at home QUIET POETRY
一日の終わりに、一編の詩を。
詩人の菅原敏が 街にそっと詩を注ぐ 真夜中のひととき。
新たな街、新たな言葉との出会いをナビゲートします。
菅原敏の詩の世界をご紹介
2020.03.03
新旧の家具屋が立ち並ぶ目黒通り。
現在ではインテリアストリートとも言われているこの通り。
江戸の時代から大鳥神社、目黒不動尊、九品仏などへの参道として人々が
行き交っていたそうです。
白金から目黒を抜けて、世田谷方面へ。一軒の店で、私は食卓のテーブルを
買いました。
それはとても不思議なテーブルで、私はもう一度あの店に行きたいと思って
探すのですが、今ではどこにも見つけることができません。
今夜は目黒通りと、あの店に一編の詩を。
『食卓に溺れる』菅原敏
食卓のテーブルを囲む人数は
次第に減ってゆくもので
人を乗せないキリンのように
立ち尽くしている椅子
わずか1mにも満たないテーブル幅
その中央には大きな川が流れ
向こう岸へ声は届かず
もはや泳ぎ切ることもできない
川の流れに指を差し込み
きらきら反射する水面に目をこらし
アフリカからやってきた
珈琲豆を砕いたら
コップひとつが食卓の朝
2020.05.20
『古いホテル』
2020.05.11
『タンザニア』
2020.05.05
『ピーターラビット』
2020.04.30
『ふたつ重ねて』
2020.04.29
『森の生活』
2020.04.14
『すべて悲しき若者たち』
2020.04.08
『街の素顔』
2020.03.30
『裏窓』
2020.03.24
『4月のふたり』
2020.03.17
『背中に気をつけろ』
2020.03.09
『Tea for Two(二人でお茶を)』
2020.03.03
『食卓に溺れる』
2020.02.27
『甘い生活』
2020.02.25
『白と黒』
2020.02.18
『夜のかもめ』
2020.02.11
『バスタブの音楽』
2020.01.30
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