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Just relaxin' because it's Sunday night
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『TRAVELLING WITHOUT MOVING』・・・
「動かない旅」をキーワードに旅の話と、
旅の記憶からあふれだす音楽をお届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。
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#499 --- ジェームスと過ごした一夜 ---
テーマは「ディスコ」。
20年来の大親友、
LDCサウンドシステムのジェームス・マーフィーとの
出会いから現在に至る友情・・・
似た者同士の二人が愛する
「音」で遊んだ東京の一夜。
老若男女が集い、各々が楽しめる
「ディスコ」の真の魅力について語る。
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「旅」と「音楽」に関するエピソードや思い出の
“お便り”をお待ちしています。
「旅先で聴きたい曲」のリクエストも大歓迎!
手紙、ハガキ、メールで番組宛てにお願いします。
番組サイトの「Message」から送信してください。
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宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
TUDOR TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛
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MUSIC STREAM
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
Life (Cosmack Extended Mix) / Des'ree
Presidential feat. Elijah Blake / Rick Ross
Satisfy My Soul / Bob Marley & The Wailers
Old Man / Beck
Goldfish feat. Daine / Kenta Dedachi
Blame It All On Me / Danrell
Stay In The Shade / Jose Gonzalez
By Design / Jacob Banks
New York I Love You But You're Bringing Me Down (Live at Madison Square Garden) / LCD Soundsystem
ON AIR NOTES
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。
KUNICHI was talking
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先日、青山で久しぶりに“パーティー”をしました。そう言うと、「いやいや、久しぶりって、ちょこちょこやってるだろ!」と突っ込まれてしまうんですけども、いわゆる少人数のDJだけで、良いサウンドシステムを使ってやる“パーティー”という意味です。ホテルのラウンジでフリーパーティーをやったりもしますが、それは誰でもどうぞという、すごくカジュアルなものですし、そもそも大きな音は出せません。色んなライブを入れて30人くらいキャストがいるパーティーっていうのはちょっとしたフェスのようで楽しいですが、1人のDJが何時間もかけてじっくりストーリーを作りあげるような時間がありません。それが今回は久しぶりにできたなぁ〜と演者さんも感じる“パーティー”ができました。LCDサウンドシステムというバンドがいます。ライブでは大人数の編成ですが音源は1人で、ジェームス・マーフィーというミュージシャンが作っています。僕がニューヨークで彼と出会ったのが多分2001年くらいですから、もう随分と古い付き合いで、“アメリカの”とか形容詞が付かない本当の親友の1人です。彼の昔の彼女が友達で、「今度のボーイフレンドはね、クンとすごく気が合いそうだから一緒に会いましょう」と言われて会ったのがきっかけです。なんで気が合うと思ったのって聞いたんですけど、「レコードとかスピーカーが大好きで、ラーメンとコーヒーについてメモを取っているオタクだ」と。俺はそう思われていたのかと、その時思ったんですけど、是非と言って会ったのがジェームスでした。当時、彼はニューヨークのダウンタウンに住んでいたのですが、その頃のダウンタウンはとても楽しい時代でした。