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STORY

2024.08.24

編集者・選曲家の橋本徹さん

++ Introduction ++

編集や選曲の仕事を通じて、
長く音楽シーンに関わっている橋本徹さん。
まずは、そんな橋本さんが
今、若い世代の「新しい音楽」の楽しみ方の傾向をお話してくださいました。

『サブスクリプションとかで、友達に勧めれたのを気軽に聴けたりとか
いろんな意味で便利になって、敷居は下がって
楽しくカジュアルに音楽と接することができるようになっていると思うんですけども
レコードショップで顔を合わせる若い世代は
それだけではなく、僕たちの頃と同じように色々掘ってますよね。』

レコードショップでも一昔前は試聴ができるお店が少なかったため
レコードのジャケットや、クレジットを見たり、
音楽雑誌で情報を仕入れて、購入されていたそうですが
レコードショップも90年代から段々と試聴ができるお店が増え始め
収録されている音を聴いてから、買えるようになってきたそう。

しかし、試聴ができるようになってきてからも、
「ジャケ買い」という言葉があるように
CDジャケットの写真や絵によっては、聴かずに買う文化もあります。

『このジャケットだったら自分とセンスが近いんじゃないかなとか
イマジネーションを膨らませて買うんです。
やっぱりジャケットのセンスが近いと、音楽も近いことが多いです。
でもどうしようもない時は、音楽は聴かないけど
ジャケットがいいから飾っておけばいいやっていう感じで。』

今はレコードショップに行って音楽も探りつつも
サブスクリプションなどで新譜もチェックするなど
音楽の聴き方が多様化した時代、
曲を届ける側としてその多様性を大切されているそう。

コンピレーション・シリーズ『フリー・ソウル』をプロデュースしている橋本さんですが、
今月、30周年を記念して『レジェンダリー・フリー・ソウル 〜シュプリーム』と
「プレミアム」、2種類を、それぞれ2枚組でリリースされました。

『90年代フリー・ソウル黄金時代の人気曲や
キラーチューンを惜しげもなく投入して、
ベストオブベストコレクションという感じになっています。
やっぱり盛り上がる曲とかも多いんですけども
それだけだとフリー・ソウルの一面でしかないので、
メロウに心に染みてくる曲も収録させてもらっています。』

タイトルの「フリー・ソウル」。
直訳すると「自由な魂」という意味になりますが
このタイトルに込められた想いとは・・・

『70年代のソウルミュージック周辺の
グルーヴィーでメロウな音楽を集めたコンピシリーズということで
始めたという経緯があるので
「ソウル」という言葉は引っ掛けてはいるんですけど
どちらかというとジャンル面のソウルというよりは
「フリーマインド」という意味合いが強くて
それまでの古い価値観とか既成概念にとらわれないで
自分に正直に心の声に従って、
良いなと思った曲を楽しんでいくムーブメントという感じですね。』



++ Until now ++

橋本徹さんの「一番楽しかった時」
というキーワードで過去を振り返っていきました。

『フリー・ソウルのDJパーティーで、
超満員のオーディエンスがみんな笑顔にあふれ、
音楽の感動に浸っているのを
DJブースから見ていた夢のような光景は、
今も脳裏に焼きついています。
そして渋谷の公園通りにカフェ・アプレミディを開いて、
やがてカフェブームがやってきて、
フロアが満席で心地よい音楽が流れる中、
お客様がみんな笑顔で話に花を咲かせていた光景も忘れられません。』

そんなDJやプロデュース、選曲など
音楽に長きに渡り携わっている橋本さんですが
中学生くらいまでにはヒット曲を聴くのがほとんどだったそうですが
高校の途中くらいから
当時イギリスでニュー・ウェイヴの中から生まれてきた
アコースティックな青春ポップスを好きになり、
そこからレコードを買い集めるようになったそう。
大学時代にはアルバイト代をほぼレコード代につぎ込むようになり、
60〜70年代のソウル、ジャズ、ソフト・ロック、ブラジル音楽、映画音楽など
興味を広げていきました。

その後、編集者としてお仕事を始められますが
そこでは大学時代に培ってきた音楽や映画、デザインが
表現しきれないと思い、
プライベートでフリーペーパー『SUBURBIA SUITE』を創刊し
橋本さんの好きな音楽を紹介。

音楽評論、レコード会社、ライブハウスの運営など
音楽と関われるいくつものお仕事がある中
橋本さんがコンパイラーを選んだ理由とは・・・

『それが自分にとって一番美味しかったのかなと思います。
やっぱり好きな音楽を伝えるために文章を書いたり編集をしたり、
レコード会社の制作やプロモーターになったりというやり方もあるんですけど
コンパイラーってほんとに直接的に
自分の好きな曲はこれですっていうのを各レコード会社の方が
使用許諾を取ってくださって
自分の好きな順番に並べて出せてしまうっていうのは
とてもやりがいがあるしときめく仕事でしたね。』

++ From now on ++

最近は海辺や夕暮れを、自分の選曲をアイデンティファイする
シチュエイションとして大切にしたいと考えている橋本さん。
シーサイドやサンセット・タイムのDJはされていますが
今後はコンピCDというフォーマットでもご自身のセレクションの
挑戦を始められました。

それがこの夏リリースした
『Seaside Chillout Breeze』というコンピレーション。
海辺でチルアウトしながら、
心地よい風を感じたような快適音楽を集めたコンピCDになっています。

そしてこのシリーズとして
9月には『サンセット・チルアウト・ブリーズ』をリリース予定とのことで
現在、制作中。

『Seaside Chillout Breeze』、『Sunset Chillout Breeze』
こちら二つともCDリリースとのことですが
橋本さんがCDにこだわる理由についても伺いました。

『レコードもそうですが、物としての魅力も大切にしたいなと思っていて
ジャケットのアートワークだったり
ブックレットの紙の肌触りだったり、
そういうことを考えると、僕はそういう時代に生まれた人間だったので
コンピレーションCDというフォーマットが可能な限りは
そこで表現を続けたいなという気持ちはあります。
あとは部屋に飾りたい、ということもあるんですよね。』

今年、”香りと音楽のマリアージュ”をテーマに
”音のアロマセラピー”という感じで選曲した、
『Incense Music for Bed Room』と
『Incense Music for Living Room』という2枚のコンピも制作されました。
どちらも家に飾りたくなるようなアートワークも大切にしています。
今後はIncense MusicのようにInterior Musicも考えており
空間を心地よく過ごすために、かかっていてほしい心地よい音楽や
飾られてほしいジャケットをイメージしているそう。
さらにコラボレーション家具の製作も行っているとのこと。

『やっぱり自分がやる時は、
ただ音楽を掘り下げるだけではなくて
生活とか日常の中のいろんな要素と組み合わせることによって
その音楽が流れている時間や空間が
素敵なものになったらいいなということを考えています。』

ON AIR LIST

  • HEATSTROKE / KHALID
  • THINKING OF YOU / SISTER SLEDGE
  • GUIDANCE / JHENE AIKO

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