at home QUIET POETRY
一日の終わりに、一編の詩を。
詩人の菅原敏が 街にそっと詩を注ぐ 真夜中のひととき。
新たな街、新たな言葉との出会いをナビゲートします。
菅原敏の詩の世界をご紹介
2020.05.11
今夜は代官山と中目黒から。
近くに暮らしていた頃は、蔦屋書店によくいった。
特に目的もなく棚の間を歩いて、新たな本との偶然の出会いは
いつでも心躍るもので、購入した後はそのまま
槍が先交差点を下って路地を入り、ビルの3階にある
カフェファソンという喫茶店で買った本を読むのが常だった。
何冊もの本をここで読んだし、たくさんの締め切りをこの店で切り抜け、
友人と長居することもあったし、少し苦いさよならの時間も過ごした。
今、このような状況下で足を運ぶことは難しいけれど
オンラインでも豆を買うことができるのでとても助かっている。
今夜は、この店の
タンザニアという豆に書き下ろした一編を。
『タンザニア』菅原敏
まるい地球の裏側で
オレンジ色の太陽が
夜にぽたぽた落ちるころ
裸足で草を踏みながら
空のページをめくった女が
物語に飛び込んだ
ひとり静かに影を残して
2020.05.20
『古いホテル』
2020.05.11
『タンザニア』
2020.05.05
『ピーターラビット』
2020.04.30
『ふたつ重ねて』
2020.04.29
『森の生活』
2020.04.14
『すべて悲しき若者たち』
2020.04.08
『街の素顔』
2020.03.30
『裏窓』
2020.03.24
『4月のふたり』
2020.03.17
『背中に気をつけろ』
2020.03.09
『Tea for Two(二人でお茶を)』
2020.03.03
『食卓に溺れる』
2020.02.27
『甘い生活』
2020.02.25
『白と黒』
2020.02.18
『夜のかもめ』
2020.02.11
『バスタブの音楽』
2020.01.30
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