まだ地価が今に比べればそんなに高くなくて、実際に若いアーティストとかミュージシャンがニューヨークで一旗揚げようと出てきた時に、ちゃんと住める街として残っていました。ロウアー・イースト・サイドとか下の方なんですけど、小さなバーとかラウンジ、クラブがたくさんあって、夏になれば人が道に溢れかえっていました。その頃からサブプライム、リーマンショックくらいまでが僕にとって一番、ニューヨークが楽しい時期だった気がします。リーマンショックから立ち直ってからは、コロナが起きるまではもう景気が良すぎて全てが異常な勢いで高くなって、お金が無ければ若い人にとってちょっと住めないような街になっていきましたから。2000年代っていうのは本当にダウンタウンがまだ、いわゆるダウンタウンらしいという時代で、ヒップホップがどんどん人気になっていく時期だったんですけども。その中で「ディスコパンク」と言われた音がニューヨークを中心に広がりを見せたのですが、その中心にいたのがジェームスでした。パンクのように性急なギターやドラム、要は縦ノリですね。そこにディスコのような横ノリのベース。飛び跳ねるだけでも楽しいんですよ。最初聴いた時は、「なにこれ!」って言って、すぐその音に恋に落ちてしまいました。
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その「ディスコパンク」、ダンサブルで早い音ですので、この番組でかけるわけにはいかないんですけども、もし興味があったら聴いてみてください。1番売れたのはThe Raptureというバンドの「House of Jealous Lovers」っていう曲なんですけども、その曲こそジェームスがプロデュースしたものです。なにがカッコいいって音がスカスカなんですよ。余計な音を足さないのでスカスカしているのですが、それがいい。ベースがシンプルに走って、ドラムがシンプルに鳴って、ギターがギャンギャンと鳴る。僕は音楽はスカスカで音と音の間に十分な隙間があるようなものが好きです。ヒップホップだとシンプルなループものだったり、そういう方が散歩に合うんですよね。音を聴きながら想像ができるというか、まあそれは置いといてジェームスです。彼のバンドっていうのは2000年代最強のライブバンドって言われているぐらい素晴らしくって、ロックでこんなに踊れるのか?という感じなのですが、DJも最高なんですよ。DJの時はあんまりパンクとかかけなくてニューウェーブと昔のディスコとかなんですが、音響にもめちゃめちゃ凝るので話が合うんです。番組で度々話してますけども札幌にある音の良い箱「プレシャス・ホール」に昔ジェームスを送り込んだんですよ。そしたらえらく感激して、「俺も自分のシステムを作る」。「ディスパシオ (DESPACIO)」という移動式のとんでもないクラブサウンドシステムを作ってしまいました。6発かな?2メートル50とか3メートルあるスピーカーにそれぞれマッキントッシュの高級アンプをくっ付けて、それを円形に組んでのんびりとビートの無いところからだんだん上げて行くっていうパーティーをやっているんですけど、似たことを今回したわけです。OJASというニューヨークの友達がデザインしているスピーカーを持ち込んで、ジェームスが友情出演DJをしてくれました。なにしろ家族旅行で来ている時に「やっぱり1日だけクンと遊びたい」っていうことになって、スケジューリングはもちろんボスである奥様に「申し訳ないんだけど一晩だけ一緒に音楽で遊んでいい?」って言ったらお許しが出たんですよ。と言う訳での友情出演だったんですけども、60 bpm、ほぼリズムが無いところからゆっくりと上げて行って4時間後に123 bpmまで行きました。だいたいどのくらいのスピードかって言うと、この番組の上限の速さだと思っていただければという感じなんですけども、色んな音楽をかけてくれました。サントラから昔のニューウェーブから、やっぱりパーティーってこれだよなって思いました。踊らなくても聴ける音楽から始めて気付けば体が揺れている。顔だけ出すよと言ったBECKも、翌日ライブなのにまだいたの?っていう時間までいましたからね。ああいうパーティーこそ僕にとって本当のディスコで、老若男女楽しめると思うんですよ。夏くらいまでにまたやろうと思ってますので、体揺らしに行こうかなって思う方は細かくスケジュールをチェックしてみてください。
野村訓市
1973年東京生まれ。幼稚園から高校まで学習院、大学は慶応大学総合政策学部進学。
世界のフェスティバルを追ってのアメリカ、アジア、ヨーロッパへの旅をしたトラベラーズ時代を経て、99年に辻堂海岸に海の家「SPUTNIK」をプロデュース。世界86人の生き方をたったひとりで取材した「sputnik:whole life catalogue 」は伝説のインタビュー集となっている。
同名で「IDEE」よりインテリア家具や雑誌なども制作。現在は「TRIPSTER」の名で幅広くプロデュース業をする傍ら、ブルータス等の雑誌などで執筆業も行う。