at home QUIET POETRY
一日の終わりに、一編の詩を。
詩人の菅原敏が 街にそっと詩を注ぐ 真夜中のひととき。
新たな街、新たな言葉との出会いをナビゲートします。
菅原敏の詩の世界をご紹介
2020.02.27
リスナーの皆さまから頂いたお悩みや相談に、一編の詩でお答えする
「詩の処方箋」。
ラジオネーム:真夜中のゴールドさんのお悩み
「敏さんこんばんは、今は家族に囲まれ、静寂のはざま・・・とは言えない毎日ですが、この番組を聞いて一人暮らしをしていた時の夜を思い出しました。当時私が暮らしていた街、戸越銀座に詩を注いで頂けないでしょうか。
まだ若く、夜な夜な一人で晩酌できる店を探した日々。
あの頃のちょっと荒々しくもあり、でも繊細だった日々を少し思い出せるような処方箋をお願いします。」
とのこと。
かつてあなたが暮らした戸越銀座の街と部屋と酒場、そして若かったあの頃の日々にこの一編を。
「甘い生活」菅原敏(「裸でベランダ」より)
女の子のユニットバス
甘ったるいシャンプーの香り
の日々が
今日で終わってしまう
あの狭い部屋
カラフルで安っぽい
シャワーカーテン
の向こう側に
ずっと続いて欲しかった
詩が書けた
と喜んで お酒を飲む生活を
恥ずかしく 誇りに思う
残念ながら自分の人生に
責任は持てない
こともないか
ユニットバスに逃げ込んで
五年後十年後
長い髪に顔
突っ込んで激しく
冷房の効いた部屋で
八月
ビールを飲みたい
2020.05.20
『古いホテル』
2020.05.11
『タンザニア』
2020.05.05
『ピーターラビット』
2020.04.30
『ふたつ重ねて』
2020.04.29
『森の生活』
2020.04.14
『すべて悲しき若者たち』
2020.04.08
『街の素顔』
2020.03.30
『裏窓』
2020.03.24
『4月のふたり』
2020.03.17
『背中に気をつけろ』
2020.03.09
『Tea for Two(二人でお茶を)』
2020.03.03
『食卓に溺れる』
2020.02.27
『甘い生活』
2020.02.25
『白と黒』
2020.02.18
『夜のかもめ』
2020.02.11
『バスタブの音楽』
2020.01.30
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