

Music On My Teeth / DJ Koze feat. Jose Gonzalez

7

Running Around / Buddy Ross

8

Skinny Love / Japanese Breakfast

9

Camilla / The Art Of Noise

2023.08.13

ON AIR NOTES

野村訓市は、どこで誰に会い、
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。



KUNICHI was talking

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もう2週間ほど経ってしまいましたが、フジロックに行ってきました。コロナ前の通常のフジロック、つまりなんの制限も無かった最後というのが2019年でしたから、4年ぶりに好きに声を上げたり、お酒を飲んだりというフジが帰ってきたのです。歓声もお酒もなく入場規制のあった一昨年や、人は多いけれど歓声なしの昨年、段階を経ての今年だったので、とても感慨深いものがありました。今年初めてフジに来たという若い子に「訓さん、今までで一番思い出深いフジっていつですか?」「一番良かった年はいつですか?」と聞かれて、うーんと考え込んでしまいました。何しろ僕は東京の湾岸で開催された第2回目以外、つまり全26回中25回行っているので、どれがどれだか覚えていないのが正直なところです。考えてもみてください、例えば小学校の修学旅行を。あれを同じ場所に20年以上連続で行ったとしたら、きっと何が何だか分からなくなると思うんですけども、僕にとってフジってそんな感じになっています。ただ、第1回目というのはもちろんしっかりと覚えています。1997年の夏、2日間の開催で、場所も苗場ではなく富士山麓。確かにフジロックと名乗れる場所で、しかも初回ということで多分ものすごい気合いが入っていたんだと思うんですが、出演者がとんでもなかったですからね。レッチリにレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、エイフェックス・ツイン、グリーンディにプロディジーなど、当時本当に人気絶頂の人たちが一堂に会すというわけですから。音楽雑誌とかを見ていて、海外のフェスってすごいなぁ〜、こんなに色んなバンドが集まって1日分のチケットで観られるなんて羨ましいな〜って思っていたのを、まさかまとめて日本で観ることができるっていうのは信じられないくらいの衝撃でした。まぁ結果は皆さんも読んだことあると思いますが、台風直撃で地獄のような1日でした。お客さん自体も初めてフェスに行くって人が多くて、Tシャツに短パン、スニーカーみたいな格好で、どうせ夜通し音楽聴くから寝ないでしょっていう感じで寝袋もテントもタープも無い人もたくさんいまして、本当に大惨事でしたね。トイレに行こうと思って仮設トイレを開けたら中に2、3人寝てたりですね。雨を防げる場所がなくって仮設トイレで寝てるんですよ、香ばしい匂いの中で。そして2日目は朝から晴れまして、やったー今日はちゃんとしたフェスだぞ!と思ったら、キャンセルの紙がテントに投げ込まれて。「まじ?」っていう。「こんなに晴れてるのに、今日ないの?」っていう失意の中で帰ったことを覚えています。


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フジロックっていうのは3回目からは今と同じ苗場で開催されるようになりました。日程も3日間になり、“4日酔い”が始まったのはこの3回目からです。このあたりの4、5年っていうのは出演者がものすごく豪華だった気がします。解散前、全盛期のフィッシュとか最高でしたし、アジアでフェスをやってるのがまだ日本だけだったのかな?フジにとっても色々呼びやすかったのかなと思います。逆に今は本当に円安で、ギャラ交渉も大変だって話を色んないところで聞きます。今後、昔のようなラインナップっていうのは難しいとは思うんですが・・・。2001年のニール・ヤングとか本当に素晴らしかったですし、後にも先にもニール・ヤングはフジでの1回しか観られていないぐらいです。ちなみにその年はオアシスもエミネムもヘッドライナーとして来日していましたから。しかもそれが、よくある再結成の集金ツアーとかではなくてですね、現役バリバリの時です。そんな時代があったの?っていう若い人たちに、いつかそんなラインナップのフジを見せたいものですけども。ただ、ヘッドライナーが豪華であれば全て良しっていうのではなくて、会場中に点在した色んなステージを回ったり、ちょっとした遊び場で休憩したり、小川に足を浸したりとか、そういうのがフジの素敵なところなんじゃないのかな〜と思います。自分の関心も最初のうちっていうのは確かにレッチリが観たい!とか、レイジが観たい!っていうのがありましたけども、若いうちから「フジに行く!」っていうのが目的になってきましたし。特に2000年からは「パレス・オブ・ワンダー」というチケットが無くても遊べる場所で、オーガナイザーのスマッシュさんと一緒にバーをやっているのですが、それも楽しみの一つになりましたし。最初は3日間バーテン、立て込み、DJ込みで4人で回してたんですよ。もう地獄のように忙しくて大変でしたけど、その頃っていうのはサーカスとかもなくてですね、まだクラッシュのジョー・ストラマーが生きていて、その自分のフェス仲間、もうきったないんですよ。よく飛行機乗れたねぐらいな感じのおじさんやおばさんが、どこかから拾ってきたカラオケマシーンで、と言ってもオケがないんですよ。スピーカーとマイクしか動かないんですが、それでアカペラのカラオケパーティをやっていましたからね。遊ぶって、こうやって遊ぶんだなーってその時思いましたけど、マイクで通行人の若いレッチリファンの男の子を捕まえて自己紹介させてゲラゲラ笑いながら「歌を歌え!」ってやるんですよ。一番覚えてるのは、その若い子で英語も喋れなくてすっごい緊張していて、名前を言った後に「歌を歌え!」って言われて、歌を知らない、国歌ぐらい分かるだろっていうのが通じたんでしょうね、君が代を歌ってましたけど、朝の8時くらいにその酔っ払いのジョー・ストラマーたちに絡まれて。でもすごく楽しそうで、そういうのもフェスの醍醐味なのかなーと思います。フェスっていうのは若い時から歳を重ねて段々楽しみ方っていうのが変わってくるものだと思います。バギーで親と一緒に来ていた子が30歳になっていて、バーで今年声かけられましたけど、腰が抜けるほどびっくりしましたが。そして若かった子がいつの間にか家族持ちになっていてものすごく老けていたりですね、「訓ちゃん!」って言われて、飛びのいてしまいましたけど。「お、お前は誰だ…」っていう。「僕だよ、僕」って言われて「結構苦労したんだなー、お前も」っていう話もしましたし。そんな会話ができるのもフジの醍醐味かなーと思います。フジロックっていうのはイギリスの「グラストンベリー」というフェスがありまして、それを参考にしているらしいんですが、だいぶ本家に近いちゃんとしたカルチャーになったんじゃないのかなーと思います。そして本家より遥かに綺麗です。温暖化のせいか苗場も随分と暑くなりましたし、今年はブヨにも刺されましたし大変でしたけれども、子供からおじいさんおばあさんまでが音楽に浸れる3日間。本当に良いものです。リスナーの皆さんも重い腰を上げて、来年はぜひどうぞ。