腕時計 TRUME を使用しているオーナーに、
実際の使い心地を聞きました。
僕は赤が好きで、鞄や靴、ベルトなど、必ずどこかに赤を身に付けています。
TR-MB7010は、その落ち着いた赤色のあしらいに惚れました。派手過ぎず、落ち着き過ぎずという微妙なバランスのデザインは難しいと思うのですが、これはその絶妙なトーンで完成しています。腕に巻くと、その適度なデザインの感じがすぐに体に馴染むような気がします。気合を入れる、という感じではなく、これを身に付けると自然にすっと気持ちが整うような、無理なく背すじが伸びるような、とても心地よく行動を起こせる感じです。なので、スペシャルなとき、というよりも、日常から少しだけ意識を変えたい気分のときにTRUMEを選びます。
たとえば、日常のオフィスの仕事から出張に行くとき、尊敬している先輩に会うとき、ちょっと贅沢な食事に行く時。特に食事に行くときは、ナイロンベルトとレザーベルトを使い分けます。同じフレンチでも、ビストロならナイロンベルト、レストランならレザーベルトとか。時計自体がシックでバランスの取れたデザインなので、どちらも違和感がなく気分を切り替えられます。
「旅に出たい!」と思うことが多くなりました。実際旅に行く時だけでなく、日常生活においても、文字盤を見ているだけで、時差のある国、高度のある場所、いろいろな旅先を妄想してしまうのです。
料理の撮影時などで調理時間を図ったりすることが多いためか、時間を計るのが好きなんです。取材でなくて普通に食べに行っていても、「パスタをどれくらい茹でるんだろうか」「肉を焼いてからどれくらい休ませるのだろうか」とか。だから、ストップウォッチ機能をよく使います。時間を計るだけならスマホでもなんでもいいのですが、そんなときにいかにも時間を計ってます、といったことをするのは格好悪い。この時計の洗練と機能がほどよくミックスされたデザインの文字盤だと、食事相手に気づかれないほどさりげなく計ったり見たりできる。それが格好いいと自分では思っています。
また、仕事で海外の方とやり取りすることもあるので、ワールドタイム機能も便利ですね。これもスマホなどで見られますが、食事中にスマホを取り出してみるのは相手に失礼な気がして。TRUMEならそのデザイン性からそっとさりげなく見られる。これもいいですね。
派手な時計のように、ぱっと見で「それどこの時計ですか?」と言われることはないのですが、じっとしばらく見てから「それは?」と尋ねてくる人がいました。見ているうちにじわっと興味が湧いてきたのでしょうね。僕もそんな存在の腕時計だと思っています。
植野広生dancyu編集長
1962年、栃木県生まれ。上京後すぐに、銀座のグランドキャバレー「モンテカルロ」で黒服のアルバイトを始める。その後、鰻屋や珈琲屋、アイスクリーム屋など多数の飲食店でアルバイトを経験。大学卒業後、新聞記者を経て、出版社で経済誌の編集を担当。その傍ら、大石勝太(おおいし・かつた。「おいしかった」のシャレ)のペンネームで食の記事を手掛ける。2001年、プレジデント社に入社、以来「dancyu」の編集を担当し、2017年4月に編集長に就任。趣味は料理と音楽。食と音楽のイベントを手掛けるほか、テレビやラジオの出演多数。7月7日にはポプラ社より「dancyu”食いしん坊”編集長の『極上ひとりメシ』を上梓。dancyu WEBサイト