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Let's travel! Grab your music.
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『TRAVELLING WITHOUT MOVING』・・・
「動かない旅」をキーワードに旅の話と、
旅の記憶からあふれだす音楽をお届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。
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#521 --- 実は、“初訪問” ---
ひょんなことから知り合ったトルコ人の友人に
頼まれて初めて訪れた「イスタンブール」。
“国際交流”を目的としは訪問の目的は?
現地で何をしたのか?
濃密で充実した時間をすごした訓市・・・
イスタンブールの魅力について語る。
毎週1名の方には、
「500回オンエア記念Tシャツ」をプレゼント!
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「旅」と「音楽」に関するエピソードや思い出の
“お便り”をお待ちしています。
「旅先で聴きたい曲」のリクエストも大歓迎!
手紙、ハガキ、メールで番組宛てにお願いします。
番組サイトの「Message」から送信してください。
訓市がセレクトした“お便り”の中から
毎週1通を厳選して、
「番組オリジナルTシャツ」をプレゼント!
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宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
TUDOR TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛
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MUSIC STREAM
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
Digy's Dinner (Monnow Valley Version) / Oasis
West / Will Van Horn
The Luckiest / Ben Folds
The End / Bruno Major
晩夏(ひとりの季節)/ 荒井由実
September / Campsite Dream
You'll Never Find Another Love Like You / Lou Rawls
Aura / Soultwin
Road Of The Lonely Ones / Madlib
ON AIR NOTES
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。
KUNICHI was talking
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先日、トルコのイスタンブールに行ってきました。行きたいなと思ってはいてもなかなか機会がなく、近くにはいても足を踏み入れることはありませんでしたが、ある時、トルコ人の友達ができました。そして「2024年は日本とトルコの国交成立100周年で、僕はいろんな文化交流をしようと考えてるんだけど、もし実現するとしたら来てくれる?ぜひ訓にイベントをやってほしい」と言われたので、まあそんなことないだろうと軽く「ああ、いいよ」と返事したところ、今年になって本当に連絡してきたのです。「やることになったから9月にぜひ来てほしい。連れてきたい仲間も教えてくれ」。こう言われたら、もちろん行かなければいけません。どんなイベントなのかと思ったらちゃんと日本の総領事館も一緒になって手伝ってくれてるということで、 そんなオフィシャルというか堅いところに果たして僕たちが行っていいのだろうかという疑問がかなり頭にもたげたんですけども、まあね、どこ行っても人を楽しませるとか、“草の根民間交流”で言えば僕はプロです。行って皆さんを踊らしてやろうじゃないのということでイスタンブールへ仲間と旅立つことになりました。エキゾチックな素敵な街だとは思っていたんですが、行ってまずびっくりしたのがその大きさです。人口が1500万人位いるらしくて、サイズ感でいうと東京とかロスというか、それが海沿いに右側左側にビシーッとあるわけですよ。地中海辺りの街っていうのは僕は端のスペインからギリシャまで全部行ってるんですけども、この海沿いにこんな大きな街があるのかと本当にびっくりしました。そして、街並み自体は一瞬ヨーロッパ、イタリア辺りみたいな路地が多くていい感じなんですけども、至る所に尖塔が立ち並ぶ大きなモスクが見えて、その感じがスターウォーズのファントムメナスみたいな感じで、これはまたえらく異国情緒があるなという、そんな気分を久しぶりに感じました。歩いていても突然、店の壁が昔のオットマン帝国時代のものになったり、決まった時間に流れてくるコーランの音。僕はもうすっかり最初からこの街を気に入ってしまいました。疲れてるだろうから、そしてちゃんと伝統を知ってほしいと、着いてすぐハマムに連れて行かれました。これも凄い良かったですね。連れてってくれたのは一番古いというハマムで300年前からやってる、建物自体もそのまんまで物凄く趣があります。服を脱いで腰巻を巻いて、まずは全員で蒸し風呂へ。これはあんまり温度が高くなくて、僕らは全然汗をかきませんでした。ヨーロッパから来た友達たちはだんだん暑いと言って汗をだらだらかいていましたが、東京組にとってそれまでの日中の蒸した日の夏の日の方がよっぽど暑くて、僕ら一滴もほぼ汗をかきませんでした。それから大きな浴室に行きます。円形に石のベッドがいくつも設置されていて、早速素っ裸でマッチョなトルコ人のおじさんたちに体をガシガシ洗ってもらいました。ちょっと不思議な気分になりましたけども、本物のトルコ風呂、素晴らしい場所でした。
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トルコ料理は世界三大料理の1つ。そうなんですよね、みんなあんまり知らないですけども、和食・イタリアン・中華ぐらいに思っちゃうじゃないですか。違うんですよ。何でも本当に美味しかったんですけど、ぶっちゃけて言うとやっぱりちょっと重めで、とにかくやたらと肉が出てくるんですよ。「これが羊のレバーだ」「これがモツだ」みたいな。食べまくりましたけども日に日に体が重くなる。「ちょっともう、羊のレバーは今日はいいかな…」って言ったら違うソースで出てきたりとか。僕は普段海外にいても和食を恋しいとは思わないんですけども、今回ばかりは心の底から出汁が欲しいと思いました。味噌汁が飲みたい。スーパーにも行ったんですけどもカップラーメンもなくて困りましたね。和食が無いと本当に無理という人はレトルトのものを持っていった方が良いかもしれません。7つぐらいの大きな丘が連なってできているらしいので歩くのが疲れるのと、タクシーがメーターあるんですけど落としていて、ぼったくろうとしてくる人が結構いた以外は最高な街でした。タクシーは気を付けた方がいいかもしれませんね。「あれ、ゼロが多いんじゃないの」。Uberの見せて、「値段こうだぞ」って言っても、それは予約の値段だとか聞いたこと無いぞっていう感じでしたけども。それ以外は人は親切でしたし、あと飲み屋街もすごく活気がありました。僕らは週末の夜に仲間と100周年記念の人を集めてパーティーをやりまして、その場所が2時で音が出せなくなったので、飲み足りねえということで別の店へ遊びに行きました。今日はさすがにもう6時から飲んでるし飲まないぞと思いつつ、色んな人がお酒を持ってきちゃ乾杯しようと言うので、これは民間交流として断れないと思って乾杯をしていたら気づくと朝でした。「やべー、帰るぞ」と東京の癖が出まして、明るくなったらまずいという・・・。ホテルまでの道を30分ほどかけて歩いて帰ったのですが、まあもう明るくなってるのに道にはたくさんの酔っ払いが。夏の渋谷の朝を思い出して、すっかり上機嫌で歩いて帰りました。イスラムの国ですし、宗教的には厳しい大統領がいる割には国はとてもオープンで陽気でした。僕はサッカーが好きで、よくヨーロッパのプレミアリーグだなんだを観るんですけども、良いチームにいる有名選手がちょっと峠を過ぎた辺りですけどもトルコリーグのチームに移籍してきます。そんなにトルコリーグってレベルが高いのかなとか、給料がそんなに良いのだろうかって素朴な疑問だったんですけども、来てみて分かりました。移籍してくる有名選手はほとんどがイスタンブールのチームに所属するんですけども、みんな環境を気に入って住み着くらしいんですが、なるほどなっていう感じでした。たくさんの船が行き交うボスポラス海峡を挟んでアジア側とヨーロッパ側に分かれるこの街は本当にとにかく美しくて、普段あまり出会わない中央アジアの人たちにもたくさん出会いました。カザフスタンから来たとか、人種的にも難しくて分かんないんですよね。日本人みたいな人もいますしトルコ人みたいなわりと濃い顔の人もいますし。普段よく会うヨーロッパでも、僕がよく行く東南アジアでもない、違うヨーロッパでありアジアであるトルコのイスタンブール。またすぐに戻ろうかなって思ってます。
野村訓市
1973年東京生まれ。幼稚園から高校まで学習院、大学は慶応大学総合政策学部進学。
世界のフェスティバルを追ってのアメリカ、アジア、ヨーロッパへの旅をしたトラベラーズ時代を経て、99年に辻堂海岸に海の家「SPUTNIK」をプロデュース。世界86人の生き方をたったひとりで取材した「sputnik:whole life catalogue 」は伝説のインタビュー集となっている。
同名で「IDEE」よりインテリア家具や雑誌なども制作。現在は「TRIPSTER」の名で幅広くプロデュース業をする傍ら、ブルータス等の雑誌などで執筆業も行う。